神アプリ 105
(えええええ!?)
下半身に、さっきまで感じなかった空気の温かさを感じる。それが冷たく思えるのは、自分の身体が燃えるように熱いせいだろう。
膝まで下りた手は、道連れにしたショーツをそこにとどめて折り返し、臀部まで戻る。そして強引に抱き込み、その刺激に甘く痺れている腰を前へ押し出す。
(恥ずかしい……)
足を閉じたい。けれどももう手遅れだ。彼の顔の下半分が太腿の間に割り込んでおり、大事なところに息が当たっている。
それに、彼がそうしたいのであれば邪魔をしてはいけないような気もする。恥ずかしいというだけで抵抗する意志は湧いて来ず、むしろ、どうぞと言わんばかりにスカートを捲り上げたままでいる。
何より、
(ああ……はああ……)
身体は期待していた。起こる身震いは心地よく、秘部やその奥の方がジクジクと疼いている。早く触れて欲しくて仕方がない。
そしてついに、生暖かい舌がクレバスをなぞった。
「んあああっ……」
舌から上へ這う舌の刺激に伴い、腰の痺れが背筋を登って頭の中まで及ぶ。すると途端にふんふわと浮いているような感覚に陥り、舌につられて身体が動いた。そう、舌で身体を掬い上げられたかのように踵が浮き、背筋は後ろへ反っていたのだ。
(気持ちいい……)
舌が縦筋をなぞるたびに腰が痺れ、頭の方まで登っていく。頭の中が白く蕩けていくようだった。その弛緩が目尻や口角に出ていることが自覚できる。きっと今、美苗たちと同じように、あのいやらしい顔をしているに違いない。
「あああっ! んっ、はああっ、あんっ、ひゃんっ!」
下から這った舌が肉芽を刺激していくと、弱々しい電流が急に鋭くなり、頭の奥に直撃した。爪先立ちになっているというのに、まだ高いところまで行けると言わんばかりに足が力み、腰が跳ねた。その現象は舌の往復が早くなると間欠を狭め、結果的に、ビクビクと震えた状態になる。
(変な声、出ちゃう……)
友だちが吐いていた、今まで付き合ってきた中で初めて聞いた彼女たちの妖艶な声は、自然に出てしまうものなのだと気付かされる。
「やぁぁっ、んううう! そこ、ばっかり、は、んああっ!」
陰唇の奥をニュルニュルリと這い回っていた舌が、先端で転がすように肉蕾を刺激し始める。甘美な電撃が背筋を迸り、頭の奥が痺れてくる。
(もうだめえええ……出ちゃうううっ……)
「あああああっ! んんんっ! ぁっ、はあぁぁっ……」
強烈な電撃が脳天に直撃した。それだけではなく、背筋から四肢へ駆け抜け、身体中が痺れていた。神経の細部まで巡った快感は大きすぎて手足の指まで痙攣を起こしている。その、ある意味恐怖さえ感じた快感に、失禁じみたことさえ起こしていた。
「ご……ごめんなさい……」
彼が離れると力が抜けた身体を支えるものがなくなって、敢えなくへたり込んでいた。
「気にしなくていいよ。──」
胡座をかいてそう言う彼は、本当に怒っているようには見えなかった。尿みたいなものを浴びせてしまったというのに。
「──いつものことだから」
「いつも……?」
言っている意味が分からず首を傾げていると、左にいた美苗が彼の方へペタペタと這って行った。
「いつもだよ? 毎日潮まみれ」
「しお……? あっ……」
美苗が彼の頬に舌を寄せ、濡れている肌を舐めていく。彼の顔を濡らしたのは、自分が漏らしてしまったオシッコのような体液だ。
「き、汚いよ……私が拭く──」
「汚い?」
美苗がこちらに首を捻る。そして、優しい微笑みを浮かべた。
「汚いわけないよ。奈保が吹いた潮なんだから……」
そう言うと、また彼の頬にベッタリと舌を張り付けて舐めずる。時にネットリと大胆に、時にペロペロと繊細に。
「でもまあその歳で潮吹きを披露するなんて、奈保ちゃんは相当エッチな身体をしてるんだね」
「そ、そんな……恥ずかしいです……」
(気持ちよくなってお漏らしすることを潮吹きっていうのかな……?)
そう思いながら、彼の左側へ移る美苗に目がいっていた。
さっきとは逆の方に移動しても、やはり美苗は、彼の頬をペロペロと舐めた。うっとりと瞳を蕩かして、ゆっくりとお尻を振って、まるで、
「みーちゃん……犬みたい……」
思っていたことを玲奈が呟いた。美苗が何をしているのか気になったのか、へたり込んだまま手を付いて身を乗り出していた。
「犬って言われてるぞ? 啼いてみろよ」
彼にそう言われ、美苗は耳の先まで朱を広げた。しかし何故か腰や背筋をゾクリと震わせて、瞳を妖しく濡らしていた。
「わ、わん……わんわん……」
「ようし、いい子だ」
本当に吠えてみせた美苗を抱き寄せた彼は、彼女の小さな口に口を密着させた。