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ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

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ある六畳一間から伝説が始まる 18

「かつて天界に戦いを挑んだ魔界の帝王は、天界の者に堕天の刻印を刻み兵力としたと伝えられていますわ。それを本当にできる者がいるなんて思いませんでしたけど。さて、貴女をどうしたらいいかしら?」
「殺したければ、早く殺しなさい!」
「逃げ出せたということは、印を刻まれても他の天使兵のように、完全に服従しているわけではないようですわね。もし協力してくれるなら堕天の刻印を消してさしあげますわ」
「できるのか?」
「もちろんですわ。これは埋伏の計。貴女は淫魔リリスに服従するふりをして情報を私に流して下さい」
「承知した。これは……」
「契約の指輪。これで私と密かに連絡ができる便利な道具ですわ。では、貴女がいたハーフリングの王城に貴女を瞬間移動させます。ちょっと衝撃はありますが死ぬほどではありません」
ノルンが消えると狐姫は目を細めて、酒杯を手にした。
策士狐姫はエルフ族とダークエルフ族を対立させるための策を考えながら、酒を飲んだ。
堕天の刻印について詳しい情報はない。
刻印を消す方法を一つだけ知っている。
肉体を塵ひとつ残らず焼き尽くせば消える。
淫魔リリスが、地上界から集めた一万人以上の精気を使い、ハーフリングの姫ミーシャを救ったのも、さらに、天使兵が淫魔リリスに奪われたのも狐姫からすれば予想外である。
(リリスは何をする気かしら)
魔界で精気を集めることはできない。
なぜなら魔界は牝の世界だからだ。
地上界から集めた精気で魔界の者を孕ませることができるが、魔界の種族は繁殖力は弱い。
天界の騎士が魔界の種族を贄にするのは、全ての世界を維持するためと言われている。
地上界で一万人の男性が精気が奪われ尽きるか、一万人の女性の命を奪うのと、魔界で王族が一人だけ聖刻で命を奪われるのは同じエネルギーが世界に供給される。
地上界でリリスや狐姫は男性の精気を奪う。
それをエルフ、ダークエルフ、ハーフリングに提供すると牝の子を孕む可能性がある。
地上界で世界にエネルギーを供給するために人を襲うモノを退魔師が撃退してしまう。または占い師などが予言で危機を回避させてしまう、医学の進歩など、死ぬべきはずの者が死なない。その分のエネルギーを魔界の者が贄とされて供給されている。
天界の騎士ノルンや天使兵ノルニルが異界の森や賢者の塔を襲撃しないのは、魔界の者を孕ませる特別な儀式の場だからである。
獣人族の狐姫や淫魔リリスは夢幻界で男性からは精気を女性からは生命エネルギーを奪う。集めた精気は魔界の民を増やし、奪った生命エネルギーは魔界の贄にされる犠牲者を減らす。
天界の騎士ノルンや天使兵ノルニルを堕天の刻印で天界へ帰還させないならば、地上界からその分のエネルギー供給がされなければならない。
ハーフリング族に淫魔リリスが関与して、今回の贄の儀式から逃れた。
エルフかダークエルフ、そして獣人族がそれを補うはめになりかねない。
エルフ族とダークエルフ族が紛争を起こして犠牲となれば、エネルギー供給は獣人族の犠牲者を出さずに解決できる。
(ハーフリング族の数が減少するか、ミーシャが犠牲になれば解決したはずなのに)
狐姫は地上界から獣人族を繁栄させるために精気を集めていた。
古来から伝承されている鬼は狐姫のあやかしである。狐姫と退魔師は敵対関係にあるともいえる。
狐姫が神崎修司が魔界にいて、超精気の持ち主であると知れば、淫魔リリスから自ら誘惑してでも奪おうとするだろう。
獣人族の狐姫とはちがいハーフリング族の姫ミーシャには野望はない。
清河家の三人が呪詛で亡くなるはずの女性を救ったことや医師などの人々が救命活動で活躍した。その犠牲者の身代わりとなるべき贄のミーシャを、神崎修司は淫魔リリスとセックスで救助してしまった。
神崎修司は処女とするのは大変だと思った。
ただし、ハーフリング族の民からは、ミーシャを救った英雄として感謝された。

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