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ある六畳一間から伝説が始まる
官能リレー小説 - ハーレム

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ある六畳一間から伝説が始まる 14

「ばかアニキはこっちには帰ってないよ」
「そう……」
瑞穂が心配して神崎修司の実家に電話をいれた。
(おにいちゃん、どこいっちゃったんだろう)
本気で心配しているのは瑞穂だけだった。
「もう、おとーさんがおにいちゃんをこき使うからだからね!」
「うぅ、母ちゃん、みずほが……」
八つ当たりをされて熊のような大男の叔父はへこんだ。
(あらあら、みずほったら)
叔母はくすくすと笑いながら見ている。
「旅行じゃない?」
「でも瑞穂ちゃんとじゃないみたいよ」
「男の一人旅、なんかいいよね」
ラブホテル従業員たちは笑いながら心配はしていないが、噂話はしていた。
退魔師の名門、清河家の三人は淫魔リリスと神崎修司が魔界に行ったので、取り残された触手っちの駆除を行っていた。
飼い主がいなくなってノラになった触手は呪術師の呪詛として使われたのだ。
夢幻界は人の夢につながっている。
「ママ、見つけたわ」
「遥ちゃん、援護、頼むわね。行くわよ!」
「OK!」
闇に包まれた夢幻界に、宇宙船のようなものが浮かんでいる。これが夢幻界での絢香の装備。
ハッチが開き、戦闘機がまず飛び立つ。
コックピットには遥が搭乗している。
この戦闘機が遥の装備。
そのあとから、ウエットスーツのように肌に密着した白銀の戦闘用スーツ、背中と脚部にはブースター、両腕には特殊手甲を装着。特殊手甲は防具であり、同時にビーム・チャクラムを放つ武器でもある。
遥の戦闘機よりも高速で飛翔しているのは、なんと麗華である。
淫魔リリスの残した浮遊する大岩で触手は、若い女性と清河家とは別に依頼された老退魔師を襲っている。大岩に近づいてきた麗華たちを察知して、遠距離から数十本の触手が槍のように鋭く繰り出されてきた。
「ママには絡ませない!」
遥が麗華に近づく触手をエネルギー砲で粉砕する。麗華はスピードを落とさずに大岩に直線の光のように飛翔し続ける。
そのまま触手の群れに突っ込み、放たれたビーム・チャクラムが旋回して、触手だけを切り裂き、老退魔師と犠牲者の若い女性を解き放つ。
「これで終わりです!」
絢香の船の大砲が大岩を爆破した。犠牲者の若い女性を抱えたまま麗華は飛翔していた。
神官の法衣をまとった老退魔師は遥の戦闘機から網で吊るされて避難しながら、触手っちごと大岩が爆破されるのを空中から見ていた。
(ああ、新しい時代になった。老兵はただ消え去るのみ……)
「若い者になど任せておけんよ」が口癖のベテラン老退魔師は、引退を決意した。
神崎修司の趣味は、退魔の世界に技術革新をもたらしたらしい。
「神崎さん……」
触手っちを追跡中に絢香の船のモニターに淫魔リリスに抱きつかれて飛翔していて、アニメのワープさながらに消える神崎修司の姿が確認されている。
「絢香、たとえ神隠しでも、依頼者の無事を確認したら神崎さんを探すわよ」
「うん!」
夢幻界で神崎修司を、清河家の三人は全力で探索するつもりらしい。
その頃、神崎修司は淫魔リリスと共に魔界の大地に降り立っていた。
「彼女の様子は?」
「カプセルの中でぐっすり寝てるわ」
遥がコントロールパネルルームに戻ってきた。日焼けサロンにあるカプセルのようなものが並んだカプセルルームも完備してある。
「じゃあ、ママ、一度リアルに戻るね」
コントロールパネルのモニターが白く発光した映像のあと、清河家の三人と老僧侶が目を開いた。
すでに部屋には禍々しい気配もなく、ベットには穏やかな寝顔の依頼者の娘が寝ている。
すがすがしい朝日が部屋にさしこんでいる。

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