まおーに任命されました。 11
「ああぁ……はい、頑張ります……」
この際早苗と恵ちゃんも採用ということにしとこう。
もう面接したも同然だし、二度手間だ。
それに、吉田一人だけだと飽きる……じゃなくて、疲れるだろうしな。
面接か……楽しみだな。
そんなこんなで、放課後になりました。
面接に関しては、次の日曜日に行うという旨をプリントで通知された。
何時の間にか段取り良く進んでるわけですね……吉田に脱帽。
日曜日に女子だけ登校する理由、ご奉仕係内容、面接に関する規定等が書かれていた。
恵ちゃんを性処理に使うんだし、女教師枠も作るか。
それは明日伝えるとしよう。
「でさ、かーくんがヤらせろヤらせろって五月蠅いから『まおー様の子供が出来るまではまおー様専用なの!』ってアソコ蹴ってやったのっ」
うわー……痛そう……かーくんゴメン。
「つーか、彼氏なんだからヤらせてやったらいいんじゃね?」
「何言ってんの!?」
早苗は血相を変えて俺の顔をのぞき込んでくる。
「もしできてたらどうするの!? かーくんの精液で溺れちゃうよっ」
何で中出し前提なんだよ……。
「ゴムは?」
「だーめ! 衝撃で流れちゃうかもしれないじゃんっ」
「確かに、それは聞いたことあるな……。じゃあ早苗をご奉仕係にしてもソコは使えないのか」
「あん……それは別だよぉ……。魔王様の子供なんだから、自己責任で、ね?」
ね? って何?
「でもまずは作らないと。確実にできるように一杯注いでよ?」
こいつ、こう見えても今日ロストヴァージンしたばかりの女子高生なんです。
ホントなんです。
「で、子供ができたら産むまでまおー様専用の体になるし、他の誰かに汚される心配もなくなるってわけ」
かーくんが可哀想になってきた……。
「できるといいな。まおー様の子供……」
と、早苗は下腹部をさする。
駅のホームで。
そう、今俺達は帰りの電車を待ちながらこんな話をしていたんです。
同じく下校時間を迎えた女子中高生や大学生、主婦らの熱い視線を受けながら。
今となってはその理由も判ってるし、満更でもない。
こいつら皆俺の子種を欲しがってるのか……。
勿論男も姿もあるし、あからさまなアプローチはして来ないみたいだけど。
向かいのホームからもチラチラと熱視線をもらう中、アナウンスが流れ始めた。
「『四番線に○○行き急行の電車が参ります。危険ですから、白線の内側までお下がりください。なお、六両目の女性専用車両に魔王様が乗られた場合、魔王様兼女性専用車両となります。種付け可能な女性の方は、慌てず争わず落ち着いてお乗りになってください』」
…………は?
魔王様兼女性専用車両?
何それ?
「ほら、行こ?」
「って、どこに!?」
早苗に手を引かれ、コンクリートに「平日女性専用車両」と書かれた場所まで連れてこられた。
しかも順番無視の先頭に割り込むという……。
ホームに入ってきた電車は、目の前に止まった車両だけブラインドが下ろされている。
全部の窓に……。
そして、ドアが開いた。
「え? 嘘!? 何で何で!?」
出て来る人の波に逆らって早苗に押し込まれた。
女性専用車両ですよね?
出ようにも、不自然に集まった女性の波が流入して来て逆に中央へ流される。
暫くして、電車は動き出してしまった……。
「……早苗?」
「なぁに?」
あれだけぎゅうぎゅう詰めだったのに、俺の周りだけ僅かにスペースが作られている。
「事態が呑み込めないんだけど……」
「ねぇ、ホントにどうしちゃったの?」
早苗は目をパチクリさせる。
「魔王様兼女性専用車両。種付けする車両だよ?」
「ここで?」
見回した車両内には女性しかいない。
そりゃそうだ。
女性専用車両なんだから。
でもよく見ると、年齢層が十代から四十代の人しかいない。
閉経を迎えてそうなお年寄りや、逆に初潮を迎えていなさそうな○S以下の姿は見られなかった。
「あれが魔王様?」
「なんかオドオドしてるよね……思ってたのと違う……」
そんなヒソヒソ声が聞こえてくる。
「……まおー様」
突然早苗が俺のシャツのボタンに手を掛ける。
「お、おいっ……早苗っ……」
「いいからいいから」
ササッとボタンを外してしまった早苗にシャツを半分脱がされる。
半分、と言うのは、肩を出す程度って意味だ。
「見て見て……魔王の紋章……」
「あれって、真似すると禁固五○○年っていう、アレ?」
「うそっ……そんなの堂々見せるってことは……」
「「魔王様ぁ……」」
一斉に猫撫で声が上がった。
コレは印籠かっ!
「魔王様ぁ……是非お使い下さい……」
シートに座る何人かが狭い中で脚を絡め合いながら股を開く。
「んはぁんッ、こっちも見てぇ……」
言われたとおり視線を動かすと、蠢く女体が俺を誘惑している。
「……いいんだな?」
「勿論。まおー様だもん。電車乗ってる間の暇潰し程度に思ったらいいんだよ」
早苗は後ろへ回り込むと、シャツを剥ぎながら
「あんまりガッカリさせないで? まおー様はまおー様なんだからしっかりしなきゃ」
と耳打ちする。
成る程……統率力ですね?
この先驚くことがあってもあからさまに動揺せず、さり気なく詳細を聞くことにしよう。
取り敢えず魔王様兼女性専用車両ってのは、俺のハーレム車両ってわけだな?
「お前とお前、来い」
片手でスカートを捲りパンツを丸出しにしている女子高生を呼び寄せた。
青いブレザーと白いプリーツスカートってことは正蓮女子高の子だろう。
「セイレン」、ね……。
「種付け準備だ。くわえろ」
「はいぃ……」
茶髪の巻き髪は跪き、ジッパーを下げていく。
赤い顔で此方を見上げながら。