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落ちぶれ魔王のハーレム生活
官能リレー小説 - ハーレム

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落ちぶれ魔王のハーレム生活 17


「ぼくはセレーナを自分のモノにすると言ったけど、セレーナを乱暴に扱うつもりはないよっ!?
 処女じゃなくなったばっかりなんだから、おとなしくしてなさいっ」
「う・・・あう・・・」
「まったく・・・!イリーナのヤツ、どういう教育してたんだ!?
 後でキツく言っておかないと・・・」

いけないな、そう言おうとしたその時だった。
ノルに押さえつけられたセレーナの目に、みるみる涙がたまっていくのに気がついた。
しまった、と思ったときにはもう遅い。
セレーナは最初のときのような気品を置き忘れ、子供のように大声を上げて泣きじゃくり始めたのだ。

「うわ〜んッ!!お父様が怒ったぁ〜!!」
「こ、こらっ。落ち着きなさいっ。セレーナっ」
「わ、私・・・大好きなお父様に喜んでもらおうと思っただけなのにぃ〜っ!!」

ノルはあわててセレーナをなだめるが、一向に泣き止む気配はない。
さすがの魔王も泣きじゃくる子供にだけは勝てないらしい。
ああもう、どうしたらいいものかと途方にくれていると。

「あらあら。いけませんわね、ご主人様?
 娘を泣かせてしまうだなんて」

背後で聞き覚えのある声が聞こえてきた。
天の助けとばかりに振り向くと、そこには母イリーナ他、屋敷の住人たちがちょうどやってきたところであった。

「ダメですわよ、ご主人様?仮にも父親なら、ちゃんと娘の気持ちも酌んであげないと♪」

そう言うイリーナの顔はどこかイタズラっぽく、まるで子供をたしなめる母親のようであった。

「い・・・イリーナ、そうは言っても・・・!」
「ま・お・う・さ・ま?
 この島の女たちは形はどうあれ、みんなあなたの役に立とうと必死なんですよ?
 その思いを無碍にするとは何事ですかっ!?」
「うッ!?」

『魔王様』という言葉にイリーナの起こり具合を感じ取ったノルは思わず言葉に詰まる。
まして彼には娘を泣かせた負い目がある。
・・・それにしても魔王って世界を恐怖のどん底に陥れる代名詞なんじゃないだろーか?
こうも庶民的だと威厳もへったくれもない。
娘を貫いたままたじろく魔王を一喝したイリーナは、そっと娘の涙を拭き取りながらこう言った。

「ほら、セレーナもそろそろ泣くのはおやめなさい。
 ママ、いつも言ってるでしょう?『女は常に淑女であれ』と。
 殿方の気持ちも考えずに自分のことばかり押し付けてはレディーと言えないわよ」
「・・・は、はいッ!!」

するとセレーナは涙を拭き取ると、泣きたい気持ちを押し殺して出会ったときのような、大人びた仮面をかぶろうとする。
しかし一度外れた仮面はなかなか戻らないらしく、まだ彼女からは子供っぽさが抜け切れない。

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