神アプリ 55
(ぁぁ……そんなぁぁ……)
里美の手は彼の股間まで下りると、さわさわと撫でるような動きに変わった。ズボンの上からとは言えそんなところを撫でるなんて信じられなかった。
けれども里美の手は柔らかくソコをさすっている。緩やかに、滑らかに、スローに、とても丁寧で愛しげな手つきだ。それでいて、知代の口内に舌を差し込む男をうっとりと見つめていた。
「ああん……」
と濡れた声を漏らした里美が、ちら、とこちらを窺う。果たして自分がどんな顔をしているのか分からないが、里美は恥ずかしそうに頬を赤らめ、そして、膝を付いた。
(ああ……里美……)
里美が彼のベルトを緩めていく。ゆっくりではあるが、躊躇っているようには見えなかった。
(うそ……私が見てるのに……)
しかし自分が見ている前で、里美はチャックを下ろし、遂にはズボンやその下の物まで下げてしまった。
青年の下半身が外気に晒され、弾けんばかりに飛び出した牡の象徴がのっそりと頭を持ち上げる。長大な茎胴に青筋をのたくらせ、大きく張り出したエラを持つ矛先で宙を貫くその様は、とてもおぞましくもあり逞しくもある。
「やぁん……ステキ……」
異性の性器を眼前にして、里美は感無量と言わんばかりの溜め息に蕩けた声を乗せていた。グロテスクなソレを見つめる瞳は彼を見上げていたときと全く同じ輝きに満ちている。
里美の指がねっとり肉筒に巻き付いて、手中の存在を確かめるようにゆるゆると往復を始めた。その行為の何と卑猥なことか。見ているだけでも赤面しそうで、チリチリと胸が熱くなってくる。
彼は里美の行為を止めず、ぴちゅぴちゅと水音を立てるキスを長々と交わしていた。艶やかさを増した知代の唇を割って彼の舌が深々と入り込み、知代は頭を揺らしてちゅうちゅう吸い付いたりして夢心地に瞳を微睡ませている。
知代の腰を抱いていた彼の手はいつの間にか上へ移り、腋から前へ回って胸に置かれ、十分に巨乳と呼べる膨らみの片方が彼の指の加減でじっくりと揉み解されていた。
「っんん、んふぅ……んっ……」
知代の熱い吐息に妖艶な声が含まれる。頻りに膝を擦り合わせており、ピクンっと腰を弾ませたりしている。
「下も触ってほしい?」
「え……はい……」
「じゃあスカート上げて?」
「はあああ……」
知代の唇から幸せそうな吐息がどっと抜けていく。切なげに歪んだ目はちらと恵理の方を窺い、両手の指先はスカートの裾を摘まんだ。
(あああああ……)
スカートの裾が上へ動く。
知代の朱が深くなる。
恵理の顔が、身体が、また熱くなる。
絶対領域が消え、ショーツが姿を見せる。純白のそれが覆っているのは、言わずもがな、秘所だ。
彼の手が知代のむっちりした腿の隙間に入り込み、白い逆三角形の角の1つに密着する。
「ああっ……」
彼の手がするんと撫で掬うように動いた瞬間、知代の口から艶かしい声が溢れた。手につられ前へ突き出すように動いた腰がピクピクと跳ねており、足もプルプル震えている。目尻が垂れ、頬が緩み、眉がハの字に歪んで、紅潮が広がっている。恍惚を浮かべている、というのが一番しっくりくるだろうか。
何かのスイッチが入ったのか、知代は再び熱心に彼の唇を求める。彼はそれに応じつつ、知代の大事なところを撫で続ける。
「やあん……すごく硬い……」
肉茎をやんわり扱いている里美は淫蕩した面持ちで囁くと、唇を大きく開いて小さな舌を差し出す。そうして長大な肉棒にベッタリと張り付けると嬉しそうに目を細めた。
(ぁぁぁ……そんな、こと……)
「結婚するまでは処女を守りたい」「じゃあせめて口で──」「は?」といったやり取りを繰り返してふった男の数は両手を使っても足りない。恵理にとってオーラルセックスとは知識でしかなく、必要性ないスキンシップで、男の欲求を満たすためだけの手段だ。嫌だと言っているのにそれを要求するのは男のエゴでしかなく、女を性欲処理の道具として見ていることに他ならない。
しかし口を使ってあげる同性を軽蔑するようなこともなかった。お互いが納得しているのなら全然アリだというスタンスである。
が、目の当たりにするのは初めてだった。今目に映っているのはアダルトビデオの一部ではなく、友だちが異性の象徴を丁寧に舐めずっている光景である。里美が彼の正面から少しずれた位置で膝を付いているため、彼女の舌が反り返った屹立の側面をねっとり這っているところがよく見える。