神アプリ 261
「ありがとうございます……ああっ……」
露になる長い脚に赤いテープの装飾がある。両方の腿に巻き付くそれは、硬質な物体を貼り付けておくためのもの。
「気に入ったか?」
「はい……みんなと話してても、翔真様を感じることができてっ……とても嬉し、いです……」
貼り付けられた物体は二股のコードを上へ伸ばしていた。
「それはよかった。戻る前にもっと感じておくといい」
「はあっ、あああっ……胸、凄く震えますぅぅっ……」
気持ちの形容ではなく言葉のままのことが起こっていた。太腿に固定された操作部を翔真が弄ると、乳頭を挟むようにテープ付けされた2つのローターがブラカップの内側で回転数を上げる。
「ニコニコしてたお前がこんな状態だったなんて誰も気づいてないんだろうな」
「恥ずかしい……んんあっ! はあん!」
微弱な振動で嬲っていたローターが強大な猛威を振るい、甲高い唸り声を衣服の外まで轟かせる。
紗弥加の身体は解放されたように歓喜し、胸を突き出して跳ねている。
「はあっ、んっ、イッちゃった、おっぱいでイッ、はあうっ」
紗弥加に構わずローターは持てる全力で震え、挟みあげている乳首を責めたてる。左右の乳房の先端で機械的に暴れている。
「ご褒美はまだ終わってないぞ?」
「あひっ、そ、それダ、あううっ、イク、イきますううう!」
次は腰をヒクヒクさせて快感に呑まれた。ショーツの下方にある不自然な膨らみが猛烈に震えていた。挙げ句生地の脇から赤いテープの端がはみ出ている。
「んっ! ああっ、強いぃぃっ! はひぃ! イッ────!」
背筋を反らし歪に身体をくねらせる紗弥加。スカートをめくり上げたまま翔真の身体になりきった悦びを快感を享受する嬌態で示している。
「紗弥加すごいいやらしい……」
「お前らも俺のためにいやらしくなるんだろ?」
「翔真様がそれを望まれるなら頑張ります……」
薄く笑う明美。自信がなさそうな杏奈。2人の唇は張り出したエラに及び、湿った音をたてて貪り合う。
招き入れられたホテルの1室でまず目にとまったのはダブルベッド。1人での宿泊に対してダブルの部屋は違和感を抱かせた。
「ああそれ? 私寝相悪いからシングルだと落ちちゃうんだよね。経験済み」
「どや顔で言うことじゃないでしょうに」
キリッとした顔でピッと親指を立てる明美に由紀はジト目を向ける。
「にしてもホテルって。実家はどうしたの?」
「うちは敷布団だもん。変に気も使われるし、逆に落ち着かないって」
「そりゃまあ贅沢なことで」
「そのお陰でこうして由紀を連れ込めたんだからいいじゃない。それとも二次会行きたかった?」
「それは正直助かってる。学生のノリ怖い。今からカラオケって、みんな若いねえ」
「私ら同い年なんだけど」
苦笑する明美は窓際に移り、コンビニで購入した飲み物などをテーブルに置いていく。
嵌め殺しの窓の向こうにきらびやかな夜の街並みが広がっていた。
「で、素直に寝かせてくれるわけね」
「まさか」
明美がニコニコして向かい側の椅子を勧める。やっぱりと由紀は半ば諦念し、乾いた笑みを溢していた。
「はあ……何が訊きたいの?」
「そりゃあねえ」
憎たらしいほどの笑顔を見せる明美。
お持ち帰りされるのに失敗らしいので薄々は感付いていた由紀の口から重い溜め息が抜けていた。
「……具体的には?」
「う〜ん……卒業したあとのことを具体的に。どれくらいのペースで会ってとか、デートした場所とか、電話とかメールの頻度とか。あとは……そう、性癖! これ滅茶苦茶大事。どんな体位が好きとか、どんな愛撫が好きとか、ねちこさとか回数とか」
「怒るよ?」
由紀が口角をキュッと上げて微笑する。明美は「うう」と唸るしかなかった。
「最後の方は冗談ということにしといて……で、どうだったの? 今後のために詳しくお願いね」
「どうって……そうだなあ……」
(あ……結局ネズミーランド行けなかったな……)
視線が窓の向こうへ流れていく。
(もう誰かと行っちゃってるよね、きっと……)
ネオンに彩られた思い出の街。窓にうっすらと反射した美貌は物憂げ瞳でその過去を見つめている。
そこもホテル1室。ただしソファを2つ置いてある広い間取りで、ファミリー向けのため寝室は2つある。
壁際の薄型テレビに対面する三人掛けのソファの上に彼はいた。テレビ番組よりも見ることが多くなった女性の胸を今日も変わらず目の当たりにしている。
とはいえ目にしている乳房は初めて見るもの。似たような形や大きさは数えられないほど眺めてきたが、彼女のそれと限定すると今日が初。
淡いピンクの乳頭をツンと上に向ける白い膨らみは正に美乳。経験の浅さを一目で感じさせ、感触からもそれはよく分かる。
「熟れきってないのがお前らしい」
掌で歪む双丘は熟れきっていない果実独特の固さがある。どれだけの男の魔の手から逃れてきたか想像はつかないが、童顔に釣り合う感触を維持していた。
「んっ、あっ、誉められてるんっ、でしょうか? はふっ、ふあっ」
「ただの感想。女になってたのは残念だけど」
「こんな日が来るなら、んあっ、取っておけばよかった、はくんっ」
無防備な胸を捧げるように腕を垂らしている彼女は、彼の上で腰をくねらせている。白い頬に朱を差す顔は恥じらいを垣間見せていた。