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龍使いの少年 第二部
官能リレー小説 - ハーレム

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龍使いの少年 第二部 33

「ベレの裁きを受けるが良い!」
巫女さんは怒って、聖印を組み始めた。
もしかして、神降しでもするのか?

神降しってのは、体の中に神様を呼ぶ祈願魔法だ。
普通の神は実体がない魔力の塊だから、肉体に降ろして力を発揮しやすくするのだ。
ただし、主神級の存在を降ろした場合は、使った者は破滅する。
神の重圧に魂が砕け散って、神が去った後は肉体だけの抜け殻になるのだ。
魂が破滅しているから、転生も復活もできない。

「それは禁じ手だろ?止めときなって!」
「問答無用!」
美人巫女が死ぬのは、勿体ない。
彼女は年齢不詳だが、銀の長い髪の毛と青い瞳が似合う、可愛い娘ちゃんだ。
雪女といった印象のクールな美人で、ベレの巫女といわれれば、皆が納得するだろう。
万難を排してでも、抱きたいものだ。

『我が信徒を惑わせた罪を、償うが良い』
僕がまごついている間に、魔術は完成してしまった。
圧倒的な存在感が、巫女から放射される。無用な力の放射は、力を制御できていない証だ。
それはともかく、巫女の魂が潰れる前に何とかしないと。

『何をする?』
ちょっとした因果律操作で、巫女の魂を体から引っこ抜いた。
美人巫女の魂がペタンコになるのは避けられたけど、どうするか。
そのまま持っておくと壊しそうなので、ネックレスのダイヤに封じ込めよう。
魂から発せられる波動で、宝石がユラユラと輝く。

「自分の信者の魂は、大切にしなきゃ駄目だよ」
神にとっては蟻んこ程度の存在だろうけど、一応は念押ししておく。
単に死ぬだけなら、体が塵になっても器を用意して、魂を吹き込めば蘇生できる。
魂が壊れてしまったら、そうも行かない。
死を司る女神なら、その辺を知っているはずなのに。

『我に捧げられた糧である。気に病む必要もあるまい』
死の女神相手に、人間的な論理を期待するのが間違いか。
完全な思念体だから、元々の素性が何であれ、信仰の影に性質を上書きされているようだ。
普通の説得が効果なければ、あとは戦うしかないか。
戦うといっても、普通のやり方じゃないけどね。

『女神ベレよ、汝を人の肉に封じる』
都合の良いことに、相手がわざわざ人間の体に降りている。
ちょっとした封印で、神の力を抑える事が可能だ。
力ある言葉が刺青になって、ベレの手足首と喉に浮き上がった。

「こ、これは?何をした!」
力を封じられたため、神性を帯びない声になっている。
霊的な枷を着けられた状態だから、脅威にならない。
彼女より、周りを囲んでいる神殿護衛を抑えるほうが面倒だ。

「人の体に封じたから『馴染むまで力を使えない』状態になってるよ」
報復の女神といっても、ミューゼみたいな物理的な攻撃力は持たない。
死の呪いや凍死体(フローズンデッド)の軍団を使役したり、吹雪を呼ぶとかそんな能力しかない。
魔法を封じたから、無力な娘と同等だ。

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