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ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

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ある六畳一間から伝説が始まる 45

神崎修司が首をかしげる。
リリスは戦争などしかけていない。
昨日まで狐姫の領地である常夏の島で遊んで暮らしていた。
「賢者の塔」を襲撃されてから毎日遊んで暮らしていたことを二人に説明した。
エルフィーヌとクローディアが顔を見合わせて困惑する。
「では、ロウランの都を占拠している敵軍はリリスの軍ではないということか」
「リリスに罪をなすりつけようとしている者がいるということですわね」
「じゃあ、俺は帰らせてもらいたいんだが……」
神崎修司が言うと、エルフィーヌとクローディアが首を横に振った。
「俺、関係ないだろう?」
「もし、リリスがあなたを魔王として選んだのであれば、この世界の王として義務や責任があります」
「エルフィーヌ、こいつが魔王なんて信じられん。まちがえではないのか?」
ダークエルフは神崎修司を斬り殺してしまおうと考えている。
「まちがいありません。召喚術はこの世界で決まっている宿命の者を瞬間移動させるのですからね」
「その占拠している敵のボスを召喚したら、一件落着だろう?」
「それはできない」
「なんで。俺をむりやり召喚してエネルギー切れだからとかじゃないよな」
「それもある」
「なあ、俺を召喚しなければできたんじゃないのか?」
「敵は自分を魔王だと宣言しています。
しかし、召喚してみれば敵軍の司令官ではなくあなたが出現したのです。
私は夢であなたの気配を知っています。
クローディアは敵軍司令官と交戦したとき、それらしい人物を見ています。
だからあなたが本物だとわかったのでクローディアはあなたを斬らなかった」
「ニセモノ、よくあるパターンだ」
神崎修司はゲームのシナリオのように話を聞いて考えてみていた。
「俺のニセモノか。
リリス、知ってるか?」
神崎修司の体が淡い赤い光を放ち、そのあと神崎修司と二人の間に、淫魔リリス、この世界と夢幻界を守護する女神が降臨したのだった。
「女神リリス様」
「リリス……てめぇ」
エルフィーヌは膝をついて祈りを捧げる。
クローディアはいきなり斬りかかる。
「二人ともかわらないわね♪
で、あたしの魔王様を呼び出して、
狐姫玉藻ちゃんのあじとでの愛欲の日々をじゃましてくれちゃったわけね。
二人でなんとかしなさいよー」
「リリス……俺、ちょっとこの二人が、なんだか、すごくかわいそうな気がしてきた。俺のニセモノが何をしているか聞かせてもらおうか?」
神に祈りを捧げて女神が降臨しても、ありがたみがまったくない。自分たちでなんとかしろという女神、それがリリスである。
神崎修司が瞬間移動させられる直前に、玉藻のおしおきを中断して神崎修司にオーラになって、リリスはちゃっかりくっついてきた。
ニセモノ魔王が重要拠点であるロウランの都を占拠。エルフ、ダークエルフ連合軍の密偵が囚われてなぶられている音声と映像が記録された水晶玉がガーゴイルによって送りつけられた。
「映像では首輪をつけられています。あれは魔法を封じる道具。呪いの紋章が刻まれたプレートがついています。ガーゴイルを含め、魔法具職人が発明品で反旗を翻して独立、自分は魔王だと宣言しました」
「武力行使ではこちらは不利。だから、できることは対策として職人呪いの兵器攻撃に対抗できる魔力の障壁を孕ませてもらった子の力も使い作ろうというわけだ。わかったら協力しろ」
「あら、あのムチって魔王様のゲームのムチじゃないかしら?」
リリスに言われてよく見ると、たしかにそうだと神崎修司も気がついた。

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