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龍使いの少年 第二部
官能リレー小説 - ハーレム

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龍使いの少年 第二部 14

ミスリルは魔法金属だから、一般的には魔法を上乗せするのは無理だとされている。
だが、高密度の魔力を、無理矢理載せた場合は、話が変わる。
普通の刀身であれば魔力焼けで消滅するが、ミスリルは形状を保つのだ。
その結果、即席神剣が出来上がる。
即席でも神剣と同じ威力だから、普通の魔法剣や鎧では太刀打ち不能だ。

僕が駆け抜けた場所では、生首や腕が千切れ飛んだ。
少し、勿体ない話だ。エルフの魔法の武具は、かなり高価だ。
傷をつけずに鹵獲すれば、それだけで結構なお宝になる。

「取り囲んで、撃ち殺せ!」
誰が出した命令か知らないが、素人臭い命令だ。
相手の力量を見極めず、無闇に矢を放つのは危険だ。
必殺の精度で繰り出された矢は、矢返しの魔法で射手へ返った。
目や喉、心臓を狙った矢は、撃った者の急所を射抜く。
切り殺したのと、矢返しで千人くらい片付いたか?
残り六万六千の軍勢だ。残り30分程度で全滅する速さか。

「も、森だ!森で迎撃する」
プオーと、撤退の合図が吹き鳴らされた。
地の利を生かした戦いのつもりなのか。
魔法で焼き討ちすれば、一網打尽になるというのに。

合図を聞いたエルフ達は、一糸乱れぬ連携で撤退した。
錬度も士気もかなり高い状態だ。
普通の軍勢では、太刀打ちできないだろう。
僕にとっては、全く障害にならないけどね。

戦場に残された、半死半生のエルフはどうしよう。
神の力を使えば、命を救える。
救っても、エルフに感謝されることは無いだろう。
むしろ、傲慢な性格が災いして、この先も脅威になりそうだ。

考えるまでも無く、対処は決まった。
今まで、ハグレ竜を大量虐殺してきたのだ。エルフだけを、特別扱いする理由は無い。
僕の仕返しリストの筆頭に、エルフは記載されているし。
なにより、戦闘中は迷いを捨てて、非情に徹しなければならない。

僕は魔炎召喚の呪文を唱えた。生血を燃料にする、魔界の炎を喚ぶ魔法だ。
百万世界の殆どで、禁呪扱いになる物騒な魔法だが、血液以外に引火しないので便利だ。
血の池に倒れ伏せるエルフ達が、業火に包まれた。
血液が、ガソリンのように燃えるのだ。
体に燃料が詰まっているので、生きていても関係なく燃える。地獄のような光景だ。
凄惨な光景に、目撃している傭兵が動揺しているようだ。

「持ち場を離れるな!逃げたら、俺が手を下す羽目になる」
傭兵の隊長が、部下を叱咤しているのが聞こえた。
賢明な判断だ。
逃げないうちは、僕の手下で味方だ。危険があれば、僕が保護する。
だが、逃げたら契約違反だ。
法外な額の契約金を払ったから、違約金は莫大な額になる。

傭兵団は指示を出さなくても、大丈夫みたいだ。
僕は、エルフを追って森に入った。
魔法で焼き討ちで勝利しても、戦争の抑止効果が無いから、自ら突入して蹴散らす必要がある。
竜王国は、不可侵だと印象付ける勝ち方が必要だ。

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