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龍使いの少年 第二部
官能リレー小説 - ハーレム

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龍使いの少年 第二部 34

「おっと、護衛は動かないでね。人に封じた状態で、女神が死んだらどうなると思う?」
護衛は数が多いから、魔術で縛るのは魔力が勿体ない。
僕の力があれば、朝飯前の事だけどね。
魔法は使わず、言葉で縛る。魔術の基本だ。
何でも魔力に頼るのは、三流だ。

「お、おのれ、卑怯者め」
疑念に囚われて、神殿護衛たちは動けなくなった。
人に神を封じた状態で殺したらどうなるか?
魔術的に、興味の沸く命題だ。

単純に解放されて、神の力を取り戻すのか?
人として、輪廻に取り込まれるのか?
死の女神だけに、輪廻など意に介さない可能性は高い。
だが、希望的な予測で行動を起こすには、賭けるものが重過ぎる。
外野は封じたから、あとはベレを何とかすれば大丈夫だ。

「信者を惑わせるなと言うけど、『僕に言わせると逆』なんだよね」
「どういう意味だ?」
「冥界の神が人間界に出張るのは、迷惑で不自然だってこと」
そもそも人間が勝手に祭り上げたのだから、ベレを糾弾するのは間違いだ。
それでも教義の矛盾を突けば、『説得』がしやすくなる。

「それで『勝負』して僕が勝ったら、見逃して欲しいんだよね」
「勝負方法は何だ?」
「一時間以内に『生命の喜び』を感じさせたら、僕の勝利で良いかな?」
冥府の女王に、生命を楽しませるのは至難の業だ。
しかも、一時間と言う縛りが有れば。
常識的には、圧倒的に有利な立場の僕が、こんな妥協をするのは馬鹿げている。

「良かろう、その挑戦を受けよう」
「信者に手出し無用と命令してくれるかな?」
「聞いての通りだ。一時間の間、手出しを禁ずる」
ニヤリとわらって挑戦を受けた彼女は、信者に命令を出した。
勝利を確信しているのだろうけど…。

『ストロベリータイム!』
「な、魔法だと?!」
魔法を禁じる取り決めは、無かったからね。
相手の精神は神なので、竜時間を普通に受け止めることができる。
1時間の説得時間が、体感で4年に延びたわけだ。

「精神世界だから、周りの被害を考えずに暴れられるし、神の力も使えるよ」
『なるほど、考えたものだな。では、死を与えてくれる』
制限時間が4年に延びたのも、精神世界での無制限戦闘と言う特典があれば、問題ないと思ったのか。
特に異議を唱えることなく、魔法を受け入れてくれた。
これが罠だと気付かずに。

「どうする?まだ3年残っているよ?」
「ひぃああっ、気持ちいいのぉ!」
実時間で15分後、体感で1年間相手にした状態の、ベレの反応はこんな感じだ。
彼女が僕の好きにできるのには、理由がある。
ベレの魔力は、僕には通用しないからだ。

彼女と表裏一体とされる、ミューゼの力で無効化できるのだ。
その上で、僕自身の力で圧倒してしまえば、ご覧の通りである。
出来レースと言うか、ペテンと言うか。
女神が、事のからくりに気付いたときは『ストロベリータイム』の世界に首まで浸かった状態だった。

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