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龍使いの少年 第二部
官能リレー小説 - ハーレム

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龍使いの少年 第二部 3

人間・遠藤豊の、異世界での冒険は、これでお終い。
残った僕は、何なんだろう?遠藤豊のような者?
考え出すときりが無い。
僕が、あちらの世界に戻ることは無いだろう。
そう思うと、少し寂しい気がする。
とにかく、今は使命を果たすことを考えよう。

『我が眷属よ、集まれ』
思念で山羊の眷属を呼び集めた。
神が交代した事に、驚く様子は無い。
魔力か何かで、完全服従させられていたのだろう。
疑問を持つ力を、完全に失っている。
とりあえずゲートを開いて、女達を竜王城へ転送した。

彼女達は扱いに困るが、当面はメイドの仕事でも手伝わせよう。
後宮が完成すれば、そこに所属させるとするか。
なにしろ、全員が僕の子を孕んでいる。
作った理由が罠のためと言う、最悪な出生の子供達だが、間違いなく僕の子だ。
山羊の眷属の自由意志も、回復方法を探さなくては。

『大変です!エリルの卵が石化しています』
魔神の後始末が出来たと思ったら、テレサから念話が入った。
やれやれ。一難去って、また一難だ。
僕はのんびりする暇が、無いらしい。
エリルとアリスを伴って、村の孵化場に転移した。
確かに、卵が一つ石化している。
召喚契約を解除した悪影響が出たのだろう。

「そんな、私の卵…」
「大丈夫。絆を願えば、元に戻る」
あまりの出来事に、泣きそうになったエリルをなだめてやった。
絆を戻すとしても、命まで一蓮托生となる召喚契約は、止めておこう。
今回のように、何が起こるかわかった物ではない。

「僕は、エリルを妻として、卵を望む」
「私は、ユタカを夫として、卵を望みます」
石化した卵に手を当てて、絆を結びなおす。
絆を結ばなくても、神の力で卵は戻るけど、エリルと他人なのは嫌だ。
エリルも、同じ気持ちで居てくれたのだと思う。
石化は無事に解除できた。

「今日は一日、村に滞在するんでしょ?」
様子見に集まっていた妻達が口々に誘ってくれる。
旅に出て半月、凄く色々なことがあった。
そうだな、誘いに乗って今日はゆっくりしよう。


「竜は、まだ苦手なのかな?」
「良く…判りません。自分の気持ちなのに」
宴の場で、一人で佇んでいたアリスに声を掛けてみた。
エリルと旅をして、わだかまりが少しは消えたのかもしれない。
人を虐げるのは、竜だけではない。
搾乳ギルドが、その悪い例だ。

「弱肉強食が悪だとすると、僕は最凶最悪の大悪党だよ。好き勝手に暴れて、世界をかき回している」
「ご主人様…」
気に食わないギルドを壊滅させたり、自分の身内の為に、帝国の専売権を利用している。
竜を倒すのも、産まれて来る仔の生存権の為だし、それを口実に利用して、目に付く女を抱きまくっている。
僕の行動は、竜神そのものの身勝手さだ。
歴代竜神とは興味の向きが違うだけで、本質的には同じだ。
世界を喰らい尽くした後は、神威執行して、どこかに旅立つのだろう。
なんとなく、そんな予感がする。

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