まおーに任命されました。 114
呼ばれたスタッフは俺の前で跪くと、当たり前のように愚息を咥え込んでいった。
このスタッフは“小”の方なのだ。
「んっ……んくっんくっんくっ……」
間もなく迸った小水を小便器のスタッフが嚥下していく。
その瞬間から引き気味にしている腰をゾゾゾっと細かく震わせ、瞳をうっとりと濡らしていた。
「大分慣れたようだな」
小便器になった当初は、俺が出したものを飲むという行為に感じすぎてポロリと出してしまっていたこのスタッフ。
一日に何回も、数日間に渡って小便器として使われ続け、コツでも掴んだのだろう。
「んくっんくっ……んふぅっ、んっ、んくっ……んっく……」
奔流後の残尿啜りも自然に行うまでなり、俺が言わずとも萎えた肉棒をすっぽり呑み込んで根元から確実に搾り上げていく。
そして、風呂場の肉布団三枚が戻ってくるまでの間の性処理へと変換させていくのだが、この日は変化があった。
「あ、魔王様。起きてらっしゃったんですか……」
と、パリっにカチっと状態の千奈美が部屋に入ってきたのだ。
千奈美は俺の姿を見ると直ぐに四つん這いとなり、静かに掃除をしている大便器のスタッフに気を配りながらオモチャとして這って来るのだった。
「千奈美こそ、下見は良いのか?」
「今できることはやり尽くした感じですかね……次はメイリンの見解が纏まり次第といったところです」
「へぇー……ま、座れよ」
千奈美は一瞬面食らったようだが、そろそろと身を起こすと困惑気味に横へ掛ける。
「どうした?」
「あ、いえ……こんな風に扱っていただけるとは思ってなかったので……ひゃッ」
肩に腕を回して抱き寄せると、千奈美は短い悲鳴を上げて困惑を深める。
「お前も、俺をただの鬼畜だと思ってたのか?」
「え? んんッ……んふぅ……」
千奈美は突然のキスに驚きはしたようだが、数秒もすると体から力を抜いて身を寄せてくる。
最早自然と胸板に手を置いて、唇を押し返しながら舌を捩じ込み、俺も舌を捩じ込んで、絡め合う。
その間も股座では当然の如くスタッフが逸物をペロリペロリと舐め回している。
「んああ……魔王様ぁぁっ、狡いです……」
リップで瑞々しさ際立つ唇に艶が加わっていた。
レンズの向こうにある瞳とトキメキを表すようにキラキラ輝いていて、まるで……
「狡い? 何が?」
「何がって……急にこんな、優しい……キス……」
まるで、恋にでも落ちたかのように、キリリと引き締まったインテリチックを乙女チックに染め上げている。
「何? 惚れたとか?」
「っ!! そそそ、そんなそんなっ、私はオモチャで魔王様は魔王様で、私は魔王様の目に適うような女でもなく、種汁けしていただければ十分幸せで、何かの間違いに後宮に入れていただけたらなんて差し出がましいことはこれぽっちも……ハッ、すみません! 長々とどうでもいいことをっ、うぅぅ……」
と、千奈美の暴走は自己嫌悪を思わせる唸りで終わりを迎えた。
甘々なことにはあまり免疫がないらしい。
「……お前、可愛いな」
「ほぇぇぇ!?」
「こう、気の強そうな人と付き合ったことがないからさ……成る程ね、恋人になるとこんな感じになるのかぁ……」
ギャップ、というやつだろうか。
インテリチックから乙女チックに変わった千奈美には、オモチャのときのエロチックにはない、チクチクっといった興奮があった。
しかしそれも股座のスタッフの吸茎によって明瞭な性的興奮に変わり、更に快感へと変わっていく。
「こっ、こここっ、恋人!? い、いえ、いえいえ、私はただの女の一人で魔王様は魔王様で、私はオモチャで魔王様は魔王様で、私は魔王様の孕ませ穴で魔王様は魔王様で、私は……──」
にしても独走が激しいな、千奈美のやつ。
頭の中ではどんな妄想が展開されているんだろうか……。
普通の時はインテリチックな見た目と変わらない、デキる女。
元社長秘書だったかな?
他にもケイシー曰く、リスクマネージメントとか提案を改良する能力が高いとかとか……。
「……なぁ、千奈美」
「──……ハッ、はいっ、何でしょうか?」
「後宮を建てる資金を集める方法として、ケイシーが魔王税を課すとか募金を集めるとかいう案を出してくれたんだけど、どう思う?」
「……はっきり言いますと、魔王税というのは現実的ではありませんね」
千奈美は赤い顔を落ち着かせ、身を離そうとする。
しかし俺が抱き寄せ直すと一瞬息を呑み、ぽっと朱を深めながら蕩けるように肩へ頬を寄せた。
「で?」
「あっ……はい。魔王税というかたちにしてしまうと世界各国に課す必要があり、今の税制で苦しむ国では更に負担が掛かることになります。特に魔王様に関わるお金ですから、ないところから捻出しようとして、最悪、犯罪の引き金になりかねません。国単位で税を敷いても、結局は国民から吸い上げることになりますからね」
まだ赤面が治まらない千奈美がレンズの向こうから俺を見つめ返して話す中、股座のスタッフは肉柱を咥え込んで子種を誘い出そうと必死に吸い上げている。