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僕は決して強くはないから
官能リレー小説 - ハーレム

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僕は決して強くはないから 10

…まさかこの歳になって母乳を飲むなんて。
最初はなんともいえない気持ちになったが、徐々にそれはなくなっていき甘くどこか懐かしい気分にさせてくれた。

「若様、如何ですか?」
美幸は僕の頭を優しく撫でながら尋ねる。
「とても美味しい…それに、懐かしい感じがする…」
「好きなだけ味わってくださいね」
そのまま数分、心地よい時間を味わう。

少しして身体を起こし、慶子が用意してくれた着替えに手を伸ばそうとする。
「若様、私が」
周りの皆が着ているようなものと同じ、和装のようだ。

慶子が僕に着物を着せてくれる。
ここでの僕は自分で何かしちゃいけないみたいだ。
まるで王様みたいな扱いだけど、かなり慣れなくて違和感があった。

そして僕は慶子に抱っこされそこから移動。
まるでリビングのような部屋に入った。

「ここが若様のお部屋で御座います」

ここは洋風の作りの部屋で床はフローリング。
リビングのようなテーブルセットと大きなテレビ。
部屋の向こうには大きなベットと机がある。
入ってきた入り口以外にも扉が2つあった。

「あの扉は何?」
「1つは洗面所とトイレ、もう1つは私達4人の部屋と繋がっております」

そう言った慶子が僕を抱っこしながらソファーに座った。

「4人って、ここに住んでるの?、他の家族は??」
「私達は柳瀬家に全てを捧げ忠誠を誓っております・・・若様のしもべとなる子を産むために結婚はしましたが、その目的は達成されて不要となりました・・・」

紗枝さんも似た事言ってたけど、今の時代にそんな事を言う人がいるんだとびっくりする。

そして僕は更に気づいた疑問を聞いてみることにした。

「僕の為の子って・・・僕って柳瀬家の子になるって昔から決まってたの?」
「はい、この後お屋形様からご説明があると思いますが・・・麻衣様は本来柳瀬家のご当主となられる方でした」

母さんの事だ。
母さんが当主って、ここに来た事もなかったから全然知らなかった。

「しかし麻衣様はご先代様の決める結婚を拒否し、ご自分で夫となられる方を連れてきました・・・その結婚は周囲から反対されたのですが、麻衣様は諦めず『長子を養子として柳瀬家を継がせる』と言う約束で結婚は認められました」

ちょっと理解できてきた。
じゃあ何で僕はあんな事になったんだろう・・・

「私達は生まれてくる若様をいつでも迎えれるように準備をしておりました・・・そして麻衣様の姉君であるお屋形様がご当主となり、若様を迎える準備は整いましたが・・・麻衣様ご夫婦が先延ばしにしてきたのです・・・」

僕はこの家の事なんて聞いた事ないし、どこかに養子にされる話も聞いてない。
あの人が厳しすぎる以外、普通の家庭だったような気がする。

「問題を複雑にさせたのは、紺野正樹…若様の父である男です」

そこであの人の名前が出てきた。
やはりあの人が何か余計なことをしでかしたのか。

「麻衣様は若様やご自身の近況について逐一こちらに連絡を寄越して下さいました。それがある日を境に急に途絶えてしまったのです」
「原因は?」
「夫である紺野正樹…主に彼の所為です」

母さんは紗枝さんに僕らのことを報告していたんだ…知らなかった。
あの人は僕だけじゃなく母さんにも手を挙げるような人だ、何か不愉快なことでもあったのだろうか。

「それ故にご分家の理恵様一家に近くに行って貰いましたが・・・麻衣様ご夫婦の仲はとてもよろしいようでした」

理恵様って言うのは七海ちゃんのお母さんだった筈。
七海ちゃんが近くに住んでいたのはそう言う理由があったんだ・・・

「夫婦仲が良く、子供を可愛がり手放さないのであれば、それは理解できない話でもありません・・・報告を受けたお屋形様はずっと悩んでいたようです・・・理恵様に監視して頂いた姿は『子供を可愛がる仲の良い夫婦』と言う姿しか分からなかったのです」

あの人は外面は良く、世間では信頼される人だった。
それに母さんは暴力を受けてもあの人を愛していたように思う。

「故に理恵様には戻って頂いたのですが・・・まさか彼の本性がそんな男だとは我々も見抜けませんでした・・・若様には申し訳無い事をしました・・・」
「うん・・・多分分からないと思う・・・あの人の本性なんて・・・」

あの人の本性は、暴力で全てを従わせるような人だ。
だけど狡猾にも尻尾を出さなかっただけだ。

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