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神アプリ
官能リレー小説 - ハーレム

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神アプリ 170

「んああっ、あぁぁっ……」

 熱い肉塊が胎内に埋まり、猛スピードで抽送を始める。ここに侵入した陰茎は彼のものみなので、あの男を受け入れたときの快感は知らない。

「んああっ、あんっ……そんな、激しいいいっ……あっ……」

 彼女は彼の首筋に腕を絡め、引き寄せる。彼も彼女を抱き締めて、激しく腰を打ち付ける。お互いの乱れた呼吸がお互いの耳元で紡がれるほど抱き締め合った、熱烈な情事。

 しかし、それは一方通行だった。

(あああ……御主人様のなら、もっと奥まで……)

 彼女は彼を直視できず、彼の首筋にしがみついている。あまつさえ目を閉じて、彼の姿を視界に入れないように努めている。

(御主人様……御主人様っ……)

 あの剛直でこれだけ中を掻き回されたら、エラがもっと襞を掻きむしるに違いない。コツコツと奥をつつくような衝撃も、あの陰茎なら掘削するようなゴツンゴツンと叩き付けて来るだろう。

「うおっ……スゲェ締まるっ……くううう!」
「あああっ! はああっ……ああんっ……」

 彼の細い呻きが聞こえると胎内から肉棒が引き抜かれた。次の瞬間には下腹部に灼熱が飛び散っていた。

「ヤベェ……すんげぇ気持ちよかった……」
「…………私も」

 彼女は後ろめたさを隠すように唇を重ねる。
 結局いつからか、頭の中をあの男に支配されていた。恋人を前にしているのに、だ。あの男のことを考えながらのその情事は彼女にとってつまり、オナニーと何ら変わりない。
 あの男にしているのだから恋情を抱く彼にしないわけにはない、という思いから解禁したオーラルセックス。それが逆に、より明瞭な比較を可能にしまった。そのことに後悔しつつも、それ以外のモヤモヤした部分も残っている。

 彼女の唇は彼の唇に縋っていた。とても情熱的に、何かを掻き消すように。

 ────何かから気を逸らすように

 ☆ ☆ ☆

 曇天の下、雲の切れ間から溢れた一筋の光が一輪の花を照らし出していた。というのはものの例えだが、雑踏の中に佇む彼女の姿はまさにそれで、翔真は不覚にも息を飲んでいた。
 白を貴重にしたノースリーブのワンピースに散る花柄は青系統のパステルカラー。羽織っているカーディガンは透け感のある白。腰を絞っている黒く細いベルトがシックで、甘過ぎないコーディネートに仕上がっている。足には青いブーツサンダルを合わせ、大人びた雰囲気にまとまっていた。常盤女学院高等部の制服とテニスウェアを着ている姿しか知らないので、本当に彼女なのか目を疑ったほどだ。

「あっ……」

 彼女の方が翔真に気付き、顔を赤らめながら近付いていく。照れ臭いのか、やや俯き加減だった。が、声を掛けようとした瞬間に言葉を詰まらせ、喉の奥で甘く呻く。脚が微かに震えていた。

「おはよ」
「お、おはようございます……」

 翔真に返したその声は湿っていた。上目遣いに向けられた瞳も濡れ始めている。

「どこか行きたいところある?」
「私はどこでも……翔真様と一緒なら……」
「あ、その呼び方は夜までお預けね」

 翔真が周囲に視線を遣ると、彼女は頬をポ、と赤くして「はい……」と返した。

「じゃあまずは話をしよう。俺、早苗ちゃんのことよく知らないし。ん〜……あ、あそこに入ろうか」

 近くのコーヒーショップを指して言う翔真に、早苗はコクッ、と頷いた。

 休日ということもあり、それなり人が入っている。その殆どが女子大生のグループや若いカップルで、BGMが辛うじて聞こえるというほどに雑談の雑音が大きい。

 2人は取り敢えずレジへ赴き、メニューを覗き込んだ。

「何にする?」
「ええと、じゃあ……アイスカフェオレのSサイズで……」
「アイスカフェオレのSとレギュラーのアイスをTで」

 翔真は慣れた様子で店員に告げる。繁華街には禁煙指定区域というのがあってこの近辺は路上喫煙が禁止されている他、喫煙できる店も限られているのだが、このコーヒーショップは店内分煙というスタイルをとっている数少ない、喫煙者にとっては貴重なショップなので、翔真もよく利用していた。

 店員が値段を伝える。翔真が長財布を開く。その横で早苗も、手にしているパステルピンクのバッグから財布を取り出した。

「いいよ。出すから」
「で、でもママが、お金のかかる女だと思われないように自分の分はちゃんと出しなさいって……」
「ハハー、素晴らしい教育方針だ。って──」

 翔真の苦笑の表情が引き攣ったものに変わった。早苗が手にしたシンプルな黒い長財布は、2つの「C」が曲線部を交わらせ「X」のような形を模したマークの装飾が付いていた。

(あれ……シャネル、ですよね……)

 ブランドに疎い彼でも知っている、高級ブランドの代物。それを女子高生が今、手にしている。中は比較的スッキリしていて、それ故に、札が十数枚入っているのがパッと見でも分かった。

「どうなさいます?」
「あ、ああ……一緒で……」

 苛立ちが窺える店員に翔真は千円札を渡した。

「え? わ、私の分っていくらだっけ……」
「あのね、こういう時は奢られたらいいと思うよ。たった数百円のなのに彼女の分を返してもらうとか、大半の男はプライドに大ダメージを受けるから」

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