神アプリ 229
「ふふふ……やだぁ……」
千夏は差出人不明のメールを開き、そのメールアドレスや記されている名前・読み仮名、電話番号、そして卑猥な自撮り画像をアドレス帳に新規登録していく。彼女が勝手に操作をしているときはアドレス登録をしている時だと翔真も心得ているので、特に咎めることもなく姉妹のハードなレズビアンプレイを眺めている。
「ねえん……この人はだぁれ?」
と視界の隅にようやく入るようなところへスマホを差し出し、焼き餅を焼いているかのように訊くのも千夏の可愛らしいところ。その内心は、魅力的な女性が服従を誓うように卑猥な自撮り画像を送っている相手である彼にメロメロで、崇拝し、奉仕をできる幸せで溢れている。
「ああ、それは国会議員の秘書、兼愛人」
室内で真っ赤なハイヒール履き、黒いパンストを黒いガーターベルトで吊っているだけのほぼ全裸な美女が下品にM字開脚している鏡撮り画像。翔真はそれをチラリと見て、サラリと答えた。
配下に置いた高級クラブは彼が住んでいる市内にある。しかしこの市は歴史的建造物である寺社が多く、教育機関も犇めいているので、風営法が適応される範囲が広く、その高級クラブがある歓楽街は規模が小さい。他はキャバクラやガールズバーが殆どで、観光がてらにきた権力者たちはこの高級クラブでないと物足りないというのが現状だった。所謂、一人勝ちの状態なのだ。
翔真がその高級クラブを手に入れられたのは、逆引き検索≠ナスレイブにした美女がその店のキャストだったという偶然からだった。しかしその偶然のおかげで、その店に通う金も地位もある男たちすらも逆引き検索≠オて手駒のスレイブに仕立てあげられるようになった。彼が高級クラブに行くのは遊び半分仕事半分といったところだ。
「ああん……また寝取ったの? 相変わらずなんだからぁ……」
千夏は、惚れ惚れとしていた。女の方が翔真に移りたくなるのだから仕様がないし、彼は奪うことで女を幸せにしてくれる存在なのだし、それに、奪う資格があるように思っていた。
千夏は知らないが、その国会議員は、逢い引きに使ったシティホテルの一室で愛人を犯され、最後には愛人の方が彼の女になると宣誓しながら喜色満面に奴隷のように身体中を舐め回す姿を見せ付けられたにもかかわらず、信頼≠ニ忠誠≠ON≠ノされてからは喜んで収入の一部を振り込んでいる。
「取るのが好きなわけじゃないさ」
と翔真は悪い微笑を見せるが、それは本当。ただ、恋人や配偶者がいる女性はそれなりの魅力があるからそういう関係の相手がいるわけで、スレイブにすれば結果的に取ってしまうことになる。男の方も設定≠キれば喜んで差し出してくるのだから、その前に寝取られる思いを味わわせやっているというだけにすぎない。
「っああ……胸っ、胸を寄越せ……」
翔真が目を細める。指名がないので、ベッドの上の5人全員が各々の乳房を掬い上げ、捧げていく。下はDカップから上はGカップまでの10個の乳房で彼の頭の360度全てを取り囲み、首を回す彼にその柔らかさを楽しませる。
少しして、拍車を掛けていた綾子は深く咥えているところで頭を止めた。喉を打ち付ける灼熱に脳を白く灼きながら、目尻を緩めて細い喉を鳴らしている。
脈動が落ち着いてくると溜めることに専念し、頃合いを見て口を離す。すると順番通りに梨沙がしゃぶりつき、残液を搾り上げていく。
綾子の方は、口に溜めた白い樹液を早紀と分け合った。それから足の方の4人を加え、口から口に繋ぎ合ってから、6人揃って嚥下する。翔真の体液を自分の中に入れることに陶酔し、昏い快感に脳髄を蕩かした。
床の上では立場が逆転し、妹の腰に跨がっている姉が肉欲の赴くままに腰を振りたて、擬似の肉棒を生やした妹を喘がせている。
☆ ☆ ☆
彼女は7階建てアパートにある6階の自室から、真っ青な空を目前にしている。理性と本能の狭間にある切迫した心を嘲笑うような気持ちのいい快晴を、今にも泣き出しそうな顔で。
「おら、もっと突き出せっ」
「あぁぁっ!」
クリンとした小振りな尻に強い平手打ちが振り下ろされ、彼女は宙を振り仰ぐ。金色に染めたロングの、上品かつ豪奢に巻いたフランス人形のような髪が、ゾクゾクと震える背中の上で跳ね上がった。
「許して……それだけは……お願いします……」
突き出している尻をクイッと持ち上げて男の命令に応える。すると言葉とは裏腹に高揚感が押し寄せ、火照った身体が心地よく蕩けていく。
「許して? ハハっ──」
男は嘲笑していた。全裸に赤い首輪という姿でベランダに向かう窓に手を付いている彼女の後ろ姿を眺めながら。
「──お前、何期待してるんだ?」
「え……んああっ……」
秘部に灼熱が押し付けられる。しかしそれはクレバスを塞ぐように、密着している。