まおーに任命されました。 95
しかしまだまだ掛かりそうで、半分にも満たない。
千奈美は携帯を直した手を元の位置へ戻した。
元の位置と言うのは胸の横だ。
シャツの胸元のボタンは外れていて、大きく開いている。
そこに千奈美の手が、胸を寄せるように手を置くことで、谷間を深くさせているのだった。
下がスリット入りのパンツの千奈美は、上はハーフカップブラだった。
つまり乳首が隠れておらず、俺の目に晒されているのだ。
「んぁぁっ……魔王様ぁぁ……私にもぉ……」
糸を引く程の粘度を持った発情汁をグラスの中へとろーりと滴らせる。
しかし流れ続けるわけではなく、糸が切れると、また雫が滴る程重くなるまで暫くの時間が必要になるのだった。
綺麗に結い直されたポニーテールに、前髪を右から左に流し、赤フレームに楕円のレンズを嵌め込んだ眼鏡。
そんな堅そうな容姿は、はしたない格好と淫らな瞳で見事に崩され、ギャップが激しい。
俺は、見た目は上出来なオモチャを眺め、千奈美みたくシャワーを浴びさせたブロンド美女達の奉仕を受けていた。
そこに新たなオモチャが加わる……。
「失礼します」
ノックの後にそう言って入ってきたのは、確かに千奈美と一緒に俺の家へ来たブロンド髪の女だった。
ブルーの瞳と、スーツをはちきらんばかりの巨乳、鎖骨を過ぎるくらいの、ストレートのセミロング……名はケイシー、だったな。
「早かったな。まだグラスが一杯になってないっていうのに」
「グラス?」
ケイシーは目に付いたグラスを見て、同時に千奈美の姿を見てしまうことになって、白い頬を赤くさせた。
千奈美が纏っているのは上だけ。
下はスリット入りの真っ赤なパンツのみで、ワイングラスに跨がっているのだ。
その姿を見られた千奈美の方は、早い到着に対して恨めしげな視線をケイシーに送るものの、それは数秒で終わり、再び俺へ色目を向けた。
「『今から来い』と、言われましたので」
「“魔王の俺”にそう言われたら飛んで来るしかないよなぁ?」
「は……はい……」
ケイシーは視線を定めようとしない。
俺の股座にはパイズリをする女と、谷間から頭を出した先端に左右から舌を絡める二人の女がいるし、胸板でも二人の女が舐め奉仕に勤しんでいる。
後ろからは頭を豊乳で挟まれ、背も垂れに乗せた腕には複数の舌が這い、上へ向けた中指は背もたれを跨ぐようにして挿入した女達の壺肉に擦られる。
膝から足にかけても舐め奉仕は施され、他、何人かはその辺で自慰をしていた。
ケイシーは同じ女として、彼女らのあられもない姿を直視することができなのかもしれない。
ただでさえ全裸なのに、その上、淫らな行為をしているのだから。
しかし視線を反らしては失礼だと思っているのか、若しくは魔王と認識した俺を前にして牝の本能がそうさせるのか、ケイシーは俺の目を見るように努めているようだった。
「疲れたろ? 千奈美が水を用意してるからさ、まぁ飲めよ」
語気を強めて言い、目で“水”の意味を悟らせ、とどめに顎でワイングラスを指す。
その、命令ともとれる言い方に、ケイシーは
「ああっ……はい、いただきます……」
と、諦め気味に返すことかできない。
何故なら、俺が魔王だから。
これ以上の理由はなく、それが全てで、絶対だ。
ケイシーは恐る恐るグラスの軸を摘まみ、持ち上げた。
その中には千奈美が注いだ愛液が半分くらい入っている。
「大分溜まったなぁ」
嘲笑混じりの声に千奈美は首を捻り
「ぁぁ……折角溜めたのにぃぃ……」
と、種付けに向けての努力が無駄になることに嘆いた。
「飲む前に、グラスを回して千奈美の香りを楽しんでやれ」
「はい……」
ケイシーはワイングラスを軽く回して整った鼻に近付けた。
しかしワイングラスに入っているものはワインではなく淫汁……サラサラと波を立てることはなく、タプタプと揺れるに止まり、香りが立っているかは不明だ。
寧ろ、何もせずとも牝の臭いが漂っているんじゃないかな?
「ん゛っ……」
ケイシーは近付けたグラスを反射的に遠ざけ、顔をしかめた。
だが次は、牝臭漂うその液体を飲まなければならない。
一旦離したグラスを口元へ近付けていくケイシーの眉間に皺が寄る。
しかし唇は淵に触れ、グラスは傾き……
「ああぁぁぁ……ケイシーぃぃ……」
千奈美は大事なもの取り上げられたかのような情けない声を上げ、自分の発情汁がケイシーの口へ流れていく様子を見ていた。
相当粘度が高いのか、滑らかに口へ入ってこない千奈美の淫汁にケイシーはグラスを大きく傾けて挑む。
そして喉を動かした瞬間を、俺はしっかりと見ていた。
「んぁぁっ、魔王様のチンポ……熱くて、硬い……」
股間からそんな吐息混じりの声が聞こえ、肉竿を包む乳圧が強くなる。
扱くスピードも早くなり、舌が一枚鈴口付近に増えた。