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落ちぶれ魔王のハーレム生活
官能リレー小説 - ハーレム

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落ちぶれ魔王のハーレム生活 28

しかし拘束を破けず、自分の叫びも聞き届けられないことを悟ったノルは、事ここにいたってようやく暴れることをやめた。

(くっそ〜。ボクの病気を治してくれるかと思えば、いきなり人のことを蓑虫みたく縛り上げやがって〜!
 見てろよ〜、身体が回復したらすぐ・・・に・・・っ!?)

仕返ししてやる。そう思ったその時だ。
急に息がつまり、身体の奥から熱い何かがこみ上げてきた。
ついにノルが人生初の発情期を迎えようとしていたのだ。
ノルの身体に異変が起こり始めたその頃。
島のある砂浜でもある異変が起ころうとしていた。

パリッ・・・パリパリッ・・・

何もない砂浜に静電気のような、小さな音が響く。
それはいったい何の音か――――そう思われたその時。

バリッ!バリバリバリッ!

突然音量が大きくなり、砂浜に劇的な変化が起こった。
何もなかったはずの空間に黒い小さな円が出現し、周囲に紫色の電撃を撒き散らし始めたのだ。
それは突然現れた黒い円のせいで、世界に亀裂が入ったかのような、または黒い円を世界が拒絶しているかのような、そんな光景であった。
黒い円は不規則に縮小とそれを上回る拡大を繰り返しながら徐々に大きくなっていく。
紫色の放電もそれに合わせて激しくなっていく。

バチッ!バチバチッ!

そんな中、この異変に気づいた1人の人魚が、海面からひょっこりと顔を出す。
たぶんちょっとした野次馬根性でのぞきに来たのだろう。
しかしその現場を目撃した瞬間、人魚の顔は一瞬にして青ざめた。
なぜなら。砂浜では彼女にとって忘れようもない、忌まわしいモノが顔を覗かせていたのだから。

「そ・・・んなっ・・・!?『あれ』は・・・『あれ』は・・・ッ!?」

彼女に恐怖と驚愕を与えたモノ。
それは黒い円から生えている、複雑な文字のような装飾の施された真っ白な刀身だった。
それはかつて幾多の同胞の血を浴びてなお、その白さを失わなかった神聖なる刃。
先代魔王さえも葬ったとされる勇者の剣の刀身であった。
危険極まりないものを見た人魚は、あわてて水にもぐってその場を後にした。
逃げたのではない。この緊急事態を伝えるべく立ち去ったのだ。
人魚がいなくなった後も、剣はその姿を完全に現そうとゆっくりと刀身をあらわにしていく。
しかしここでまた異変が起こった。
周囲で巻き起こっていた紫色の放電が強くなったかと思うと、剣の出ている黒い穴が収縮を始めたのだ。そして・・・。

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