神アプリ 29
3人の女子高生が茶色い外壁の学生アパートの中へ消えていく。17時半を回った頃で、夜が街を覆い尽くそうとしていた。
「とにかく凄いの……」
彩菜は彼に関してそればかり返し、梨沙は首を傾げるばかりだった。何がどう凄いのか具体的には教えてくれないのだ。
「ホントにヤバいんだって」
千歳もこの調子で、梨沙はやっぱり何も分からないまま、階段に足をかけるたびにたぷんたぷんと豊乳を揺らす二人の後ろに付いて行った。
「早くぅ」
彩菜が急き立てる。
「梨沙も好きになっちゃうかもね……ううん、なって欲しいな」
と意味深な微笑を浮かべる千歳が302号室のドアチャイムを押す。
数秒の間があり、その部屋の住人である青年がドアを開けた。
瞬間。
(ふああっ……)
梨沙の胸は痛いほど高鳴っていた。
「ああん、会いたかったぁ……」
彩菜と千歳は声を揃え、彼の両脇から腕に絡み付いていく。2人とも顔を赤くしているが、彼に近付くとその赤に妖しい深みが増した気がした。
「あの子が?」
「うん……ほら、梨沙もおいでよ……」
千歳が彼の肩に頭を預けるようにしながら梨沙を呼ぶ。彩菜は彼にぴっとりと寄り添って、腰をもじもじと捩っていた。
(羨ましい……)
彼に密着している2人に、梨沙はそんな想いを抱いていた。
「あの……初めまして。中島梨沙で──」
(んううううう……)
彼の方へ近付くと、梨沙の身体は瞬く間に熱を帯びて全身が蕩けたように力が入らなくなり、キュンキュンと腰の奥が弾んで秘部の辺りがむず痒くなっていく。
「こんな所で立ち話もなんだし、どうぞ」
青年は五十嵐翔真と名乗った後彩菜と千歳に引っ付かれたままそうのように誘う。
「あ、はい……」
梨沙は何の疑いもなく彼の誘いに乗っていた。もうこの時点で既に、誘うというオブラートを何重にも巻いた命令に背くという意志が消え失せていた。
「あん、ねぇねぇ……」
「ずっと会いたかったのお……」
部屋に入るなり彩菜と千歳は甘えた声を出し、ベッドの縁際に腰を下ろした翔真に左右から身を擦り寄せる。
「こらこら、お友だちの前だろう?」
「だってぇぇ……翔真様だってさっき彩菜のお尻触ってたもぉん……」
(あああああ……うそぉぉぉ……)
また腰をもじもじさせて真実を語る彩菜を前に、梨沙は頬を紅潮させることしかできなかった。
「やぁん、ずるい……千歳のも触ってぇぇ? ひゃふうんっ……」
腋から前に回った手に胸を鷲掴みにされた千歳が艶かしい声を漏らして腰をくねらせる。
(やだ……あれって……)
翔真の手に揉み崩される千歳の巨乳。ブレザーを脱いだだけだというのに、ベージュのベストを押し上げているそれがいとも簡単に形を変える様子は、ブラジャーをしていないことを想像させるには十分だった。
「翔真様ぁ、彩菜もかまってぇぇ……?」
胸板に添えていた片手を下へ移し明らかに男性器があるような所へ掌を擦り付けて、彩菜が捧げるように彼の口に口を近付けていく。
翔真が窺うように首を捻れば彩菜の口が飛び付いて、チュピチュピと音を鳴らしながら唇を戯れさせる。
「ふぁふうううん……」
彩菜にも回された手が彼女の胸をムニュムニュと歪め、彩菜は色っぽい吐息を撒いてなおも唇を貪る。二人の口の隙間から絡み合う舌が垣間見える。
彼女の手はズボンの上から男性器の形を捉え、挟むように指を添えてやわやわと上下に動いていた。
「ああっ、ああん、うぅん、ううんっ……」
千歳は胸を搾り上げられ、強調された膨らみの先を人差し指で引っ掻くように刺激され、腰を跳ねさせていた。口から出る声は息を飲むほど艶かしい。
(ああ……熱い……アソコが熱い……)
1人の男に両脇から甘える幼馴染み2人がノーブラの胸を揉み回されて濡れた声を上げ、交互にディープな接吻を繰り広げる。梨沙はただただ子宮を疼かせて、羨望を募らせていく。
ベッドの上で1人の青年が全裸で仁王立ちになり、甲斐甲斐しく彼の着ぐるみを剥いだ2人の女子高生は上半身の肌を晒け出して彼の前後で身を屈めている。それを、その場にペタンと座り込んでしまった梨沙が横からのアングルで見ていた。