落ちぶれ魔王のハーレム生活 27
「博士っ!?それを鎮める方法はないのかっ!?」
「一応鎮静剤を投与した上でゴーレムたちに監視させているが・・・。
私にもどうしようもない。もし目覚めれば、この島中の女という女が孕まされるだろう・・・」
「そ、そんな・・・。今島中の女を孕ませられたら、普段のノルを止めるものがいなくなってしまう・・・」
思わぬ展開にがっくりと意気消沈する代表者たち。
このときには誰も予想していなかった。
ノルの発情期を鎮めるための『生贄』の魔手が、ゆっくりとこの島に近づきつつあることを。
――――
その頃。人生初の発情期を迎えつつある魔王はというと。
「出せ〜っ!ボクをここから出せ〜っ!」
島の岬にある洞窟で手錠をかけられ、鎖でぐるぐる巻きにされた状態で閉じ込められていた。
もちろんまわりにはゴーレムメイドたちが厳重に監視していた。
「ボクがいったい何をした〜っ!?むしろボクの病気を何とかしろ〜っ!!」
「申し訳ありません、ノル様。博士のご命令により、しばらくはその状態でここにいてもらいます」
ゴーレムメイドたちの冷たい言葉。とても魔王であるこの少年を敬っているとは思えない、非情な光景であった。
周りには魔族はおらず、ゴーレムばかり。
ノルが本気で念を放てば、それにあてられた魔族の者は言うことを聞いてしまいかねないのだ。
さらに、ノルの近くにはいくつものボンベがあちこちに配置されていた。
万一の場合にはこのボンベを開いて液体窒素でノルを冷凍冬眠させるよう、ゴーレムメイドたちは命令されていた。
確かにノルは自分たちよりも強く、自分たちの創造主が子供を作るために必要不可欠な相手だ。
ゴーレムメイドたちもそのことはよく理解している。
しかし女の形をしているとは言え、所詮は人形。
性のない彼女らにとって1番大事なのはノルではなく、自分たちに命を吹き込んだ創造主(女)たちであった。
忠実かつ冷徹なゴーレムメイドたちへの復讐を誓いながら、ミノムシ状態のノルはその場でじたばたともがき暴れる。