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神アプリ
官能リレー小説 - ハーレム

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神アプリ 250

「ハハっ、違うって。1年くらい前に女子大との合コンに誘われて行ったら、そこでバッタリ。合コン忘れて思出話してたら2人だけポツーンて残されててさ、それがきっかけってわけよ」
「いいねいいねぇ、運命ってやつだねぇ」
「やめろよ、くすぐたいだろ」

 茂之は照れ臭そうに顔を赤くする。満更でもないようだ。

「いやまあ、そんなわけでポロポロ昔の話をしてたらみんなどうしてるのかなーってなって、同窓会を計画したわけ。な?」
「……え、何?」

 紗弥加はハッと我に返ったように肩を跳ね上げ、茂之の方へ首を捻る。整った顔立ちに広がってた朱はスッと引き、うっとりと蕩けていた大きな目はパチパチと瞬きしている。

「ええ? 聞いてなかったの?」
「う、うん……ちょっとビックリしちゃって……あっ──」

 紗弥加は慌てて手を解き、バツが悪そうに俯いた。ショートの黒髪が白い頬を撫で、溢れた。

「今さら、ね。もう存分に見せ付けられたし、ノロケも聞いたよ」
「あっ、違っ、うことはないけど……あ、そうだ。由紀とはどうなの?」
「バカっ、上手くいってたら出欠訊くわけないだろっ……」
「いいよ、気にしなくて」

 ひそひそ声を荒らげる茂之とは相反し、翔真は不思議なほどヘラヘラしていた。

「あいつとは別れたんだよ。一昨年の夏だったかな? まあ、遠距離チックだったし、学生と社会人じゃ温度差もあったみたいだし? 時間の問題だったんだよ、どうせ」
「おいおい、大丈夫か? 大喧嘩とか始めないでくれよ?」
「大丈夫だよ。あれから2年も経ってるし。俺だって大人になってる……ハズ。事前に聞いて心づもりもしてるから」
「そ、そうなんだ……」

 紗弥加は消え入りそうな声で呟いた。心持ち顔を赤らめて、頬を綻ばせて。

「だよな。頼むぜ、ホント。あ、そう言えば、何してんだよ? 同窓会は明日だぞ?」
「下見。迷子にならないように」
「いやいや、この辺はよく遊びに来たじゃないか」
「久し振りだから、一応。暇ってのもあったし」
「あ、そっか。翔真は西の方の大学だったもんな。で、今日はばあちゃんちで一泊?」
「ううん、ホテルで伸び伸び。お前らこそ何やってんだよ?」
「俺たちはお店の人と明日の打ち合せ。若干人数も増えたし、そのことも。デートついでに」
「おーおーお熱いことで。んじゃあそろそろ邪魔者は退散しますか」
「まっ、待って」

 一歩を踏み出そうとした翔真を紗弥加が引き留めた。まるで縋るように、空いている手を伸ばしてまで。

「折角だからメアド交換しときたいなって。ほ、ほら、明日はあっちこっちで交換しまくってると思うから、しそびれるかもしれないし」
「ハイハイ、しげと仲のいい俺のメアドは確実にゲットしときたいわけですね?」
「そ、そう……」

 翔真はそれに応じ、プライベート用のスマホを取り出した。下準備していた甲斐があったと、黒い笑みを口角に蓄えていた。



 部屋に入るなり、紗弥加は彼に腕を回した。相手は茂之ではなく、翔真だった。

 紗弥加も茂之もここの地に自宅があり、大学には自宅から通っている。
 あの後、翔真に呼び出された紗弥加は、親に帰ってこいと言われたと嘘を吐いて茂之と別れ、翔真がとっているホテルで合流し、今に至る。

「おいおい、いいのか? あいつと別れても1時間も経ってないっていうのに……」
「ああ……だってぇ、抑えきれない……あっ──」

 紗弥加は部屋の内装を見て抱擁を憚る。背伸びしていた彼女の身体がストンと戻った。

「誰かと一緒なの?」

 窓辺には椅子が2脚と小さなテーブルが1つ。それらより手前の壁際にあつらわれているテレビ台には薄型テレビが載っていて、その向かい側にはダブルベッドが置いてあった。シングルではなくダブルということが、紗弥加にその予想をさせていた。ツインでないことからすると、深い仲の異性ということが考えられる。

 しかし翔真は否定する。

「いや、ツレはいない」

 紗弥加の頬に手を添えると、彼女は瞬く間に目から力を抜いた。瑞々しい桃色の唇を柔らかく開いて、湿った吐息を漏らしていた。

「テキトーに引っ掛けた女の子でも連れ込もうかと思ってさ」
「あん……んっ……」

 翔真の手はオフショルのトップスを滑り落ち、胸の稜線を掌に納める。紗弥加はその手に手を重ね、行為を促すように胸を揉ませ、熱視線を向けた。

「ひどぉい……私はまんまと引っ掛けられたってことね……」
「まさか。俺がしげやんの彼女に手を出すなんてあり得ないだろ」
「じゃああのメールは何?」
「試したんだよ。あいつの友だちとして、お前の気持ちを。結果、お前がとんでもない尻軽だって分かったわけ」

 翔真自らの力で乳房を鷲掴みにすると紗弥加がピクンッと跳ね、細い眉を悩ましげに歪んだ。フレアミニスカートからすらりと伸びる脚は膝がキュッと内側に寄り、微かに戦慄いている。

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