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神アプリ
官能リレー小説 - ハーレム

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神アプリ 249

 翔真は社長秘書に目を遣り、ハハハと乾いた笑みを漏らした。仕事の鬱憤を晴らしているのか、少女たちにも負けないテンションで遊んでいる。「やったなぁ〜」とかいいながら少女たちを追い掛け回し、濡れて張り付いたシャツの胸部をボインボインと弾ませている。

「むぅ……じゃあじゃあ写真撮って? それくらいいいでしょ?」
「ふう、ん……まあそのくらいなら」

 翔真は重い腰を上げると、玲奈のデジタルカメラを受け取った。堂々とシャッターを切っていれば知り合いだと悟るだろうし、もし注意されても女性陣が弁解してくれるはず。そして何より、暇だった。
 それにボーッとしてても時は経ち、明日は来る。そしてそのその次には明後日が来る。センチメンタルになっていても時間の無駄で、参加すると返事した以上、その日は確実にやって来る。

「あ! お兄ちゃん来たぁ!」

 ふにゃあ! と少女たちが威勢よく水を掬い投げる。

「待て、コラ待ててってっ。俺はカメラ小僧なの。これ俺のカメラじゃないから水かけちゃダメ!」
「え〜、入らないの?」
「入らないの」

 窘める彼に麻里子は目を細くして、ニィと悪戯っぽい微笑を浮かべた。

「翔真さん、カナヅチなんでしょう」
「あら、泳げないんですか?」
「ちがーうっ。それ以前に、誰がこんな足首程度の深さで溺れんだよっ」
「大丈夫。誰だって苦手なことはあるから」
「おい美優、のっかるな」

(お前ら発情ON≠ノ戻すぞ)

 翔真はフラフラと首を振り、

「ほら、遊んで遊んで」
「優子のでも撮ってぇ。スマホ取って来るから」
「帰りに送ってやるから」

 翔真は小さめのボディバッグに玲奈のデジタルカメラを仕舞い、プライベート用のスマホを出し、海辺で戯れる美女たちを撮る。帰りの暇潰しができたと思いながら。
 社長秘書が美苗たちを乗せてきた車はワゴン車で、8人乗り。だから翔真は徒歩でここまでやって来た。ロッジからは遠く見えていた海だが、高いところにあったからそう見えたのか、歩いてみると30分も掛からなかった。

 それから昼下がりまで彼女たちは遊び、翔真は適当に写メを撮った。彼がロッジに戻ると、遊び疲れたのか、彼女たちは眠りこくっていた。

 彼女たちが夕暮れ時に目を覚ますと適当に外食し、戻り、そしてやはり、彼が飽きるまでねっとりと爛れた目眩く夜を迎える。

 * * *

(ここか……)

 色々な飲食店を内包した雑居ビルの入り口に、その店の看板が並んでいた。夕闇が迫った街で、周辺の店舗と同じくそのビルもド派手に電飾を輝かせていた。
 上に延びる階段は2人並べる程度の幅で、それを登らずに真っ直ぐ行くとエレベーターに突き当たる。入り口の看板を見た限りでは2階から8階まで飲食店が入っていて、同窓会の会場は4階。

 翔真は注意を払いながら後退りし、改めてビルを見上げた。入り口が小ぢんまりとしている割りには店舗のフロアは広そうだった。

(まあ、大学生で開く同窓会なんてこんなんだよな)

 テレビドラマで見る同窓会は大概洒落た店を貸し切って、スーツやドレスで着飾った旧友たちが昔を懐かしむイメージがある。けれど大学生が催す高校の同窓会なら、呑み屋の一部を占領する程度の方が堅苦しくなくていい。

 明日の今頃、同窓会で自分はどう振る舞っているのか……それを思うと翔真の顔色は曇っていた。もうキッパリと踏ん切りをつけたはずなのに、少し胸がチクリと疼いていた。
 いや、踏ん切りはついていないのだろう。だからこそ下準備もしている。この夏の大イベントである復讐を成功させるために。

(ん?)

 薄明かりの奥でエレベーターが開き、2つの影がビルから出てくる。

(もしかして……)

「あれ? 翔真?」

 ビルから出てきた1人が声を上げた。

「やっぱりしげか!? 懐かしいなぁ〜……で、それはどういうことなのかなぁ?」

 翔真はニヤニヤしながら中野茂之(なかのしげゆき)と、横に並んでいる関根紗弥加(せきねさやか)と、2人が指を絡めて繋いでいる手を見遣る。2人とも翔真とは高校時代の同級生だった。
 父親が通っていた高校の特進クラスは校区不問で入学者を迎えており、父親の勧めでそこのクラスを受験し、合格した翔真は、父親がいなくて伸び伸びできると喜んで母方の祖父母の家に居候し、その高校に通っていた。特進クラスは2クラスあるのだが、クラス替えがないので、彼らは同級生は同級生でも高校3年間を共に過ごしたクラスメートだった。

「うん? ああ、付き合ってんだよ、俺たち。言ってなかったっけ?」
「聞いてねーよ。そうかそうか、3年間学級委員に選ばれ続けた者同士、惹かれ合うものがあったんだねえ……」

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