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落ちぶれ魔王のハーレム生活
官能リレー小説 - ハーレム

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落ちぶれ魔王のハーレム生活 46

地面にたたきつけられた少女は呼吸することすらままならず、苦しそうに咳き込んでいる。
それをノルは呼吸が落ち着くまでゆっくり待ってやる。
また攻撃してくるのならそれでもいい。またねじ伏せてやるだけだ。
彼はまさに王者の風格で白い少女の回復を待つ。
それから数分後。ようやく呼吸が整ってきた少女が相変わらず敵意に満ちた瞳を向けたまま、初めてその口を開いた。

「・・・なぜ、私を壊さない?私を壊す、絶好のチャンスだったはずだろう?」

初めて聞く少女の声にノルは一瞬虚を突かれたかのように目を見開く。
しかしすぐにいつものような明るい笑顔にとって変わった。

「へー。キミ、そーゆー声してたんだー。初めて聞いたけど、うん。いい声してるね」
「ふざけるなっ!質問に答えろっ!!」

侮辱されてるとでも思ったのか、少女は激昂して質問の答えを求めた。
今度ふざけた答えを出せば、間違いなく彼女はノルの命を狙ってくるだろう。
せっかく声を聞けたのに、それはあまりにももったいない。
ノルは質問に答えてやることにした。

「んー、理由は特にないよ。勝てないとわかってるのに、それでもボクを殺そうとしてくる女のコの顔を見たかっただけ」

その答えに少女の目にさらなる殺意が一瞬宿ったが・・・すぐに落ち着いて消えてしまった。
だが完全になくなったわけではない。あくまで感情的に殺しにかかることがなくなったということだ。

「・・・理解できんな。そこまでわかっていて何で私を破壊しない?私を懐柔でもしようと言うのか?」
「んー。半分だけ正解ってところかな。
 キミみたいなタイプは今まで出会ったことないから、簡単に殺したくないんだよね」
「はっ!お笑い草だな。どんなことをしようが、私がお前になびくことは決してないぞ?
 命のある限りおまえを狙い続けてやる。それが私の存在理由なのだからな」

その言葉に魔王はこらえきれない様子でクックッと笑う。

「なかなかおもしろいことを言ってくれるじゃないか。折れた勇者の剣の分際で」
「―――!貴様、そこまで・・・!」
「わからないはずないだろ?
 毒もないのに切りつけた魔物の身体を焼くなんて、神聖属性でもない限りできるはずないし」

そう。彼女の正体は海岸で姿を現し、折れた勇者の剣。
この世界に残された、神の祝福を受けた伝説の剣であった。

「ちょっと考えればわかることさ。
 こっちは君がここに来るよりずっと前からこの世界で暮らしてるんだよ?
 自分たちの脅威となるものがあるかどうかなんて、真っ先に調べそうなものじゃないか。
 それに・・・って、うおうっ!?」

自慢げに語り始めた魔王ノルミクトゥにみなまで語らせず、斬りつける折れた聖剣の化身。
不意打ちで仕留めそこなった白の少女は、手数に物を言わせて攻め立てる。
だが相手は腐っても魔王。こんな不利な状況にいちいち付き合ってやるほどお人よしではなかった。
とっさに右手で火の玉を1コ作りだし、少女に向けてかざした。

「こ・・・んのぉっ!」

それを放つと読んだ少女はすぐさま攻撃の射線上から移動した。
だがノルの攻撃は少女の読みの1歩上を行っていた。
放たれると思われていた火の玉はドロリと形を崩し、まるで洪水のように大量の炎をあふれさせたのだ。
てっきり一直線な攻撃とばかり思っていた少女は、あわてて距離を取って回避する。

「うわたっ!?うわたたっ!出過ぎ、出過ぎ!
 あのコまで燃やしちまうだろっ!?」

少女が浅瀬まで避難する中、ノルはあわてたようにあふれ出た炎を制御する。
ノルは少女の予測していた通り、本当は牽制のつもりで火の玉を撃つはずだったのだ。
しかし発情期によってコントロールしきれないのか、あたり一面を火の海に変えかねないほどの炎をぶちまけてしまったのである。
ノルのあわてた様子に、白い少女は警戒を強めると同時に1つの光明を見出していた。
彼が自分の力を持て余していることを理解したのだ。
相手がすべて一撃必殺の全力攻撃を仕掛けてくるとわかれば、対処のしようなどいくらでもある。
少女は火の勢いが弱まると同時に再度攻撃を仕掛けてきた。

(チッ!こっちが自分の力を持て余してると見るや、また攻撃かよ!
 ホント、私を殺すことしか考えてねーのな!)

ノルは心の中で悪態をつきながら、迫りくる少女を迎え撃つ。
折れた剣である白い少女の武器は見たところ、あの手刀のみ。
それを封じてしまえばこっちの勝ちだとその手を伸ばす!
少女はそれを邪魔だと言わんばかりに右手を横に振って薙ぎ払いにかかる。

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