まおーに任命されました。 29
脇を開いていることで乳首が舐めやすくなり、脇腹にも腕にも背中にも、首、耳、唇にまで種付け待ち達の舌が及んでいる。
そう、電車の中では上半身裸。
ここでは紋章の力がないと怪訝な目で見られてしまう。
逆に紋章を見せた後は打って変わったように女達は媚びた。
「魔王様のチ○ポ気持ち良すぎですうううッ! あああんッ! 頭蕩けちゃうん! ひゃうううんッ!」
白いスカートをペロンと捲り上げて丸出しにされている尻肉に、ガンガンと腰を打ち付けた。
絶頂を迎えたのか、程良い締め付けだった肉襞がピタッと張り付いてうねりを上げ出す。
全部埋めて腰を止め、じっくりとそのハメ心地を堪能したいところだが、周りに侍った後続達がそれを許さない。
「こっちのオマ○コも準備出来てますぅ」
「私の奥にもください……」
「お願いしますぅ……魔王様ぁ……」
自慰で上げる嬌声に乗せて誰もがハメてくれと懇願してくる。
特に舐め奉仕にあたっている者の舌使いには容赦がなく、目の前の俺の肌を夢中で舐め回して射精感を高ぶらせた。
しかし左腕の紋章を舐めているOL風の奴だけ様相が違う。
他の舌は盛った牝犬に相応しく這いずり回っているものの、こいつだけは甘える猫のように舌を滑らせ、時折頬擦りまで加えている。
この女のみならず、今までに紋章の辺りを舐めた奴は決まってこんな感じになっていた。
まるで心酔しているかのように愛おしげな眼差しで俺を見つめながら紋章を舐め、頬を擦り付ける。
しかも夥しい量の淫らな蜜を垂れ流し、悶絶するように腰を振り回しながら、しかし自慰はせずにひたすら紋章に唇を寄せるのだ。
それだけ見ても魔王の証である紋章の威力は大きく、同時に、魔王の絶対性と憧れの的ということの偉大さを証明している。
下手をしたら神格化のレベルではないかと疑う程に誰も俺に逆らわず、寧ろ崇めて股を開いた。
思えば、洋子の家を囲う塀をぶち壊した時、丁度紋章の辺りを撫でていた。
その後、寄りかかった電柱がぶっ壊れなかったことを不思議に思っていたが、考えてみればその直前に紋章の辺りをさすっていたはずだ。
もしかしたらこの紋章、ただの飾りではないのかもしれない。
検証の余地がありそうだ……。
「ああぁぁぁああぁぁッ! イグうううッ! 中出しイクううう! ッーーー!」
あ〜……気持ちイイ……。
余計なことを考えていてもピストンは続けたまま。
射精感に伴ってイッたにすぎない。
まるで片手間のような種付けでも、穴を差し出したこの子は至福に全身を痙攣させているのだから良しとしよう。
これで横長のシートに並んだ幾つかの穴のうち、五つの穴に子種をくれてやったことになる。
逸物を引き抜けばやはり掃除に二人ほど身を屈め、舌の共演を繰り広げた。
全身に這う舌も勢いが衰えず、射精感を煽る奉仕がそのまま再起を促す奉仕となった。
女子大生との接吻を止めて首を捻れば、紋章を舐めていたOL風の女が唇を奪うべく首を伸ばしてくる。
いやらしい音を立てて剛直を舐め啜る二人には悪いが、残念ながら俺は次で降りなければいけない。
孕ませ穴が並ぶシートの向かい側で控えている奴らにシャツを預けていたわけだが……
「んぁッ、魔王様の香り……あんッ!」
「魔王様ぁ……んんッ!」
くしゃくしゃになってなきゃいいなぁ……。
校門をくぐって直ぐ、違和感を覚えた。
いつも通り朝から委員会活動をしている風紀委員達が、何故か首輪を巻いていたのだ。
その理由を訊くべく辺りを見回してみたものの、夏帆姿がない。
今日は当番じゃないようだ。
仕方なく、目についた一人を捕まえて訊くことにした。
「なぁ、何で首輪巻いてんの?」
「魔王様、おはようございますっ」
声を掛けられた子は爽やかな挨拶を投げ、ペコリと頭を下げた。
スカーフの色が朱いので、三年生のようだ。
因みに一年生は黄色。
男子は第一ボタンの色で学年が判別出来る。
「これはご奉仕係の証ですよ」
「え?」
初耳なんですけど。
「ご奉仕係が一目で判るようにする為と、男子があやまって手を出さないようにする為に、ご奉仕係全員に配布されたんです」
僅かに頬を赤らめながら、この子は更に続けた。
「このタグに書かれた名前が赤い子は種付け済みを示してるんです」
と首輪に付いたタグを摘んで俺に見せてくる。
黒で「奈々」と書かれているところからすると、この子はナナという名前で未使用だということを示しているのだろう。
「名前の前に付いている丸は、彼氏がいるという意味です」
奈々と書かれた左側には記号の丸が書かれている。
コイツは彼氏持ちか。
「それでそれで、名前の後ろに丸が付いてる子はまだヴァージンって意味なんですよ」
奈々の名前の後ろには丸が付いていなかった。
俺は未使用だが、経験済みだということか。
名前の後ろに丸が付いている子は、必然的に黒文字だということになるだろう。
「魔王様が面接の時に訊いていたことが一目で判るようになってるんです」
あの質問にそれ程深い意味はなかったんだが、工夫を凝らしてくれたらしい。
おかげで、奈々は彼氏持ちの非処女で俺にはハメられていないという情報が、首輪の輪っかからプラプラ揺れているネームタグを見るだけで判る。
改めて辺りを見回し、感心のあまりうんうんと首を振っていた……が。
「あれ? あいつ……えーっと……仁科香織、だったかな? あいつも合格させたはずだけど……」
昇降口へ消えていく香織を追っていた視線を奈々の方に向け、疑問を投げ掛けてみる。
「首輪は靴を履き替えるときに着脱するんですよ」
「成る程ね……」