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ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

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ある六畳一間から伝説が始まる 32

リリスは、ノルンに同情している。
魔王の復活を阻止するために利用されているとも知らずに、法と秩序による調和のために手を血に汚す役目に誇りを持って生きることしかできないようにされてきた。しかも、任務を神崎修司とリリスによって阻止されたことで天界にも戻れなくなった。
戻ったところで、魔界の残り三種族の族長の誰かを、魔王の復活を阻止するために抹殺する役目を与えられるだけだとリリスは考える。
責任感が強いが、その反面で自分の役目に依存しがちだとリリスはノルンのことを理解している。
任務に失敗したことの責任を感じて死を決意したが、堕天の刻印の効果で、気持ちが揺らいだ。
ノルンは敗軍の将として、配下のノルニルたちと一緒にリリスの配下となった。
戦うメイドのリーダーで、殺そうとしたハーフリングのミーシャを「お嬢様」と呼び、身の回りの世話や魔法を教える教師役を命じられた。
もともと責任感が強いので、役目を与えられるとそれに没頭している。
地上界で魔王の化身と、魔界で魔王の記憶と秘技を封印された族長四人が同じタイミングで存在することはめったにない。
この機会を逃すわけにはいかない。
地上界では何百年後に魔王の化身が現れても、魔界では地上界の一日が一年であり、そのタイミングで封印されし四人が存在するとは限らない。
リリスが神崎修司を魔界に連れてきたのは、魔王として覚醒させるためである。
それを阻止する者はリリスの敵である。
ノルンは敵だったが、堕天の刻印を持つ仲間としてリリスは受け入れたのである。

第九話 獣人族の狐姫

ノルニルの一人に変装した狐姫は賢者の塔に侵入した。賢者の塔は本来は、獣人族の領土にあった施設である。王族しか知らない緊急脱出用の瞬間移動の仕掛けがある。
ハーフリングのミーシャが評議会メンバーに裏切られ、異界の森に逃げてきたのは、リリスを頼って来たわけではなく狐姫に頼るつもりだった。
(天使をメイドにするなんて)
狐姫はミーシャを救出するために賢者の塔に乗り込んだのだが、リリスに捕らえられた天使やヴァルキリーが、メイドにされているとは思ってなかった。
ミーシャもメイドにされているのではないかと心配したが「お嬢様」と呼ばれていることやヴァルキリーのノルンと書斎にいることが多いが自室もあると知り、これなら簡単に救出できそうだと考えた。
狐姫がまぎれ込んでいるのをリリスは気がついている。でも、おもしろそうなので放置してみた。遅かれ早かれ捕まえに行くつもりだったのに、狐姫からやってきたのはリリスにとっては好都合。
それに賢者の塔にはリリスの知らない仕掛けがいくつも残されていて、それを聞き出したり観察していれば使い方がわかるのではと思っている。
塔の最上階にある魔法陣が瞬間移動の仕掛けだと、狐姫が潜入してわかった。
神崎修司には言ってない。知ったらむきになって見つけようとするにちがいない。
神崎修司はノルニルさんを二人、寝室に連れ込むのはこりたらしい。
「よし、君に決めた!」
リリスは笑い出しそうになって我慢した。神崎修司は狐姫が変装したノルニルさんの手を握って寝室へ。ノルンはすぐに「魔王様、それはノルニルでは」と声をかけようとして、リリスに止められた。
ミーシャは狐姫が自分を救出に賢者の塔に侵入してきているとは知らない。

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