神アプリ 147
「で、俺の女じゃない彩月はセフレなの?」
見下ろされ、彩月は萎縮していた。彼の女になっている美幸や恭子が奴隷、しかも翔真の女になるために自発的にその身分を選んだというような想像ができる状況。事実彩月自身もいつからか自然に翔真に敬称を付けるようになっているので、彼の存在の大きさはよく理解している。
それなのに、翔真の女ではない自分が、セックスフレンドなどという翔真の女たちよりも軽い関係性でいいはずがない。奴隷よりももっと下の存在でなければ……。
「あ……あ……の……」
考えは行き着いたが、奴隷以下を指す立場が思い浮かばない。
「そんなに深く考えなくても、奴隷でいいよ。性奴隷で」
言葉を詰まらせる彩月を憐れみ、翔真は愉快げに言う。
「美幸や恭子は進んで奴隷になっただけで、俺にとっては俺の女だ。他の奴に取られたくないから俺が側に置いてる。でも彩月は、俺が、奴隷という身分を与えてやる。だから俺の女みたいに扱わない。俺が抱きたいときに抱く。いい?」
「は、はい……ありがとうございます……」
彩月はパァァ、と表情を晴らした。
「ふふ、よろしく、彩月さん」
と美幸も恭子も新しい仲間を歓迎した。持論で身分の違いを説明されても、彼女たちからすれば翔真が奴隷として置く価値を認めた人物に変わない。
「じゃあ彩月、跨がれ。自分で腰を振って楽しませろ」
「あああ、はい……失礼します……」
彩月は嬉々として翔真の腰を跨ぎ、クロッチを片側に寄せて腰を下ろしていく。美幸と恭子が固定させる屹立がズブズブと埋没していくと、美貌を快感で崩し、そのだらしない淫らな顔を翔真の目に晒した。
* * *
そそり勃った肉柱に巻き付いた白い5本の指が柔らかく上下に揺れていた。ぎりぎり指が回りきらないソレをそうしてさする手の動きは、それだけ見ても愛しげで、惚れきっている心情を代弁している。
やわやわと肉茎を手の下に、もう1つ手がある。縋るように肉袋を包むその手は、手の平をスリスリと擦り付けるようにして絶妙に玉をこねくり回している。
「それなら、2週間後の日曜日に予定してます……」
彼女のぽってりした唇の隙間から湿った声色で言葉が返される。青年に向ける色っぽい視線で理性を掻き乱しつつ、膨張する陰茎を恭しく扱いて獣欲を煽り立ててながら。
「あああ……また生徒をそっちのけにさせていやらしいことをさせるの……?」
「そんな期待、してるんだ?」
翔真は嘲りながら、胸元に顔を埋めている博美の頭を撫でた。すると博美はたっぷりと吐息を漏らして胸板の突起を舌で嬲り、睾丸をやんわりと揉み回す。
「やあん、意地悪……あなたがそうさせたのよ……?」
くねくねと身をすり寄せる朝子は、片手に溢れんばかりの愛欲を込めて茎胴を甘く責め立てる。年甲斐もなく年下の青年に甘える姿は、彼女が彼に夢中であることを如実に表していた。
「残念ながら、今回は違うんだ。あっちの先生を紹介して欲しくてさ」
「紹介って……ふふ。一色先生を、好美ちゃんのように、ですよね……」
「そういうこと」
薄く笑う朝子と翔真が視線を交わす。やがて距離がなくなり、唇が触れ合う。彼女の柔かい唇は忽ちのうちに濡れ、艶かに煌めくそれの隙間に舌や唾を受け入れる。
朝子は彼の唇で、博美は彼の胸板で、湿った音を立てる。そのかたわら各々が触れている牡の器官を甘く撫で回して獣欲を煽りたてていく。
その時、朝子のバッグからくぐもった音が漏れた。
「ふふ……噂をすれば……」
音源であるスマホを確認した朝子は、翔真に妖しく微笑みかけた。
シティホテルのフロントに入った浜田好美(はまだよしみ)。スポーツバッグを肩に掛けるその身体は細く絞まっているものの、女性らしいボディラインも保たれている。特に、白いショートパンツからヒールのあるサンダルまで伸びる脚は、やや焼けているが、美脚と呼べる艶かしさを持っていた。
「お待たせ」
その声に、好美はスマホから視線を上げた。ポニーテールに結われた赤茶色の髪がフラリと揺れた。
「すみません。遅くなってしまって」
「いいのよ。こちらこそ、無理を言ってごめんね」
「いえ……」
好美は小さな顔に微笑みを浮かべ、首を振る。
「じゃあ、行きましょうか」
そう促され、エレベーターに乗り込んだ。
「でも珍しいですね。ホテルで打ち合わせなんて」
「ごめんね。遠かったでしょう?」
「いえ全然。何だか、ちょっとワクワクしちゃいます」