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まおーに任命されました。
官能リレー小説 - ハーレム

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まおーに任命されました。 133

 少し横に映った洋子が蕩けた視線で俺を見ながら腿の辺りに腰をすりすり擦り付けているっていうのに、旦那のあなたは何も思わないのか?

「魔王様ぁぁ、会いたかったです……」

「判った、判ったから腰を擦り付けるなっ……」

 薄いピンクのロングスカートと白いシャツに水色のブラウスなんていう姿に清楚な雰囲気を振り撒いていても、今している行為は盛った牝犬にしか見えない。

「ほら、周りの目もあるし……」

 千奈美とメイリンを除いた宿泊客やスタッフの視線がチクチク刺さっている。

「すみません、嬉しくて……つい……」

 洋子は名残惜しそうに身を離そうとしたが、俺が腰へ手を回すと、またうっとりとして擦り寄ってくる。
 腰を擦るなとは言ったが、離れろとは言っていない。
 俺は洋子の髪を中心として漂ってくる香りに日本での生(性)活を思い起こされて、もう少し堪能していたかったのだ。
 一段落ついたとみたのか、やや頬を上気させた千奈美が俺の方を窺った。

「後宮に入られる方ですか?」

「いや? 隣に住んでるただの新妻」

「そうなんですか……種付けの方は?」

「したよ。な?」

 洋子に振ると、ぽぉっと顔を赤らめる。

「できたら“してる”って、言ってください……。私、魔王様の隣に住んでる柊洋子っていいます。魔王様には、朝の通学ついでの性処理に孕ませ穴を使ってもらってるんです……」

「成る程、羨ましいお話ですね……柊さん……ひいらぎ?」

「ああ。お前も電話したことがある柊さんの奥さん。で、あちらがその旦那さん」

「えっ……そうだったんですか……」

 独り言のように漏らす千奈美を他所に、俺は旦那さんの方へ向き直った。

「紹介します。隣にいるのが大山千奈美で、その隣にいるのがケイ=メイリン。訳あって、身の回りの世話をしてもらってます」

 今二人の姿は黒いスーツだ。
 メイリンは相変わらず艶やかな黒髪をツインテールに結って、あどけない顔立ちからは不釣り合いにも見える低いヒールの黒い靴を履いている。
 千奈美の方も相変わらずのポニーテールと赤フレームの楕円眼鏡で、こちらはスーツが似合いすぎていた。
 それがいけなかったのだろうか。

 旦那さんは

「あ、あなたが、千奈美さん……?」

 と、目を丸くしている。
 堅く冷たいイメージを抱かせるこの女が俺の愚息をしゃぶりたいと強請っていたこと、そして、お望み通りに咥えて口に種付けしてもらったこと……電話口で聞いていた状況が、本人を前にして想像も付かないと言いたそうな顔をしている。
 一方、俺達の会話を英語でメイリンに通訳していた千奈美は、旦那さんの視線に気付いて訝しげに目を細めていた。

「何か?」

「あっ、いいいい、いえ……」

 千奈美の睨みに旦那さんは萎縮していた。
 そんな千奈美が五分以内に俺をイかせられず、今、罰として下のお口にリモコンバイブを咥え込んでいるなんて事実を知ったら、卒倒するんじゃないか?
 俺の目にはそう映っている旦那さんは、洋子の目には次ように映っていたらしい。

「今、千奈美さんに見惚れてたでしょっ」

 半身に俺に身を預けている洋子は、顔だけ捻って旦那さんに言い放つ。

「ちっ、違うっ。誤解だって」

「知らないっ」

 ぷいっとそっぽを向いた洋子は、勢いを弱め、頭を俺の肩に預けてくる。
 旦那さんが可哀想で仕方がないので、そろそろ本題を切り出そうかな……。
 
「あの……で、部屋は?」

「そそそうですね。立ち話も何ですし、早速お部屋の方へっ。ささ、此方です……」

 旦那さんは助かったと言わんばかりにエレベーターへと急き立てる。
 その頃には、千奈美の口から漏れる「マオウ」を意味した言葉を聞いた周囲の視線が俺を敬うものへと変わっていて、俺は堂々と洋子の尻を撫で回しながらエレベーターへ向かえるようになっていた。
 エレベーターの中でも、下りてからも洋子の尻を鷲掴みにて揉んでいると、暫くして、その部屋に着いた。

「ささっ、どうぞどうぞ」

 旦那さんに勧められ、中に入ってみる。
 今の拠点となっているスイートルームに比べると大分見劣りするが、そこそこの広い部屋だった。
 しかし、がらーんとしている。
 移せる家具は別の部屋へ運び込んだのか、そこにはブルーシートとソープで使われるマットらしき物が置かれていた。
 部屋の端の方では数人が身を寄せあってガサガサと何かしている。
 中でも目を引いたのはバスローブを纏った四人の女だ。
 その四人は談笑していたようだが、俺達の来訪に気付くと改まって近寄ってくる。

「あの……魔王様ですか?」

 見たことがあるような顔の、茶髪のショートヘアーの女が問い掛けてきた。

「はぁ、まあ……よろしくお願いします……」

「「きゃぁーんっ!」」

 何故か黄色い声が上がり、これまた見たことある顔の茶髪のロングが顔を覗き込んでくる。

「よろしくお願いするのは私たちの方ですっ」

「そうですよ。ああっ魔王様にご奉仕できるなんて……はああんっ……」

 やっぱり見たことのあるロリ顔の、黒髪を二つくくりのお下げにした女が早くも腰を捩っていた。

「あのっ、紋章を見せてもらってもいいですか?」
 
 黒髪のロングは左の肩へ両手を置きながら訊いてくる。

「あ、そうですね。一応……って、倉田陽菜(くらた はるな)!?」

「あんっ、嬉しい……私の名前、知ってくれてるなんて……」

 黒髪ロングの陽菜はそろっとボタンに手を掛けながら言う。

「どうせ脱ぐんだし……」

 と、茶髪のショートヘアーはベルトに指を掛け、

「私の名前は知ってますか?」

「えーっと、見たことあるんだけど……何とかヒカリ?」

「そうっ! そうですっ。星野ヒカリっ」

「あんっ、魔王様ぁ、私は?」

「私のことは知ってますか?」

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