まおーに任命されました。 132
先の開いたクリップを乳首に近付けていくと、千奈美は
「ぁぁぁ……はぁぁッ……」
期待と切迫に目を細めながら情けないくも色っぽい声を漏らし、とうとう挟むと
「ひゃあん! ッッ……ッ……」
目を強く閉じて甲高い声を上げ、目元の力を抜きながら体を震えがらせる。
「一つでいいのか?」
問うと、千奈美は紅潮を深めてまた胸を張り、
「ひぃぃん!」
乳首クリップを施され、見せ付ける裸体を淫靡に踊らせる。
「じゃあスイッチを入れてやろうな」
棒状のコントローラーの摘まみを少し上へスライドさせると、二股のコードの先にあるローターにスイッチが入り、千奈美は軽く喉を反らした。
「千奈美にもメイリンと同じ条件を与えてやる。今から、えーっと……二十分間の間、好きなだけイッても良いし、オナニーも好きなだけすると良い」
そう言って、俺は乳首クリップのローターを一番強い状態にした。
「ふぁぁぁあああああッ、イクッ、イクッ……魔王様ッ、イかせていただきますううううう……ッッッ! ッ! ッ!」
途端に千奈美は胸を大きく反らして大きく弾み、小振りな胸を踊らせる。
その後数秒硬直したかと思えば、手を付きながら前のめりに倒れ込み、俺の股間に顔を乗せて体を支えた。
「ッッッ……んぁぁッ、魔王様ぁぁ……ッ……ッッ、んぅぅッ……」
唸り続ける乳首クリップのローターに背筋を波を立てたまま、千奈美は腰を上げ、更に頬を埋める。
そうして反り返った肉棒の裏側に強く頬を押し付けると、すりすりと頬擦りを始めた。
「言っとくけど、種付けはしてやらないぞ?」
「い、いえッ……こんな状態の魔王様を差し置いて、私だけイかせていただくのはッ、ああッ……イク……ッッッ!」
言ってることとやってることが違うような気が……。
千奈美は背中を引き吊らせると、起こる震えを腰にまで広げている。
その状態で肉柱の裏に頬を滑らせ、密着させたまま俺に視線を送った。
「魔王様ッ、ぁぅッ、わッ、たしにッ、魔王様のッ、性処理ッ、をぉぉッ、させてッ、くださぃぃッ、ぃぃ……」
「オナニーはいいのか?」
「もうさせていただいてますぅぅッ、はぁんッ……ぁッ、ぁぁッ……」
頻りに両肩がもぞもぞしているなぁとは思っていたが、そういうことか。
いつの間にか股へ両手を潜り込ませていたんだな。
「油断も隙もないな……確かに千奈美にはメイリンのような遊び道具がないし、そんなにしたいのなら……俺の性欲の処理をさせてやろう」
「あああッ……魔王様ぁぁ……」
千奈美はまた何度か頬擦りすると、頬を舌に変えて根元から持ち上げるように舐め上げた。
俺はその様子を見下ろしていたが、テーブルに置いてあった携帯が震え出したことに気を取られ、思わず手を伸ばしていた。
「はい、もしもし?」
「『まおーーーさまぁぁあああ! 連絡が遅くなってしまってすみませぇぇぇえええん!』」
これは……洋子の旦那さん、だな……。
「い、いえいえ。全然気にしてませんよ。ホントに」
「『おお! 何と寛大なっ!』」
事実を言っただけなんだけどな……。
「『それで例のことなんですが……実は今、ニューヨークにいまして……』」
「え?」
「『型どり現場となるホテルの部屋も一週間くらいは押さえられたんですが、魔王様のご都合はいかがでしょうか?』」
「って言われてもな……」
超暇人ですが、何か?
横目で見た時計もまだ午前の時間を指してるし、今からこいと言われても行けそうな気がする。
「……あの、その手のプロってどんな人なんですか?」
「『AV女優ですよ。魔王様には最っ高の快感で今までにない程勃起してもらわないといけませんから。一人都合がつかなくて四人になってしまったんですけどね……』」
AV女優か。
興奮させるプロってわけか。
画面を通して魅せる性技は、体感ではどの程度のものなのかちょっと気になるな……。
「成る程。じゃあ今から行きますよ。どこのホテルですか?」
場所はニューヨークだ。
ホテルの名前と部屋が判れば、千奈美が案内してくれるだろう。
最悪ケイシーに電話すればいい。
「判りました。じゃ、準備して行きますね」
場所を聞いた俺は電話を切ると、顔中を涎と我慢汁でベトベトにして上目遣いに俺を窺いながら剛直を舐めている千奈美を見下ろした。
「聞いてたか?」
「んはぁッ、ああ……はい……んッ、ッ、ッッ……ああん……」
「なら話は早いな」
陰茎に頬擦りしながら身体中をビクビクさせている千奈美をそのままに、俺はスタッフの口に跨がって陰唇を擦り付けているメイリンを見遣る
「後五分でイかせろ」
「ご、五分ッ……は、はい……ッッッ、御心のッ、ままにぃぃ……ッ……んふぅぅぅッ、んふッ、んふぅッんふぅッんふぅッ……」
間もなく千奈美は粘液の多い口内に魔王棒を迎え入れ、無我夢中でしゃぶり始めた。
洋子の旦那さんから聞いたホテルのロビーに入るや否や、
「ああっ……魔王様っ……」
うっとりと呟いた女が栗色の髪を靡かせて走り寄ってきた。
「えっ? 洋子……?」
目を点した俺は、胸元に飛び込んでくる洋子を受け止めるしかなく……懐かしい気もする香りに包まれながら、靡いた髪が落ち着いていく先に洋子の旦那さんを呆然と捕らえていた。
「いやぁ、どうしても付いてきたいと言うんで……ハハハ……」
旦那さんは頭の後ろを掻きながら、自分の妻が他の男に抱き付いていることを気にする様子もなく歩いてくる。
ハハハ、って笑ってる場合じゃないだろ。