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ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

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ある六畳一間から伝説が始まる 37

魔界の南国、狐姫玉藻と獣人族の島。
色鮮やかな熱帯魚のような小魚が警戒せずに、水面に浮上していく神崎修司を、興味があるのか群れで近づいてつついたりしながら泳いでいる。
「ぷふぁ!」
水面に上がると太陽がまぶしい。
「魔王様、流されないでくださいね」
ノルンが微笑してた気がして、神崎修司が後から泳いで追いかけてみた。
ノルンは途中で潜水してかなり深くまで潜っていく。海女になれそうな潜りかたをする。
泳ぎ疲れて海岸に戻るとミーシャと狐姫玉藻が小さな貝殻を拾って見せあっていた。
夕暮れまで遊んで、砂に魔法陣を狐姫玉藻が描くと全員で中に入る。
狐姫玉藻が呪文を詠唱すると屋敷の庭に立っていた。狐姫玉藻の屋敷は和風なので、神崎修司は「温泉とかあるのかな?」とリリスと話していると「ありますよ。宴会の準備ができるまで、のんびりなさっては」と狐姫玉藻が言う。
露天風呂である。
神崎修司が日焼けして少しひりひりする肩までお湯につかり「ふぃーっ、いい湯だ」と言っていると、湯けむりのむこうからリリス、ノルン、ミーシャ、狐姫玉藻が歩いてきた。
神崎修司は四人のオッパイに見とれてしまいそうになる。
「湯かげんはいかがですか?」
「うん、いいね」
神崎修司は狐姫玉藻に言ったあと、オッパイから気をそらそうと魔法陣について聞いてみた。
魔界の空間には住所ではないが見えないけれど区分けされていて、そこを示す呪文を魔法陣の中で詠唱すると、その空間に瞬間移動できる。
「へぇ、便利ね」
リリスは夢幻界を経由して魔界の何処にでも移動できる。神崎修司もリリスと一緒なら瞬間移できるが、他の者たちは夢幻界には意識だけしか入れない。
魔界のすべての空間を示す呪文が判明しているわけではなく、狐姫玉藻しかそれがわからない。
魔法陣で誰が呪文を唱えても瞬間移できるわけではないらしい。
「ところで魔王様……」
狐姫玉藻が何かを言おうとしている。
何か危険な予感がした。
「先に上がらせてもらうよ」
神崎修司に、魔界四天王の隠された能力の覚醒について、ミーシャから聞いた狐姫玉藻がどきどきしながら「今宵、私の相手をお願いしたいのですが」と言おうとしていたのである。
(まあ、いいわ。このあとは宴会。酔った勢いで誘ってみましょう)
「玉藻ちゃん、ちょっと、ごにょごにょ」
リリスが狐姫玉藻とミーシャに囁く。
「ノルンちゃんにも手伝ってもらいたいんだけどな、ごにょごにょごにょ……」
「なんか、かわいそうな気がしてきました」
「あー、魔王様、最近あまりしたがらないのよね。それにノルンちゃんもされたら気持ち良すぎて、蕩けちゃうわよ♪」
ノルン、狐姫玉藻、ミーシャがそれぞれ妄想して照れている。
「ふふっ、ひさしぶりに魔王様にはがんばってもらいましょうね♪」
神崎修司はそうとは知らずに離れの露天風呂から屋敷に戻る途中でくしゃみした。
「湯ざめしたかな」
ノルンの指示で宴会の料理が用意された。
「魔王様、ごはんですよー」
ミーシャが呼びに来たとき、神崎修司は畳の部屋でざぶとんを枕にして、うたた寝していた。海で遊んだ疲れもあり、露天風呂に入ったら眠くなった。アパートの畳の部屋がなつかしい。
(旅館みたいだな、ここ)
着物姿でいそいそと獣人族の娘たちが働いている。着物のお尻のあたりに穴が作ってあり、そこからしっぽが出ている。
神崎修司はその後ろ姿をながめながら、宴会場の大広間に案内された。
「あれ、リリスは?」

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