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まおーに任命されました。
官能リレー小説 - ハーレム

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まおーに任命されました。 139

「それは口がパサつくから千奈美が戻ってきてからな」

「しょぼーん……」

 何故声に出したっ……。
 まぁ、こんないつもの調子のメイリンだが、スーツの下では快感を得続けているわけで、陽菜はそれに気付いているような状況なのです。

「お待たせ、しましたッ……どうぞ、魔王様……ッ……」

 左から千奈美がカップを差し出す。
 俺はナイスタイミングとばかりにポケットからスイッチを出して、千奈美が背を伸ばす瞬間を狙った。

「ぁぁッ、ッッッ、んッ……あッ……」

 俺がスイッチを弄ると千奈美は少し腰を突き出し、軽く跳ね上がらせる。
 俺の右手の操作と千奈美の反応が同期していることを陽菜に知らしめたわけだ。
 そして、鈍くなった動きで椅子に掛ける千奈美を、左隣のヒカリが不思議そうに窺っているのだった。
 ここは千奈美がカップを置く前にバイブを最強にして、カフェオレを俺に引っ掻けて以下略、というシチュエーションが王道なのだろうが、それはメイド姿やウェイトレス姿の女にさせるからこそというもの。
 スーツを着ている千奈美に男の目もあるレストランでさせるようなことではないだろうし、命じればいつでもどこでも咥える……いや、寧ろ四六時中咥えたがっているだろう。
 もっと言えば、既に洋子という先客がいる。
 今この時間での性処理を進んでヒソヒソと伝えてきた洋子が、旦那さんの見ている前でテーブルに潜り込み、なかなか出てこないというわけだ。
 俺としても必死なおしゃぶりをしてくれるだろうと予想していたが、実際は真逆だった。
 いや、正確には、必死なのはひしひしと伝わっている。
 かれこれ二十分近く魔王棒へ奉仕していると思うが、その大半が咥え込んで行われている。
 全く音を立てずに繰り返されるストロークは本っ当にスロー過ぎるペースで、いつまでもいつまでもしゃぶっていたいという想いをじっくりと染み込ませてくるようだ。
 しかし口内は唾液がたっぷり溜まっていて、さするような舌使いもあり、快感は確かにある。
 口から出せば舌と唇が、おしゃぶりとはうってかわって忙しく蠢き、逸物の表面全てに這わされる。
 変わらないのは熱い吐息だけだ。
 いつの間にこんなにスキルを上げたのか……友美に仕込まれた、とか?
 若しくは旦那で練習?
 そんなことを考えながらブルーベリータルトをモグモグしていると、陽菜が洋子の旦那さんの方へ話し掛けるのが聞こえてきた。

「あ、あの、私達って、もうやることないんですよね?」

「ああ、はい。後は打ち合わせの通り、幾つかの試作品の中から魔王様のモノに一番近いものを選んでもらう最終決定の際に協力してもらうだけです」

「ってことは、明日はフリー、か……」

 陽菜は独り言のように呟いた。

「じゃあ俺達にも楽しませてくれよ」

「おっ、それいいねぇ! あんな絡みをナマで見たもんだから……おっと、思い出しただけで……」

 などと、製作スタッフ達が下衆い笑みを浮かべて鼻の下を伸ばしている。

「ちょっと、バカにしないでください」

「そうですよ。こう見えても一応プロ。ただの尻軽じゃないんだからぁっ。ねぇ?」

 軽い調子で断るみるくとヒカリに残りの二人もウンウンと頷く。

「それに……」

 と、陽菜は俺を見遣り、

「魔王様さえよければ、明後日の朝までだけでもお側に置いて欲しいんですけど……?」

「みるくもみるくもっ」

「私も是非お願いしますっ……」

「ああんっ、魔王様ぁぁっ……」

 と、四人全員がせがんで来るのだが、言い出しっぺの陽菜の視線はやけに効いた。
 媚びる視線は違う、どこか、縋るような……助けを求めるような……そんな視線だった。

「…………いいだろう。何ならそれまで俺がいるホテルに泊まるといい。俺の貸しきりになってるフロアはほぼ一室しか使ってないから空きは一杯あるぞ?」

「「ホントですか!?」」

「ああ。金も要らないんだよな?」

「はい。スイートのあるフロアで発生する費用は全てホテル側が負担するということになっています」

 千奈美はしらっと言ってのける。

「だそうだ。さっさと荷物纏めてこい」

「「はいっ、魔王様ぁっ」」

 AV女優の四人はレストランを飛び出していく。

「あ、それから洋子も借りていきますね。今を最後にするといつまでもしゃぶってそうなんで」

 俺が鼻で笑いながら伝えると、

「は、はいっ。できれば、たっぷり可愛がってやってください」

 旦那さんは恐縮してそう言うのだった。



 タクシーを拾って今拠点としているホテルに着き、早速貸し切っているフロアに赴くべくエレベーターに乗り込む。

「で? 本当の目的は何なんだ?」

 ここぞとばかりに陽菜へ窺う。
 タクシーは俺、千奈美、メイリン、洋子という組とAV女優四人というかたちで分乗したので、俺はまだ陽菜の真意を訊けずにいた。

「え?」

「……あの時のお前の目は、ただ種付けして欲しいって目じゃなかった。気のせいかも知れないけどね」

 恭しく首筋や耳に舌を這わせてくる洋子の尻へ手を回しながら言う俺に、陽菜は片眉をピクリとせて視線を流す。

「その……居たたまれなくて……」

 俺はみるくも抱き寄せて無遠慮に胸を揉みながら小首を傾げた。

「陽菜さんって、この中では一番のベテランなのにとっても可愛いんですよ?」

 すっと寄り添うそったヒカリはそう言って膝を付き、徐に股間を撫で回す。

「って言うか、プロ意識が高いんだよね。AV女優ってだけで簡単に抱かせてもらえるとか思ってるクズなんかと同じ空間にいるだけでプライドが許さないんですよ」

 みるくは胸を揉まれて僅かに上気し、洋子と同じように舌を這わせ、吐息混じりにそう告げる。

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