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神アプリ
官能リレー小説 - ハーレム

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神アプリ 259

 不躾という自覚はあるのか、紗弥加が心苦しさを露にするように眉を顰め、キュッと唇を結わえ、俯いていく。頬の赤らみ引かないあたり相当恥ずかしいようで、交際した経験があまりないようにも窺える。
 翔真と茂之はかなり仲がよかっどこかたから、茂之のことで相談があったなら翔真とコンタクトを取っていてもおかしくはない。それを繰り返しているうちに“翔真くん”になった可能性は大いにある。

「ううん、大丈夫。私短大を出て就職したんだけど、あっちはまだ2年も学生をするわけで……電話とかメールとか続けられる自信がなかったし、クタクタに帰ったら『仕事お疲れ様』って。もう、申し訳なくって……もっと融通のきく娘が、自分のことより翔真のことを大事にしてくれる人がいるはずなのに……だから、私から……」
「そんなの言い訳よ」

 重く返された言葉に由紀は顔を上げていた。

「あたかも翔真くんのことを想ってるように言うけど、結局あなたが気持ちに応えられる自信がなかったってことでしょ!? あ……ごめん……」
「ううん、その通り。私が弱かっただけなのに……私が傷付けた……」

 テーブルに落ちた由紀の視線はどこか遠くを見ているようだった。けれどもそれは自分の内側を見詰めていると紗弥加は思い、徐に立ち上がる。

「そうやって自分を責めてても何も変わらないよ。今の自分と向き合わないと、何も」
「今の?」
「そう、今。社会人を1年やった今のあなたは、1年前のあなたと同じことを言うのかな?」

 由紀は答えない。答えられない。あの時に戻れたらと、あれから今まで何度も願っているのは自分自身がよく知っている。それは後悔に他ならない。

「…………ちょっと電話してくる」

 紗弥加は返答を待たず席を離れていく。

「明美と話してたときの由紀、とっても辛そうだったよ」

 という言葉を残して。

「参ったなあ……相変わらずお母さんみたいなんだから……」

 容赦なく叱り、気持ちを見抜き、きっちり背中を押してくれる。もう少し気遣いがあったらなあというのは求めすぎというもの。
 由紀は堪らず突っ伏し、腕の中に顔を埋めていた。

 店外に出た紗弥加は後悔に唇を噛み締めている。もう由紀など知ったことかと非情になりきれないのが辛かった。だから昔からお節介だと言われているのにそういう部分が未だに抜けない。

(仮にも翔真様を傷付けた人なのにっ。ふるなんて何様のつもり!?)

 今になって込み上げてくる怒りに拳が震えた。だがその感情を抱かせる根本にいる最愛の存在のために今は先へ進むことにする。

「もしもし……っ……」

 電話が繋がったのは長いコールの後。その間向こうのスマホに表示されているであろう自分の痴態を思うと瞬く間に快感が再燃する。

「はい。え、外ですか? はい……ん……」

 エレベーターに乗ると途端に静寂が包み込んだ。店の微かなBGMさえ届かず、モーターの弱い回転音が耳に届いてしまいそうなほど静か。
 しかしその静けさはドアが開くと散る。この喧騒の中に入っていくことを思うと、それはそれで恥ずかしい。

「あり、ました。はい……えっと……」

 しばらく電話の声に従い街中を歩いた。足取りはしっかりしているが、今の状態を考えるとまともに前を向けず赤い顔は俯き加減。胸をキュンキュンさせる声が目印を伝え、それをなんとか見付けて辿っていく。

「え?」

 過ぎたと言われ踵を返し辺りを窺う。歩道の端にはみ出した目印の看板は足元にある。よく目を凝らしてみると、歩道とT字を作っている細い道がある。

「ここ?」

 半信半疑だが、そうだと言われてその細い道に入ってみる。
 道幅はこれぞ路地というほど狭い。人とすれ違うことがあればお互いに道の端すれすれを通っても肩がぶつかると確信できる。

「あっ……」

 路地の暗がりに人影がある。壁に背中を持たせかけている1人は辛うじて分かるものの、足元に溜まっている影はよく見えない。腰くらいの高さでもぞもぞと蠢いているのが分かる程度。

「気付いたか。早く来い」

 路地の入り口にあるシルエットが街の光を背負っているように見える。それほど暗い路地から紗弥加の表情が変わったのを確認し、翔真は通話を切った。

「続けろ。なに気にするな、俺の女だ」

 翔真がスマホを捩じ込んだポケットの側には杏奈の顔。顔色を窺う仔犬のように上目遣いをしているクリクリの瞳が翔真の言葉に蕩けた。

「さっきの話本当なんだぁ……ああん……負けてられない……」

 ビジネス用のスマホが入ったポケットの方には明美の顔。彼に秋波を送る瞳を目の前のものへ向けていく。

「張り切っちゃうんだから……ふぇへっ、ちゅぷっ、んぢゅぢゅっ」

 チャックの隙間から反り返る赤黒い肉柱の頂へ明美の舌が絡んでいった。ピンクの舌先が鋭く尖り、カリ首を撫で擦る。

「私も頑張るから……へぇぅ、はぁぁぁ……ふへぇぇ、へぇんぅぅっ」

 青筋が浮く肉幹には杏奈が舌を押し当てた。平たくして張り付け逸物に滑りを塗り広げている。

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