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ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

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ある六畳一間から伝説が始まる 46

「私の話を聞いているか?」
クローディアが不機嫌そうな声で水晶玉を覗き込んでいる神崎修司とリリスに言う。水晶玉を抱えて、エルフィーヌは説明している。
技術革新は想像から始まる。
空が飛べたらいいのに。
きれいな水を飲めたらいいのに。
それを創意工夫によって実現させていく。
天啓、ひらめき、偶然、それまでは気がつかなかったり、試しても失敗していたことを成功させる者がいる。
地上界のアダルトゲームで登場したアイテムが、魔界で想像されて開発された。
打たれた者に痛みではなく快感を与えるムチなど魔界では需要がない。
むしろ激痛を与えるムチや打たれると戦闘不能の麻痺状態にするムチなど特殊な武器の開発が行われていた。
「戦争が終結して、もう兵器開発は行われなくなったのです。が、その技術を悪用している者がいるようで……」
「魔王様が早く魔界を統一しないと、また戦争か始まるわよ」
リリスが水晶玉を見つめて言った。
「とりあえず、敵の本拠に行ってみるか」
神崎修司がムチで打たれてアへ顔になった美人諜報員エルフとダークエルフの映像に興奮しながら言い出した。
「えっ?」
ダークエルフのクローディアは嫌な予感がした。ロウランは謎の組織に占拠させたまま、封じて空間を切り離してしまおうと考えていた。
そのために必要な魔力を供給する方法として、不本意ながら、魔王の子を孕むという計画なのである。
エルフとダークエルフの女王が、魔王を自ら犠牲となり体を使って懐柔して飼い慣らすという作戦でもある。
リリスに魔王をあずけておくと、何を始めるかわかったものではない。
エルフィーヌとクローディアは今回の反乱騒ぎもリリスか狐姫玉藻の陰謀だと考えていた。
「自称魔王がエロアイテムを使って悪さしてるのが、何で大問題なんだ?」
神崎修司がクローディアに言った。
「ふふっ、それは私が説明するわ♪
ヴァルキリーに魔界の重要な種族の女王が天界のエネルギーにされて、その種族が全滅することも滅亡因子だけれど、快感の魔法の多用でそれ以外は興味がない者だらけになったら、発展はなく衰退しかなくなる。
全滅もありえるから聖刻より深刻な問題ね 」
「そこまでわかっているのに、リリス、神として何もしないのか……神などいらぬ!」
「クローディアちゃんが滅びたら、ダークエルフ族は絶滅するけど、やる気なら本気でかかってきなさいね」
「こらこら、二人ともやめれ」
神崎修司が二人をなだめる。
エルフィーヌが黙って見ているのがこわい。
「なあ、反乱した自称魔王が誰なのか、リリスは知ってるんだろう?」
「エルフィーヌちゃんも気づいてるわよね」
リリスに急に言われて、エルフィーヌがギクッとした表情になる。

第十二話 ドワーフ族の末裔

魔界を魔王が現れて統一される前、エルフ族と獣人族は魔界の覇権をめぐり長年にわたる戦いを繰り返していた。
獣人族とハーフリング族、エルフ族とダークエルフ族の戦いの中で、どちらの軍勢にも魔法のアイテムを開発、提供していた武器商人の種族がいた。
魔王が四大種族の女王を愛人にして、戦争を終結させ、天界の軍勢との戦いに突入する間に消えた魔法技術の職人種族がいた。それがドワーフ族である。
「エルフィーヌちゃんは、昔に何があったか、魔王様が出現して、もう思い出したんでしょ?」
「エルフィーヌ、どういうことだ?」
クローディアが、エルフィーヌの顔を見つめて言った。
「さすがリリス様、そこまでわかっているのですね」
神崎修司はわからない。
ドワーフ族は魔界を裏切り、天界の軍勢の配下となった。
「エルフ族はドワーフ族を使い、魔界統一のための陰謀をめぐらせていたの。
でもね、魔王様に飼い慣らされて野望はなくなったから、ドワーフ族はいらなくなったのよ。そこで、ドワーフ族を滅ぼすために性魔術を蔓延させたのね」
「そうよ。それでドワーフ族は天界側に寝返った。でも、天界側からすれば、魔界の種族は生け贄にすぎなかった。だから、ドワーフ族は滅びたはず」
「魔界の種族に復讐するために、ドワーフ族は滅びたわけではなく、女王だけを隠して滅びたように見せかけたとしたら?」
魔王に凌辱されることも拒み、すでに職人ではなく淫らな快楽に溺れた民も始末して復讐するため、ドワーフ族の女王はロウランの地下に眠りについていた。
「ムチだけじゃなく、都市を結界で封じて中にいる者を淫乱にする幻術に陥れる性魔術はエルフ族と獣人族の合作よね」
「では、リリス。魔王の正体はドワーフ族の女王なのか?」
クローディアがリリスに言った。

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