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神アプリ
官能リレー小説 - ハーレム

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神アプリ 94

 長い西日が差し込んでいるその部屋は、一言で言うと、子供っぽい部屋だった。種類はマチマチだが、机の上やベッドの上には世界的に有名なキャラクターの縫いぐるみが並んでおり、タンスの上に起これているものの中には抱えるほどの大きさをしたものまである。遮光カーテンには赤やピンクのハートが散らばり、シーツや布団もピンク系統に纏まっている。
 部屋の中央付近には折り畳み式の小さな円卓があり、4人の女の子が囲んでいる。その内の3人は、頭を付き合わせるように身を乗り出していた。

「ふわあああ……」

 真っ先に蕩けた溜め息を吐いたのは奈保だった。美苗が差し出しているスマホを覗き込み、画面に表示されている人物を見て頬を赤らめていた。
 奈保と同じ様にスマホを覗き込んでいる2人も同じような表情をしている。

「これが痺れてるっていうのかなあ……」

 奈保の向かい側にいる秋本優子(あきもとゆうこ)は、今の自分の状態をそう推測した。キュンキュンと胸を締め付けられるだけでなく、腰からうなじにかけてゾワゾワと鳥肌が立っているような感覚に陥っていた。

「優子もお? 私も痺れてると思うんだよね……胸はバクバクしてて、頭の中はポワアアってなってる……」

 奈保の右隣にいる中川玲奈(なかがわれいな)は、力の抜けた声で呟いていた。

「玲奈には慶太くんがいるんじゃなかったっけ?」
「慶太クン? 誰ソレ? 忘レター……」
「あ〜あ、可哀想……玲奈と慶太くん、いい感じだったのになあ……」

 彼の写メを見せるまで玲奈と相思相愛であっただろう、慶太というクラスメイトに、美苗は同情をこぼした。しかし言葉の最後には、クスっ、と薄笑いを漏らす。

「だって、慶太くんじゃこんなに心臓バクバクにならないもん」
「ああ、分かる……私もこんなの初めて……」
「ね、ねえ、みーちゃん、この写メ私にも頂戴?」

 お願い! と奈保は顔の前で手を合わせた。

「勝手には上げられないよぉ……私、お兄ちゃんに信頼されてるもん」
「じゃあさ、そのお兄ちゃんに頼んでよ……玲奈にも写メ上げていいですか? って」
「私も私もっ」

 優子も入り、3人揃って美苗に迫った。

「ちょ、ちょっと待って。お兄ちゃんに会った時、自分でお願いしたらいいんじゃないかな?」
「え!? 会えるの!?」

 3人は、美苗を押し潰さんばかりに身を乗り出した。美苗の正面にいる玲奈など円卓の上に飛び乗る勢いだ。

「うん。あのね? みんなのことを早く覚えたいから自己紹介用のプリを撮ってきて欲しいんだって」
「ちょ、ちょっと待って」

 3人は各々の鞄に飛び付き、財布の中を確認し始める。

「そんなに焦らなくたって……4人一緒に写ってるのがいいって言ってたから、割り勘で大丈夫だよ」
「そうなんだ……」

 3人は元のポジションに戻った。

「それで、自己紹介の仕方なんだけど──」
「そんなのあるの?」
「うん。ふふっ……」

 美苗が溢したその笑みはあまりにも艶があり、3人は、可愛いというよりも大人びた雰囲気を漂わせる彼女を羨望せざるを得なかった。

 美苗の説明が始まり、3人の少女の幼気な顔は上気していく。



 街を染める西日に、茶色い外壁の学生アパートの影も長く伸びている。しかし302号室の窓に引かれたカーテンは、夜に移ろう外の様子をすっかり隠していた。しかし、部屋の借り主にとって、時の経過が左右することは就寝くらいのものだ。彼がこの部屋にいる時は、食事も入浴もその他のことをする時も、必ず淫靡な内容になる。
 今日のその時間、彼が『スレイブ・メイキング』を手に入れた日を起点に言うと、珍しいことにテレビが点いていた。映っているのは、何人かの芸能人をゲストに招いて司会のタレントがコーナーに沿った話題をふっていくというスタイルのバラエティー番組。ただし、再放送だ。
 ところが、302号室はいつもと変わらぬ音色が折り重なっている。というのも、テレビは点いているだけで、消音の状態なのだ。音の出ていないテレビの向かい側に、ベッドの縁に腰掛けた翔真がいるのである。
 テレビの真っ直ぐ観れる位置にいる彼だが、視界は悪い。ベッドとテレビ台の間には炬燵机があるのだが、今そこに、彩菜と由香里が乗っているからだ。
 彩菜と由香里は一糸纏わぬ姿で膝を付き、向かい合わせになっている。背後で重なっている手首には赤い革の手枷が填まっており、同じ素材のアイマスクを施されていた。

「はむぅん……チュ、プチュ、はあ、ああんぅぅっ……クチュ……」

 2人の瑞々しい唇が触れ合い、小さな舌が絡み合い、湿った音が紡がれている。下の口にはワイヤレスのバイブレーターを咥え込んでおり、胎内をほじくる蠕動刺激に腰が躍っていた。力が抜けて何度も豊乳を押し潰し合うのだが、その都度踏ん張り直し、乳頭を戯れさせる。このような、肢体をくねらせ合う艶かしいレズショーをテレビの前で繰り広げていた。
 翔真の左右には、テレビの方に尻を向けて這い蹲っている美幸と梨沙がいた。翔真は彼女らの背中に腕を乗せ、濡れそぼったクレバスに中指を添わせている。まるで肘掛けのようだ。

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