PiPi's World 投稿小説

僕は決して強くはないから
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 11
 13
の最後へ

僕は決して強くはないから 13

「アンナ・シュターゼと言います・・・ママはお屋形様の秘書をしてます」

にっこり笑う彼女はお人形のように可愛い。
でも胸は小さなお人形にしては豊かでドキッとしてしまう。

「こう見えてもアンナは何カ国語も喋れる程優秀ですわ・・・いずれ若様の秘書としてはどうですか?」

そう言うのは逆隣に座る紫乃。
僕の後ろには明日香、その両隣も女子。
前列は有里恵、由香、茉理の三人。
男子もクラスにいるんだけど、まるで僕を守るようにぐるりと女子の席になっている。
しかもみんなとびきりの美人とか・・・
今までの人生は何だったんだろうと思ってしまう程の変わり様だ。

「まぁ、慣れないのは分かるけど・・・気にし過ぎちゃいけないわよ・・・今までの人生が辛かったのはこの為ぐらいに思っちゃえばいいわよ」

みずねぇは笑ってそう言うと教壇に戻り、クラスのみんなに言う。

「みんな気づいてると思うけど、今日より柳瀬家跡取りである悠樹様がいらっしゃるわ・・・ただし、この学園内ではよき友人として共に学んで頂戴」

授業の内容は田舎の学校だし、別に高度ではないけどみずねぇの時間にかぎらず、他の科目の先生も丁寧でしきりに僕の方を見てチョークを進める早さに着いてこれてるかなど気を配っていた。
特に年配の先生は僕に授業をできることを長い教師生活で最高の栄誉と言い切り、身なりからも気合が入っていて驚かさせた。
先生は仕事や僕に恩を売ろうとしているみたいだけど、僕のせいでクラスメイトにもしわ寄せが来ているのも事実なので、この辺で目に見える旨味を提供させるために休み時間に有里恵を呼ぶ。
昼休みまでにあるものを都合させるように手を打った。運良くクラスメイトの実家がケーキ屋という生徒がいたので、昼食にクラス全員にケーキと飲み物を配る手筈が無事整う。

「若様、なんてお優しい」
「遺憾ながら母子家庭の生徒もいますので、ささやかな贅沢も大きな喜びとなるでしょう」
「今日のは挨拶代わりさ。このクラスだけじゃ、不公平だ。いずれ学年全員でバーベキューをやろう」

僕がそんな風に言うと、机を囲むクラスメートの顔がぱあっと明るくなる。
「若様、ありがとうございます!」
「こんな私たちのことも考えてくださって…何とお礼を…」
笑顔を見せる子もいれば、感極まって涙する子まで。

「若様、昨日とはまったく違いますね」
「うん…一晩寝て考えたんだ。ここだったら、僕も変われるんだって。みんなと一緒に僕も成長したい。男として、人間としてね」

そんな言葉を発する僕を嬉しそうに見る紫乃と明日香。
とは言え、もう数日もすれば夏休み。
だから焦っても駄目だろうけどね。

こうして、僕のこの学校での初日が終わり、屋敷に住む子達と一緒に専用バスで帰ったのだ。


そして、その夜。
僕は紗枝ママの部屋に呼ばれていた。
部屋にいるのは紗枝ママ、理恵さん、みずねぇ、七海ちゃん・・・
大事な話だろうと言うのは僕でも分かった。

「悠樹を養子にできたのはよかった・・・どうだろう、悠樹さえ良ければ予定通り七海を悠樹の許嫁にしたいのだが?」

僕の意志を確認する紗枝ママ。
でも僕の意見だけと言うか・・・七海ちゃんは頬を赤らめてるから、同意済みなのかもしれない。

「こうやって可愛がって貰えるだけでも有難いのに、僕に反対とか不満はありません・・・」

いきなり結婚相手と言われてもちょっと困るけど、七海ちゃんなら嫌じゃない。
むしろ凄く綺麗で勿体無いぐらいだ。

「嬉しいわ・・・悠樹くんが義理の息子になってくれるなんて・・・」
「ええ、私も悠樹くんが義理の弟になってくれて嬉しいわ」

僕の言葉に喜ぶのは久しぶりに会う理恵さん。
みずねぇも嬉しそうだ。

七海ちゃんは逆に真剣な顔。
姿勢を正して僕に頭を下げる。

「ありがとうございます・・・これより七海は悠樹様の妻として愛と忠誠を捧げ、誠心誠意尽くさせて頂きます・・・」

堅苦しい言葉で、紫乃や明日香が言ったのと似ている。
夫婦だったら平等だと思うのだけど、そんな僕を膝の上に抱え上げながら紗枝ママが言った。

「堅苦しいと思うかもしれんが、いずれ悠樹が当主になったら七海は奥方として家の全てを取り仕切らなくてはならないのじゃ・・・覚悟なくしてできない事なのだ」

紗枝ママは当主だけあって理解してるのだろう。
でも僕はどうなんだろう・・・

「悠樹はそこまで深く考えずともよい・・・七海には家を取り仕切る全てを仕込んでおるし、理恵や瑞穂も補佐する・・・何も問題は無い」

それって、つまり・・・

「それって僕はただの神輿なの?」
「ただの神輿では駄目だ・・・皆が喜んで担ぎ崇拝できる神輿にならねばならぬ・・・我が夫たる男はそれすらできぬからここにはおらぬ・・・主君の器とはそう言うものじゃ」

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す