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オッパイ・シティ
官能リレー小説 - ハーレム

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オッパイ・シティ 7

「それじゃ、綾瀬くん? 入ってきて」
教員の声に従い、ガラッとドアをスライドさせる誠人――途端に集中する視線の雨。
一歩歩くたびフワフワとした浮遊感が体全体を包み込み、自分が今何をしているのかが分からなくなってくる。
「さて、今私の横にいるのが今日から此処で一緒に勉強することになった綾瀬 誠人くん。 親御さんの都合で何度か引越しと転校を繰り返して、また自分の生まれ故郷に戻ってきたみたい」
右隣で簡素に説明を始める女性教員。しかし、そんな女性教員の説明に興味がないのかクラス中の全員が誠人の事を凝視している。
好奇心や興味心、疑心、不安などなど様々でその視線の中に一人見知っている人物がいる事に誠人は気づく。

クラスのほとんどが自分に対して物珍しげな物を見るような視線に対し、彼女だけが此方に心配そうな顔で見つめている。
杉原 楓。昨日の夕方偶然会った幼馴染は、エメラルド色の瞳を不安そうに揺らしていた。

「・・・と言う事で。 綾瀬くん、自己紹介よろしく。 後、私はこのクラスの担任の有川 柚子(ありかわ ゆこ)よ。 よろしくね」
「ッ!? は、はいッ! えぇっと・・・綾瀬 誠人です。 親の都合でこの街に戻ってくる事になりました。 趣味は・・・」
誠人が若干たどたどしい自己紹介をしている間、幼馴染は少しだけ苦笑いを浮かべていた。
その数分後、学園にHR終了を知らせるチャイムが鳴り響いた。

「・・・・大丈夫?」
「逆に聞こう。 大丈夫に見えるか?」
割り振られた席の机。べっとりとし無気力な口調で答える誠人に楓は乾いた笑い声を出す事しか出来ない。
HR終了後、女性教師――有川先生が教室を後にした瞬間とクラスの生徒が誠人に質問をぶつける瞬間は、ほぼ同時だと言って良い。

次々と投げ出される質問。根掘り葉掘り聞いてくる貪欲さ――そんな拷問から開放されたのがつい先ほど。
しかし開放―――いやさ解放されたのはほんのわずかなことであることは、誠人にもわかっている。
一通り情報仕入れたクラスメートたち(主に女生徒)の熱い視線と、教室の窓やドアからこちらの様子をうかがっている他クラスの生徒たち(これまた女子ばかり)を見れば。
最初はこの世の春が来たとか、モテ期が来たと喜んだものだが、それも今では遠い昔のことのように思える。
この束の間の休息が永遠に続けばいいのに。誠人はこの世のモテない男性を敵に回すようなことを考えながら机の上で突っ伏していた。

「それにしても・・・いくら転校生が来たからって興奮しすぎだろ?
 ここってそんなに田舎なワケでもないのに」
「それはしょーがないよー。この街じゃ、女の人にとって、男の人はノドから手が出るくらいにほしいモノなんだから」
「ははは・・・おもしれーよ、楓。もーサイコー(棒読み)」

死んだ魚の目で棒読みする誠人。
今の彼にはつまらないジョークに反応する気力すら残っていないようだ。
だが楓のほうはジョークを言ったつもりは毛頭なかった。
誠人の反応に楓は頬を膨らませ、彼の人生を変える重要な情報をボロボロと語り始めた。

「もー!マーちゃん、信じてないでしょ!?
 ホントなんだよ!?この町じゃ若い女の人が男の人より圧倒的に多くて、彼氏1人作るだけでも大変なんだからっ!」
「ッ!?」

その言葉に誠人はそれまでの疲労も忘れて、机から起き上がった。
今まで恋愛と縁のなかった彼にとって、それは絶対に聞き逃しできない、重要な情報だったのだ。

「ま、まさか・・・冗談だろ?みんな、こんなにも美人なのに・・・彼氏がいないわけが・・・」
「ホントだよ?あんまり男の人との出会いがないもんだから、1人の彼氏に複数の彼女がいるなんてことも珍しくないし」
「・・・ッ!?」

楓の言葉に今度こそ誠人は絶句する。
この町に引っ越してきてから、いろいろおかしなところのある町のように思っていたが・・・。
まさか、日本国内にこんなすばらしい楽園が隠されていようとは、想像もしないことだった。
つまりここではモテない自分も勝ち組になれる・・・?
今まで捨てたくても捨てられなかった童貞を捨て、大人の男になれる・・・?
そんな考えがダダモレだったのだろう。楓が半ばあきれた様子で注意を促そうとした。
「はぁ・・・マーちゃん? 今、自分もモテて色々出来る、とか思ってるでしょ?」
「うッ」
ジト目で言われ誠人はおもわずうなってしまう。そんな彼にため息を吐き説明を続けようとした瞬間。
「ねぇ、ちょっとあんた」
凛として透き通るような声音が楓の説明を遮った。
「ん?」
「・・・千歳ちゃん」
呼ばれ何事かと振り向く誠人と、話の腰を折られ少し不機嫌そうな顔で相手を見る楓。
「ごめん、ごめん。 そんな怒った顔しないでよ楓。 初めまして、私は瀬戸千歳(せと ちとせ)。 クラスメイト兼楓の親友よ」
振り向いた先にいたのは、にこやかな微笑みを浮かべながら自己紹介をする一人の女子生徒だった。

長い黒の長髪を後ろで縛ったポニーテイルが特徴な綺麗な女子生徒―瀬戸千歳。
彼女もまた年齢にそぐわないワガママボディの持ち主だ。
制服がはち切れんばかりの乳房は、ただ大きいだけではなく見事なバランスを保っていて、ウエストは枝と思わせるほどにくびれている。

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