まおーに任命されました。 115
「それに比べて募金というのは、人々の善意に頼る分、予算が立て辛いということが言えます。順序として、募金を集めてから何にどうを使うかを決めることになり、建てたい物が建てられないといった問題が出てくるでしょう」
しゃぶり上げられた陰茎が今度は裏筋を舐め上げられ、その感触は徐々に下へと下がっていく。
そして、予想通りに陰嚢に舌が這い回った。
「ですが、募金といっても魔王様へ繋がるお金ですから、一人一円で考えても六十億は集まるでしょうか」
「ろっ、六十億!?」
俺の驚愕を余所に、スタッフは目の前の魔王棒を快感で満たすことに全神経を注いでいた。
玉を一つずつねっとり舐め上げ、吸い付き、弾く。
ころころと転がしたり、口唇で擦ったり、玉裏までしっかりと舌を伸ばしたり、兎に角休む隙がない。
「就労人口を考えればもう少し減りますが、しかしこれは一人一円と仮定した場合の話。著名人やセレブの域になってくると、一人で何百万とか何千万、もしかしたら何億という単位でも有り得ます。どちらかというと、一人あたりの上限を設けた方が賢明かと……」
玉を唾液塗れにしたスタッフの舌が裏筋を上ってくると、再び逸物は先端から咥え込まれていく。
口内の温もりがスルスルと根元まで下りてきて、シュッとエラの際まで戻るとともに鋭い快感を走らせると、それを何度も繰り返し始めた。
「それに、善意といっても後宮を建てるために集めるお金……復興支援や命を救うことために集められるお金ではありません。魔王様は、人々の善意に対して何かしらのかたちで還元するよう努められた方が印象も変わってきますし、支持も一層上がると思われます」
「例えば?」
「えーっと……より多く女性に種付けの機会を与えるとか、後は……」
歯切れのよかった千奈美があからさまに言葉を詰まらせる。
ここからはケイシーの出番ということだろう。
こういう話はケイシーと千奈美を同席させた方がスピーディーに進むのか。
「ありがとう。大分参考になったよ」
「そんなっ、勿体無いお言葉……んふぅぅぅ……はああッ、魔王様ぁぁ……んふッ、んふぅッ……」
接吻すると、やはり千奈美は脱力しきって舌を絡める。
互いの口で熱く湿った音を紡ぐうちに千奈美の顔は恍惚としていき、甘えるように寄り掛かってくる。
「ふぁぁッ……魔王様、私……体が蕩けそうです……んッ、んふぅぅぅッ、あはぁぁぁ……」
唇を触れ合わせての舌の舐め合い。
ぬめぬめを絡め取って塗り付けるようなねちねちしたディープ過ぎるキスに、千奈美は内腿を擦り合わせて欲情を示している。
その傍の股座では、スタッフが頭に手を置かれた状態で陰茎を埋めきり、次の瞬間には背筋を跳ね上がらせていた。
「んぐぅぅぅーーッ、んくんっ! んくっ! んくっんくっんくっ……」
「んふぁぁぁっ、魔王様、オナニーさせてくださいぃぃ……」
ゴクゴクと聞こえてくる喉の音に堪らなくなったのか、千奈美は息を荒らげて懇願した。
「飴には鞭が付き物だ。俺はただ優しいだけじゃないんだぞ?」
「ああぁ……お許しくださいッ、んふぁんッ、はあんッ……はふぅんッ……んんんぅッ……」
唇を奪った俺の先程とは全く異なった激しいキス……舌に吸い付いた上での甘噛みや、舌の裏まで及ばせた舐め尽くし、口蓋までも貪って、決め手に唾液を流し込むといった数々の仕打ちに、千奈美はなされるがままの状態で内腿を頻りに擦り合わせ、発情の様相を示すことしかできない。
そんな中でもスタッフは長い長い射精を口で受け止め、うっとりしながら胃の腑へ飲み込んでいく。
そんなことになっているスイートルームに、なんと、メイリンが飛び込んで来たのだった。
「おおっ! 魔王様、起きてたんですかっ」
「ん? メイリンか」
唇を離すと、千奈美はソファと俺の腕に身を委ねきって、悶絶するように内腿を擦り合わせていた。
「パソコン弄ってたんじゃなかったのか?」
「それが一段落したんでぇ、オナニーしたいんですっ」
「お前もかよっ。しかも突然だし」
苦笑を浮かべる俺に、四つん這いになったメイリンが長いツインテールを引きずりながら這ってくる。
「だってぇ、やっとエロゲーに集中できるようになったんですよ? なのにオナニーできないとか生殺しじゃないですかぁ」
「また似たようなことを……」
「え?」
メイリンは首を傾げ、目をぱちくりさせる。
とても愛らしい仕草だ……例え四つん這いでも。
「いや……。それより、そのエロゲーっていうのはどうやって入手したんだ? パソコンに張り付いてたんだろう?」
「違法ダウンロードですぅ。あたし、ニューヨーク全然判らないんで。テヘっ」
「テヘっ、じゃねーよ。そういうことからは足洗えって」
「ううぅ……魔王様に言われたら仕方ないですねぇ……。ああっ、あたしの生き甲斐が一つ減ってしまった……」
「大袈裟な……。ハッキングってそんなに面白いのか?」
「いーえー、エロゲーの方ですっ」
ズルッとコケそうになったものの、千奈美やスタッフが体に纏わり付いてなんとか免れた。
「ハッキングは生き甲斐じゃなくて暇潰しですよぉ。仕事としてやってたら、ケイシーに保釈金を出してもらわずに済んでたかもですけどねぇ」
こいつ絶っ対反省してねー……。