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龍使いの少年 第二部
官能リレー小説 - ハーレム

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龍使いの少年 第二部 20

下手すれば、同じサイズの建物の建築費用に、相当するかも。

「オータニア王国に、受け入れを待ってもらうのは無理かな?」
「…問い合わせてみます」
後宮が完成すれば、受け入れ余地が出来るけど、今すぐは無理だ。
一応、相手は姫様だから、仮設住宅で住まわせるのも可哀想だし。
しばらく実家で過ごしてもらうのが、一番安上がりだ。

「他には、ミューゼの天罰の発動が非常に増えています」
「どういう事?」
ミューの出動件数は、そんなに増えていない筈だ。
僕が天罰を使うことも、テロの対処時以外は無かったし。

「代言者に抱かれた女が、夫に対して神罰を発動したとの噂です」
要は、夫婦の営みを断るときに、神罰発動したのかな?
僕に抱かれた女が夫を拒むのはわかるけど、神罰発動の理由にはならないはず。
どういう事なのか…。
事情を神の視点で観察して、理由が判った。

新しい“影”が、発生していた。
危機に陥ったミューゼ信者は、神の加護で神罰を使えると言う噂だ。
テロの憑依戦闘の結果、そんな噂が大々的に流れたらしい。
探ってみると、数百件の発動例が確認できた。
僕が女を抱いていない地域でも、発生し始めている。

「これは、ちょっと困るかな?」
「非公式に、他教団からの苦情が寄せられ始めています」
それはそうだ。全身不随にされた旦那は、他の教団の信者だろうからね。
とりあえず尼僧院に女を保護して、それから旦那の麻痺を解除すべきか。
夫婦が同居する状態で解除しても、夫婦喧嘩は止まらないだろう。

「他に厄介事は?」
「ハグレ竜の居なくなった地域で、『星界より訪れし魔』の活動が活発化しています」
神の力で気配を探ってみると、確かに魔物が大量発生している。
空間の裂け目が発生して、そこからあふれ出したようだ。
竜が居なくなって、空間の裂け目を潰す存在が居なくなったからか。
これはまた、厄介な話だ。

「とりあえず、自警団を組織させよう。神罰で全身不随になった夫達を、所属させる」
「神への奉仕を引き換えに、解放するわけですね」
神の力を使えば、空間の裂け目は塞げるが、あえて使わない。
そもそも、魔物と戦うための力では無いからだ。
神器を集めて神威執行するのも、時期尚早だ。

神威執行するには、世界のあり方を明確に想像しなくてはいけない。
もともと別世界から来た僕だから、世界を知る努力が必要になるのだ。
世界を知る方法ってのが、世界各地の美女を抱くことだから、あまり自慢にならないけどね。
歴代の竜神も、世界を好き放題に貪った後に、最終的に神器で神威執行している。

とにかく、気負いすぎても仕方が無い。
何もかも面倒を見ようとすれば息切れして、僕が倒れてしまう。
どのような結果が待っているのか、明確なビジョンは未だに見えない。
ゴールが見えたときが、僕の役目が完了するときなのだろう。

その日の報告は、それで終わりだった。
後は、祭りと福音伝道だ。
特に変わった事態は起きなかった。


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