まおーに任命されました。 78
焦れったそうに腰をもじもじさせて自分から擦り付けてくる始末だ。
「じゃ、行こっか」
「ふぁっ、ぃぃ…… 」
びくんっ、と体を跳ね上がらせながら体育委員の女の子は歩き出した。
尻撫でから陰部撫でに変えられて歩き辛そうではあるものの、拒絶するどころか嬉しそうに発情の様相を示している。
「んんっ、くんっ! あぁぁ……」
身悶る姿は良いんだけど、残念なことが一つある。
それは……ハーフパンツだ。
この学校の体操服は、夏は半袖半パン、冬はジャージ。
これがブルマだったら申し分ないけど、学校業界全体がブルマ廃止の流れらしので仕方がないと言えば仕方がないんだろう。
……ブルマ存続を命令したらこの学校だけでもブルマを死守できるかな?
「あんっ! ひゃぅぅぅん……」
体育委員の女の子が唐突に甲高い声を上げ、俺の馬鹿な思考を止めさせる。
「そんなに気持ち良いの? こうやって撫でてるだけなのに」
「は、はい……んっ……胸が、あの、ひぅん……」
「胸?」
そこへ視線を向けてみると、体操服を持ち上げる不自然な出っ張りがあることに気付いた。
「……成る程。固くなった乳首が擦れるのか」
「はいぃ、あん! はあぁ……っ、っ!」
摘まんでやろうかと思ったその時、体育館への渡り廊下が見えたので止めた。
体育の授業……一体どんなことをするんだろう?
「んっ……ひっ、ひぅぅん……」
と悶えながら歩く体育委員の女の子の後ろに続き、股間をますます窮屈にさせる。
「んぁっ、ああぁぁぁ……」
辿り着いたドアに寄りかかり、身を預ける体育委員の女の子。
止まらない俺の手に腰をくねくねさせながら、手探りにドアを開いていく。
ガラガラガラッと開かれたドアの向こうには複数の女子がいた。
ぱっと見た感じだと、体操服を着ているグループと制服のままのグループに分けられるだろうか。
しかし制服を着ているグループの方はデザインがバラバラだ。
おそらく、あれが見学者……つまり中学生達だろう。
体操服の方は一年E組のご奉仕係達か。
「あんっ、魔王様……な、中にぃ……」
ドアに寄りかかったままの女の子が頻りに陰部を手へ擦り付けてくる。
「中に欲しいのか?」
半ば冗談で言ってみたが、それが良くなかったらしい。
「くださいっ……魔王様のオチンチン、私の初めての中にっ、中にぃぃぃっ……」
もう必死で陰部をスリスリ擦り付け、挿入乞いを繰り返す。
そんなとき、倉庫の方から出てきた亜子が俺達に気付き、
「魔王様っ」
と近付いてくる。
半信半疑だった見学組が亜子の言葉で確信を持ったのか、早くも黄色い声を上げ始め、チャイムの音と重なる。
「上着を脱いでください」
そう言われて上着を脱いだ途端、体育館は女の子の黄色い声で埋め尽くされたのだった。
「静かにっ! 授業中よ!」
亜子の叱責に慌てて口に手をあてる見学組。
その様子を見て、亜子は
「魔王様は此方へ。千野(ちの)さんも」
と、俺達を見学組の前へと誘導 した。
体育委員の女の子は千野というらしい。
お触りが楽しくてすっかり忘れていたが、体操服の前後にはクラスと名前が書かれたゼッケンが縫い付けられている。
体育委員の子を例にすると、小さめに「1―E」その下に大きく「千野」といった具合だ。
因みにネームタグには「彩芽○」とある。
まんま読めば名前はアヤメ、彼氏なしで処女ということになる。
処女なので当然黒文字、ついでに首輪は赤だ。
「はい、学校見学の皆さん、此方のお方が魔王様です。魔王様、何か一言」
「え?」
そういうのが要るなら事前に言っとけよなっ。
「えーっと、魔王です。よろしく」
何とも情けない一言に、何故か再び黄色い声が上がった。
「次はご奉仕係ね。千野さん、前に出て」
「はい……」
慣れないシチュエーションなのか、緊張を隠せない様子ながらも彩芽は前へ出る。
各々の姿勢で床に座っている数十人の中学生達が、俺と向けていた時とは違った色の目で……まるで珍しいものを見るような視線で彩芽を刺していた。
そりゃそうだろう。
体操着姿は良いとしても、何故か首輪を巻いているのだから。
彩芽にとっては羞恥プレイに他ならない。
「説明会のときにあったと思いますが、本校では魔王様の子種を求める女子の混乱を防ぐため、ご奉仕係という役職があります。ご奉仕係は、簡単に言えば魔王様に子種を求める権利を持っているってところかな」
権利って、大袈裟な……。
「ご奉仕係は魔王様自らが面接して、採用・不採用を決めます。必ずなれるってわけじゃないから気を付けてね」
来るもの拒まずってわけじゃないのだよ。