神アプリ 321
(“そこ”は……私に……)
何処と聞き返すのは愚問だろう。橙子の手が股間から腰へ移ったということは、橙子は股間ではないのだ。
顔が、より一層熱くなる。“そこ”は自分でなければならない。それが彼の意なのだ。それを理解すると、自ずと手は伸びていた。
「はあああっ……」
そこに触れると、無意識に吐息が漏れていた。緊張から解放された時に似たような、ある種の安心感から込み上げてくるものに近い溜め息だ。
ちら、と視線を上に向けてみると、彼は変わらぬ様子で橙子と舌を縺れ合わせ、桜子が耳を舐めているのをそのままにし、2人の胸や尻を触っている。自分の行為を咎める様子がないので、即ちこの行為は彼の意に添っているということなのだろう。
そうと分かれば続ける他ない。ズボンに張りつつあるテントを覆うように両手を添え、強すぎない加減で撫でる。中の膨張で膨張する牡の象徴を、象るように擦っていく。
「はぁぁっ、ぁぁっ、はぁぁ……」
息が荒くなる。胸がトクトクと脈を打ち、腰の奥が熱くなる。先ほどドッと沸き立ってきたものが一層昂ってくる。
朝の学校。理事長室で教育者の前に跪き、求めるようにズボンの上から性器を撫で回している。その異常性がある種のスパイスとなり、愛欲を扇情している。
異常性……? 果してこれは異常なことなのだろうか。黒革がテカテカと光を返すほど靴を舐めたことで彼の女(性奴隷)にしてもらえた今、この行為はして当然のことと言える。いやむしろ、彼の女だからこそ許されることなのではないだろうか。
ちら、と視線を上に向けてみる。接吻の相手は桜子に変わり、彼は彼女の唇の隙間に舌を差し込んでいる。橙子は首筋や耳の裏に舌を這わせながらYシャツのボタンをいじらしく外している最中で、半分ほど進んでいる。
「せんせぇぇ……」
つい、口から漏れていた。それほどに求めているということ。関係性の確立のみならず、行為をもって心も身体も彼のものだと実感したくて仕方がない。
恐る恐るバックルに指を絡めてみると、ここでも止めの言葉はなかった。そうなれば行程を進めるだけのことで、ベルトを緩め、股間を寛げる。
「はああぁぁっ……」
ズボンを下ろすとボクサーパンツが現れた。隆起の陰影はよりくっきりと浮き彫りになり、より卑猥に映る。また自ずと手が伸び、今度は顔まで寄せていた。
「ああ……せんせぇぇ……」
隆起している箇所を挟むように両手を添え、小鼻や唇をスリスリと擦り付けていた。もう直ぐそこに彼の膨張があると思うと子宮がキュンキュンと疼き、全身が火照ってくる。
腰ゴムに指を掛けると、胸がはち切れそうなほどバクバクと脈を打ち出した。心境はプレゼントの包みを開ける時のそれに似ているが、進んで男性の下半身を露にさせるという恥ずかしさも相俟っている。
そしていよいよボクサーパンツをずり下げると、ビーンっと男性器が弾み出てきた。同時に微かに鼻を突く臭いがムワッと立ちこめ、頭の奥が軽く痺れた。
「す……すごい……」
目を丸くして、ぶわっと頬を赤らめる。水平よりやや上を向いているソレは顔よりも大きく、指が回りきるかどうか疑わしいほど太い幹を持っていた。先端はエラが張り出していて、とてもいやらしい形をしている。
ゴク、と喉を鳴らしていた。しかし直ぐ唾液が溢れてきて、口内に滑り気が広がる。漂う臭いは頭に回り、クラクラしてきた。
ちら、と視線を上に向けてみる。橙子が彼と舌を絡め、桜子は露になった胸板にキスを浴びせている。2人もシャツをはだけていて、可愛らしいブラジャーが見えている。
眼前の肉棒がドクンドクンと脈を打っている。先ほどよりもやや頭を持ち上げていて、膨張もしている。
高校3年にもなれば卑猥な行為の知識がある程度備わっているのは自然なこと。それに従って茎胴に指を巻き付けるまでそれほど時間は必要なかった。
「はあああっ……」
やはり指は回りきらない。それほど太い男性器はかなり長大で、拳を縦に並べても亀頭が丸々頭を出すであろうほど。さらには赤黒くグロテスクなその男性器を握った瞬間、身体の芯から蕩けるような喜びに侵されていた。