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落ちぶれ魔王のハーレム生活
官能リレー小説 - ハーレム

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落ちぶれ魔王のハーレム生活 25

事の内容が内容だけに、みんなに知られれば余計な混乱を招くかもしれない。
その危険性を考慮して。報告は各エリアをまとめるリーダー的存在の魔物にだけ伝えられた。
そして1時間後。リタの報告を受けた各エリアのリーダーたちが屋敷の広間に集結していた。
いや正確にはそこにはまだ2つの席が空いていた。
そこには話題の主であるノルと、その治療をしている通称『博士』と呼ばれている島1番の知恵者の席だ。
今、彼女たちは未曾有の危機に、彼らの帰還を一日千秋の思いで待ち続けていた。
ノルたちがこの島にやってきたのは、死んだ先代魔王の遺志を継ぎ、魔族の再起と復興のために人間たちへの反撃の機会をうかがうためであった。
そのためにも次代の魔王の出産は何よりの最重要事項だったのに、その唯一の後継者が種無しになってしまったのだ。
計画の頓挫どころか、一族の存命にかかわる一大事に、みな恐れと不安を隠しきれずに大広間はざわついていた。
そしてそれからどのくらいの時間が経過したことだろう。
大広間の扉が開き、中から博士が疲労困憊といった様子で入ってきた。
よろよろとふらつきながらやってきた博士は、テーブルに手をついてポツリとつぶやいた。

「た、大変だ・・・」

その様子にただならぬ事態を想像した面々は、あわてて博士に詰め寄った。

「おい!いったい何があった!?」
「この世界特有の風土病か!?まさか不治の病じゃねえだろうな!?」
「魔王様は大丈夫なの!?」

しかし鬼のような形相でみんなに詰め寄られているというのに、博士は何も見えていない様子でブツブツつぶやいている。

「早く・・・早く何か対策を考えないと・・・。我々は全滅して・・・」

その様子に埒が明かないと判断したのか、鎧に身を包んだ兵士風の女性が博士の襟首をつかんでその頬をひっぱたいた。
乾いたいい音とともに博士の瞳が大きく揺れる。

「いつまでもほうけていないで、さっさと診察結果を報告しろッ!
 ノル様はご無事なのかッ!?それとも何かのご病気にかかってしまわれたのかッ!?」

答えなければもう1発ひっぱたくと言わんばかりの様子で博士に詰め寄る女性。
彼女の名前はルーバイヤ。魔王妃、つまりノルの母の元側近で、彼女からノルを託された女性である。
強烈な一撃と気迫でやっと正気に返った博士は、ようやくスイッチの入った頭で状況を説明し始めた。

「あ、ああ。大丈夫だ。アイツが不能になったのは一時的なものだ。不治の病でも何でもない」

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