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落ちぶれ魔王のハーレム生活
官能リレー小説 - ハーレム

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落ちぶれ魔王のハーレム生活 29


バキィンッ!

穴は白い剣を真っ二つにへし折った。
そしてそのまま小さくなった穴はその場から消滅した。
紫色の電撃は、穴が消えた後も折れた刀身を惜しむかのようにその場に残っていたが、やがてその光も姿を消した。
再び戻ってきた静寂。響くは砂浜に打ち上げられる波の音。
残されたのは1本のへし折られた白い刀身。
それだけが先ほどまで起こっていた事象が夢幻でないことを証明していた。

――――

『ッ!?』
「な、何だこのイヤな気配とものすごい魔力はっ!?」

その頃。屋敷で会議を開いていた各エリアの魔物たちは、島全体を揺るがしかねない予兆を感じ取っていた。
おそらくものすごい魔力というのは、初の発情期を迎えたノルのこと。
イヤな気配というのは海岸に落ちた折れた剣の刀身のことだろう。
ただでさえ魔物として大人になったノルをもてあましそうだというのに、さらに問題がやってきたのはまさに不幸・災難としか思えない出来事であった。

コンコンッ、

「イリーナ様、よろしいですか?
 ただいま屋敷にお客様方にご報告したいことがあるという方が、2名ほどいらっしゃっております」
「・・・っ、すぐに通しなさいっ!」
「かしこまりました」

ゴーレムメイドが扉の向こうからいなくなって数分後。
議場に2人の魔物が通された。
1人は海岸に起きた異常事態を見ていた人魚。
もう1人はノルの発情期を抑えるために洞窟に行ったはずのゴーレムメイドであった。
人魚は下半身を魚のそれから人間の足に変えていたが、やはり移動には不便らしく、屋敷のゴーレムメイドに支えられている。
だがそんなことは隣のゴーレムメイドに比べれば、はるかにかわいいものだろう。
主の元に帰還したゴーレムメイドは右腕を失い、そこを中心に全身いたるところにヒビが入っている。
部屋に入るなり右足が砕け、彼女という存在が消滅寸前であることが嫌でもわかった。

「・・・何があった?ゴーレムから順に、簡潔に答えろ」
「申し・・・訳、ありま・・・せん。ノル様、の封印に失敗、しました・・・」
「わ、私は海岸で出た次元の穴から、恐ろしく白い剣が出現したので、ご報告に・・・」
『・・・ッ!!』
「何ということ・・・。」
議場は騒然となる。
「で、でも、お父様の周りには非常冷凍用の液体窒素タ、タンクを置いてあったはずじゃあ・・・・・。」
セレーナが慌てて口走る。
「それ、が・・・・・私たちも、タンクを非常解放して冷凍を図ったのですが、ノル様は極低温下に置かれた為に、極限状態から凄まじい力に目覚められ・・・・・」
そこまで言ったところでゴーレムメイドは風に吹かれる砂のように、メイド服を残してさらさらと消滅した・・。

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