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落ちぶれ魔王のハーレム生活
官能リレー小説 - ハーレム

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落ちぶれ魔王のハーレム生活 31


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「はあーっ、はあーっ、はあーっ・・・!」

その頃。ゴーレムメイドたちから逃げ出したノルは、荒い呼吸を繰り返しながら森の中を歩いていた。
最初はゴーレムメイドたちから逃げるための移動であったが、その目的は徐々に変わりつつあった。

「み・・・ず・・・。みず・・・水・・・水・・・!」

そう。今の彼は水を求めて森の中をさまよっていた。
魔力を爆発させて脱出した直後は、自分の予想以上の魔力にゴーレムメイドたちの心配すらする余裕を見せていたノルであったが、今はそんな余裕など微塵もない。
身体は火のように熱く、のどが焼けついたように渇いている。
いや『ように』ではない。実際ノルの身体は異常な体温を発している。
その証拠に全身から煙が立ちこめ、彼の足跡は焦げて真っ黒になってしまっている。
このまま放置すれば、彼は全身から発火してこの森をすべてを焼き尽くしてしまうことだろう。
そんなとき。水を求めて歩くノルに幸運が舞い降りた。
ついに長い森を抜け、砂浜の海岸までやってこれたのだ!
本来塩水を大量に飲むのはよくないことなのだが、今のノルにはそんなことに気を使う余裕すらなかった。
文字通り爆発的なスタートを切って海岸に向かって走り出した。

(水!水!!水!!!!)

一陣の風となってノルは海に向かって走る、走る、走る。
一歩進むごとに地面が弾け、ぐんぐん速度を上げていくが、そんなことなどお構いなし。
砂浜にたどり着いたノルはそのまま滑り込むように海に向かってダイブした。
その動きはちょっとしたミサイルか何のよう。
そして海に入り込んだノルは狂ったようにその渇きを潤す。
そこがもっとも危険な場所だとは知らずに、ただひたすら。

「ノル様っ!?」
「ノルッ!?おまえ、一体何やってんだ!?」

その時だった。ノルの頭上から聞き覚えのある声が聞こえてきた。
ノルが上を向くと、ちょうど空から2名のメイドが降ってきていた。
音も立てずに着地した2人のメイドはミーシャとリタ。
緊急警報が出た後、2人は斥候としてこの砂浜にやってきたのだ。
人魚が見たと言う異常事態より先に、自分たちの主人のほうを先に見つけてしまったわけだが。
しかしある意味では運がよかったかもしれない。
彼がこの島に来た脅威と鉢合わせする前に、島唯一のオスを回収できたのだから。
2人はとにかく海水をガブ飲みという、明らかに身体に悪そうな行為をやめさせるべく海へと足を進める。
しかし肝心のノルの反応は今1つ鈍い。
2人をちゃんと認識しているかどうかすら怪しい。
ミーシャとリタが動こうとしない主人の両腕を押さえて海から引きずり出すと、急いでノルの意識を確かめる。

「おいッ!大丈夫か!?しっかりしろ!ったく、バカなことしやがって・・・!」

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