まおーに任命されました。 52
しかしまだ弱の弱……メモリ一つ分に過ぎない。
春美は平生を装って出席簿を開いた。
「では出席をとります。三笠木健斗様」
「はーい」
っていうか生徒俺しかいないし。
因みに出席簿には「三笠木健斗(魔王様)」と書かれているのでああいう出席のとり方をするらしい。
名前はこの時と、早苗や姉さんがトリップする前にたまーに呼ばれるくらいになってしまった。
「今日は魔王様に見てもらいたい物があります」
春美はそう言って何枚かの紙を手にし、こちらに歩み寄ってくる。
担任担当は服を脱いでないが、ローターの強度を上げると歩調を乱れさせるのでなかなかに面白い。
それに、担任担当は伝えなければならいことをきっちり伝えるのが役割だ。
ご奉仕係としての奉仕よりも教師としての振る舞いを求められ、お強請りしたくても出来ないという。
「ああぁ……んッ、んッ……」
ローターの強度が上がって小さな身悶えを見せた春美は、瞳を濡らしながら数枚の紙を差し出してくる。
俺はコントローラーを机上で四つん這いになっている女教師奴隷の尻に置き、それらを受け取った。
左手は忙しいので片手で何とか机の上に広げてみる。
全部で五枚のようだ。
どの紙面にも知らない女の顔写真と、出身校などが記されていた。
「臨時募集で集まった教員候補なんですけど、どうでしょう?」
「……何が?」
突然訊かれても訳が分からない。
「顔ですよ。好みの人はいますか?」
言われ、紙面を眺める。
当たりは一人、残りは可もなく不可もなく……言い寄られたら満更でもない程度のレベルだ。
「この、堀田美代(ほった みよ)って奴はなかなか良いな。後はまぁまぁって感じ」
「良かった……それでは早速授業見学をしてもらって、体の方のデータも……」
「待て待て待て、何の話だ?」
俺の頭は大混乱だ。
「魔王様に全授業で精一杯のご奉仕が出来るよう、教員募集をかけたんですよ」
「成る程、そう言うことか……」
だから女の資料しかないわけですね?
「一応、魔王様在籍校と公開はしているですが、やはり実際に目で見て本当に魔王様だと確認してもらい、それからご奉仕に必要な部分の映像などを」
「回りくどいな。紋章の写真を撮って載せるか?」
「またまたぁ。魔王プライバシー法によって、魔王様の顔を商業目的や話題集めのために利用することは大罪になってるじゃないですか」
ま、魔王プライバシー法?
何じゃそりゃ、と訊きたいのは山々だが、ここは耐えた方が無難だろうな。
「えーと……んじゃ、紋章だけ載せたらどうだ?」
「紋章は魔王様の証として国連から全世界に発信されています。紋章を彫ることは禁じられてますが、複写やロゴ化は特に規制されてませんし、国連政府が運営する魔王支援コミュニティのホームページからの転載も自由。ですから、紋章だけでは説得力がないんです」
何か今、ザッと物凄いことを聞いた気がする……。
魔王の紋章は世界中が認識していてる……だから、紋章が腕にある俺を見ただけで魔王だということが判るのか。
「そうか……じゃあやっぱり、腕に紋章がある俺という人物を直接見せなきゃならな」
「そういうことです。堀田さんにはそのように連絡をしておきます」
「いや、どうせなら奉仕もさせたいし、奉仕をさせるだけならこいつらの顔も合格ラインだ。全員に連絡しとけ」
「は、はいっ。流石魔王様、心が広いです……」
ただ欲深いだけなんですけどね。
でもその欲深さが喜んで受け入れられる……俺はそういう存在なんだ。
一人でも多くの女を侍らせれば、それだけ多くの女が喜んで股を開く。
俺に奉仕出来ることがまるで女のステータスであるかのように歓喜し、もっと種付けへ近付くために必死になる。
目指す頂点は、正妻として後宮に入るということなんだろう。
「ああん! 乳首だけでイッちゃいそう……んああぁッ……」
よりエロく自分を魅せ、ご機嫌をとり、種付けへありつく……そうやって女達は淫らに媚びてくる。
「ああッ、あああぁ……魔王様の指ぃ……ひゃうん! あんッ!」
結婚してようが恋人がいようが、俺の前ではただの牝となって種付けを欲する。
時に争い、時に協力して、俺に尽くす。
「すごぉぉぉい……んふッ、熱くて、硬くて……エッチな味がするぅ……ん……」
「んッ、んふぅッ、ああ……逞しい……魔王様ぁ……」
そして着実に性欲を煽り、例え中にもらえなくても嬉しそうに受け止め、処理にあたるのだ。
「それから、学校見学なんですが……」
あちこちで大きくなる甘い声に腰を捩らせながら春美が次の話を始めた。
「女の子には種付け室での授業見学もしてもらいたいんですが……いいですか? 正確には授業風景よりもご奉仕係活動の見学なんですが……」
「俺は別に構わないけど、ご奉仕係の活動なんか見学させてどうすんだ?」
「あの……実は、ホームページの学校紹介のコンテンツにも魔王様が在籍されている旨を載せていますので、本当に魔王様がいることと、ちゃんと種付けしてもらえる機会があるということを確認してもらおうかな、と……」
「……成る程、俺は入学志願者を集めるエサなわけだな?」
四つん這いの女教師の蜜壺から指を抜いて、尻の上へ向かわせる。
「そそそそんな、決してっあああッ! んんんぅ!」
ローターのダイヤルを回らなくなるまで回しきった。
途端、春美はトイレを我慢しているかのように下腹部の辺りを両手で押さえ、引いた腰を淫らにくねらせる。
「なぁに、気にすることはない。俺の心はとっても広いからな。俺を利用することで学校のためになるなら本望さ」
わざとらしいかな?
でもまぁ、三年生のご奉仕係が抜ける分以上のご奉仕係を得る手段の一つなわけだし、そう考えれば俺のための配慮と思っても大差ないだろう。