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オッパイ・シティ
官能リレー小説 - ハーレム

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オッパイ・シティ 9

「訳が分からない!」
「うわっ!?」
「きゃあっ!?」
思考が停止する事凡そ数秒。その直後、誠人は溜めに溜めていた思いを大声で叫ぶ。
その余りの声の大きさに、二人は驚きの声を上げた
「何なんだよ一体全体! この街といい学校といい・・・あぁもうっ! 何なんだよコンチクショウッ!!」
ヒステリックに叫ぶ誠人の声が部屋の壁に当たってエコーする。
しかし彼がこうなるのも仕方がない、10年離れていた故郷が(色々な意味で)大変身を遂げたのだ。
訳が分からない事だらけなのは覚悟していたが、さすがに我慢の限界もいいところだ。

そういった思いが籠められた彼の叫びを聞いて、楓と千歳は顔を見合わせ頷きあう。

「ねぇ・・・マーちゃん。 市役所の人から何も聞いてないの? ううん、何も聞かされてないの?」
「あぁ?・・・別に何も。 ただ受付にいってそこで手続きをしただけだよ」
恐る恐るといった感じで彼に質問する楓。
それを聞いて、ややぶっきらぼうな口調で誠人は「あの日」の事を素直に教える。
「あちゃ〜・・・だからだよ」
すると突然、千歳が右手で顔を覆い天を仰いだ。と同時に、彼女の口から出た言葉と口調に何らかの意味がある事を気づいた誠人は、ジト目で楓を見つめる。
ただその表情からは、「早く教えろ」という、脅迫に近い気迫が存在している。

「あのね? 一応確認するけど、マーちゃんがこの街を離れたのは何時だっけ?」
「何時って・・・確か小学生の・・・・低学年の時だろ?」
上から見れば丁度三角形に見える位置でベットに腰掛ける三人。さっきまでのギスギスした空気は既にない。
開口一番、楓が質問した事に誠人は記憶を探るように声を絞り出して答える。
「うん、正確には小学2年生の時。 で、マーちゃんは今17歳でしょ? だから・・・丁度10年ぶりってことかな?」
「10年・・・」
幼馴染の口からでた年数に思わず呟きがもれた。自分でも何となく長いとは思っていたが、まさかそれ程だったとは。
「それで此処からが本題。 マーちゃんが引越しして3年ぐらいかな? 世界中である現象が起こり始めたんだ」
「現象?」
楓の言った事を思わず誠人は聞き返してしまう。
「うん・・・世界中で女の人たちのおっぱいがおっきくなりはじめたの。
 確かニュースとかで女性の身体が早熟するようになったって騒いでた」
ちょっと恥ずかしいのか、ほほを少しだけ赤く染めながら楓が答える。かわいい。
しかしそれはまだほんの始まりでしかなかった。
女性の巨乳化は生理を迎えた女性だけでなく、それすら迎えていない幼い子供にまで伝播し始める。
そして大きくなった女性たちの胸からは、大量の母乳が出てくるようになる。
妊娠しているいないなんて関係ない。下は幼稚園児から、上は生理の終わった老婆まで母乳が出るようになったのだ。
このあたりからようやく異常事態に気づいた世界が動き出すが、事態はそれをあざ笑うかのように深刻化していく。
女性の性欲の増加、一部の男性のTS化・・・気づけば地球は個人差はあれどエッチな女性たちばかりの世界になってしまったのである。
(た、確かに父さんと一緒に世界を回っていた時、きれいな人が多いなとは思ってたけど・・・!
 そんなアホなことが起こっていたのか!?もっと世界情勢をしっかり見ようぜ、オレ!)
誠人はそんな世界的規模の大事件に気づかなかったことを深く反省した。
もっとも世界各地を転々としていた誠人に、新聞やニュースを見ても理解できたか怪しいところだが。
とにかく、世界はこうして美女・美少女いっぱいのステキ世界に変わってしまった。
男としてはこの上なくうれしい環境ではあるが・・・実際問題、そんなに喜んではいられない。
人間は男と女がそろって初めて繁殖できる生物である。女性だらけの世界では人類は滅ぶしかない。
なので積極的に子作りに励んでもらいたいのだが・・・近年の晩婚化に草食系男子の増加、さらにこれまでの一夫一妻制の常識化など問題も多い。
そこで日本政府は一夫多妻制を普及させ、肉食系男子を育成するためにモデルタウンを作りだした。
そのうちの1つがここ、盛洸町というわけだ。
「だ、だからって独り立ちもしてない学生に子作りさせるなんておかしいだろ!?」
「あ、それは大丈夫。ちゃんと国がサポートしてくれるから」
だから子作りしよ?とばかりに答える楓に、誠人は何やってんだ日本と思わずにはいられない。
確かにこんなかわいい幼馴染とエッチできるなんて、うれしくないわけがない。
ないのだが・・・その心境はかなり複雑である。
竜宮城から戻ってきた浦島太郎みたいな気持ちだ。
だがいつまでもそうしている暇はない。
10年の時を経て、美しく成長した幼馴染が誠人の貞操をいただくべく、彼に迫っていたのだから。

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