まおーに任命されました。 116
「う、うん、まぁ、エロゲーはやっていいから、法に触れることはもうするな」
いや待て。
日本での十八禁はアメリカではどういう制限になってるんだろうか……。
「畏まりましたぁっ」
俺の懸念を余所にメイリンは元気良く返事をすると、足元まで這ってきた。
「というわけで魔王様、オナニーさせてくださいぃぃ……」
メイリンの腰がもぞもぞと揺れる。
華奢な体に似合わないスーツスカートがずり上がってパンツが丸出しになろうともその動きは止まらない。
上は白いシャツだけという格好のメイリンは、オナニーしたさに四つん這いの肢体を微かに震わせて俺を見上げていた。
「それとこれとは話は別だ。オナニーさせてもらえなくて体を疼かせているところを俺に見せるのもオモチャの勤めだろ?」
「そんなぁ……生き甲斐を引き合いに出されたら何も言い返せなくなりますぅぅ……」
ふっ、俺のオモチャであることも生き甲斐か。
「お強請りするのは自由だぞ? 叶うかは知らないけどね」
「あうう……魔王様ぁぁっ……」
差し伸べた手に呼ばれ、メイリンはソファに乗り上がった。
小脇に抱え込まれると身を擦り寄せ、
「魔王様、オナニーしたいですぅぅ……」
と、顔を上気させる。
「オナニーだけでいいのか?」
千奈美も抱え直した俺は、二人の臀部に手を這わせながらスカートを捲り上げた。
「ぁぁっ、魔王様……オナニーでイかせてください……」
千奈美は瞳を切迫させ、尻を這う手に腰を捩らせる。
「あんっ……魔王様ぁぁっ、オナニーしてイきたいです……ずっと我慢してるんですぅぅ……」
メイリンもオナニーだけでは辛くなると気付き、尻を撫でる手に吐息を洩らしながら顔を迫らせた。
左右から寄ってくる顔の間に視線を下ろした俺は、
「おいっ、下がれ」
残滓処理から奉仕に転換させていたスタッフは、その一言を受けて名残惜しそうに口内の愚息を解放した。
「ああんっ、魔王様ぁ……性処理させていいただけるんですかぁ? はああぁぁ……」
「んぅぅっ……オチンチン舐めてもいいんですかぁ?」
唾液塗れでてらてらと光る魔王棒に千奈美もメイリンも淫獣の如く瞳をギラギラ輝かせる。
「オナニーはいいのか?」
「はあぁんっ……私の快感なんて……」
「魔王様に快感を与えられることに比べたら……ああぁ……」
「「二の次ですぅ……」」
「ふっ……でも今はお前達の仕事じゃないんだよなぁ。おいっ」
浴室の前に控えている肉布団の三人を呼び寄せると、嬉しそうに従って股座で身を寄せ合う。
「お前達がイかせろ」
「「んはぁんっ、魔王様ぁぁっ……ありがとうございますぅぅ……」」
早くも恍惚を浮かべて舌を伸ばしていく三人のスタッフ。
そうして始まったトリプルフェラに、両脇の二人は身をくねらせて悶絶していた。
「千奈美とメイリンは舌フェラな」
「んああぁっ、魔王様ぁぁ、気が狂いますっ、ぅぅ……んはあああ……」
「魔王様の意地悪ぅぅっ、おかしくなっちゃいますよぉ……はふぅんっ……」
存分に身をくねらせながらも二人して舌を伸ばし、俺の舌をねろねろ舐め回すしか選択肢はない。
俺は押し寄せる性欲の高ぶりに肢体を踊らせる二人の尻を撫でながら、肉棒へのトリプルフェラから快感を受けてただただ射精感を膨らませていった。
「で、何でこうなるんだ……?」
左からすりすりと身を寄せてくるメイリンに一応は手を回しながら、俺は窓の外を見遣った。
「ですからぁ、あたしはニューヨークの土地勘が全然ないって言ったじゃないですかぁ。最新のパソコン機器とか見て回りたいなぁって思ってたところなんですよぉ」
「でも今日じゃなくて良くね?」
「ですが、充電器がなければ携帯の電源が入りませんし、グローバル設定もできないですよ?」
と、千奈美がルームミラー越しに視線を向けてくる。
そう、ここは車の中。
携帯をグローバル設定にしようと電源ボタンを押してもうんともすんとも言わず、あっ……と思えば充電器もなく……。
学校から帰ってきたその足でアメリカに連れてこられたので、カバンの中には教科書の類いしかなかったのだ。
千奈美が買ってこようかと申し出たが、時差ボケを直すいい機会だと俺もついていくことにしたのだった。
「それは判ってるけどさ……」
「おおっ! エロゲーもたんまり買い込んどこっと。ルンルンルーンっ」
なにこのマイペース……。
「買ったものなら違法じゃないですもんねっ、魔王様っ」
「そりゃそうだけど……簡単にオナニーの許可はやらねーぞ?」
「はうう……」
メイリンは項垂れた……と思ったのも束の間、腿の辺りを指先で撫で
「ねぇ、魔王様ぁ……もし暇なら、オモチャで遊んでくださいませんか?」
「媚びる作戦か?」
「はい。魔王様の暇潰しもできて、オナニーもさせてもらえる……メイリンは幸せすぎます……」
「オナニーはできなかもしれないぞ?」
ぐっとメイリンを抱き寄せる。
俺の顔が目と鼻の先にまで迫ったメイリンは、
「んはぁ……例えそうでも……オモチャとして使っていただけるなら、幸せです……」
と、太腿に滑らせていた手を股間へ遣り、ズボンの上から撫で回す。
その時、突然の急ブレーキに車は止まった。
「はぁっ、はぁ……魔王様、私、疼きに耐えられず事故を起こす自信があります」
「め、メイリン、大人しくしとこうか……」
「は、はいっ、御心のままにっ……」
そして、車は静かに発進した。