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落ちぶれ魔王のハーレム生活
官能リレー小説 - ハーレム

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落ちぶれ魔王のハーレム生活 1


ゴオォ・・・・・・

燃える。真紅の炎に包まれて、気高き城が燃え盛る。
ここは難攻不落と言われた魔王の城。
今、この城はたった4人の人間の手によって落とされようとしていた。
しかし話の舞台は最後の決戦が繰り広げられている城の最上階ではない。
話の舞台はその逆。城の最下層に位置する大広間からこの物語は端を発する。

「・・・始まったようですね。ではこちらも始めましょう」

暗い地下の大広間で、イブニングドレスに身を包んだ妙齢の女性がそうつぶやく。
おもむろに両手をかざし、呪文を唱え始めた。
するとそれに呼応するかのように部屋中が輝きだす。
地下室は光に覆われ、その全貌をあらわにする。
壁・床・天井のいたるところに不可思議な模様が描かれており、女性が呪文を唱えるのに合わせて、それはさらに強く光を発する。
女性の前には部屋の中央には大きな凹みがあり、その中にはメイド服を着た女性や鎧姿の騎士など、数十人の魔物がいた。
そして彼らの中心には、この異常事態の中、昏々と眠り続ける黒衣の若者が、いた。

****

その頃、城の最上階では。
異変に気づいた勇者たちが驚きの声を上げていた。

「なっ、何・・・!?、この急激な魔力の高まりはっ!?」
「くっ、魔王!貴様、いったい何をしたァッ!?」

慌てふためく勇者たちの様子に、魔王は血まみれの壮絶な笑みを浮かべて答える。

「く、くっくっくっ・・・。我が妻である魔王妃が転送儀式を行っておるのよ!
 我が息子が力をつけ、再びこの世を闇に満たすためになァッ!!」
「何ぃッ!?」
「くっ・・・!魔王はオレが抑える!おまえらは儀式を―!」
「ムダだ!今から行ったところで間に合わぬわ!
 さあ、我とともここで死に絶えるがいい!!」

そう言いながら襲いかかる魔王の顔は敗者のそれではなく。
自分の役目を果たした勝者の笑みを浮かべていた。

****

オオオオォォォ・・・!!

再び地下の大広間。
魔物の希望の種を転送する儀式は最終段階を迎え、後は彼らを勇者たちの手の届かぬ場所へ送るだけとなっていた。
妙齢の女性、魔王妃は最後の段階に至り、優しいまなざしで我が子を見つめた。

「・・・・・・・・・」

この儀式が終われば、おそらく彼女が生きて息子と出会うことはないだろう。
魔王妃は惜しむように我が子の顔を見続ける。
だが。いつまでもこうしてはいられない。
魔王妃は母の顔から魔王の妻へと表情を変えると、最後の魔力を両手に送り込む。

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