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竜使いだった少年
官能リレー小説 - ハーレム

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竜使いだった少年 36

「目の前で、消えたり現れてるのよ?おまけに乾燥ワカメみたいに膨らんでるし」
(なんか、いきなり化けたわよね。逞しくなっちゃって)
あちらの世界で死んで、灰になった僕と入れ替わってきたからね。
肉付きが良くなったのは、その影響だ。

結局、押し問答の結果、そう言う事だと意味不明な理屈で納得させた。
納得していなかったのは、公佳だけなんだけどね。
妹も母さんもおばさんも、頭が柔軟すぎるよ。

「ね、ね、お兄ちゃん、もう一回だけ力瘤を見せて!」
父親不在で育った恵には、力瘤が珍しい物に思えるらしい。
乞われるままに、サイドチェストの姿勢を取って見せる。
母さんやミサさんの、値踏みする様に絡み付く目線が、ちょっと怖い。

「ね、ね、ちょっと触っていい?」
「ん?あー、ちょっとだけだぞ」
恵は子供っぽい欲求でいじっているが、公佳を含む年長三人組は悶々としている。
変な方向に発展する前に、切り上げよう。

「はい、終わり。ご飯を食べよう」
「えー、もうちょっと」
ぐずる妹は放置して、冷めてしまった朝食を食べ始める。
皆も、僕の鑑賞会は止めるつもりみたいで、一安心だ。

朝食の間も公佳の視線だけが気になる。
この中唯一の常識人…しかも相当堅い思考の持ち主の公佳だ。
そりゃあ納得いかないだろう。
あっちでの癖で、面倒くさいなら抱いてしまえって思考にどうしても傾いてしまう…ただ、間違いなくお堅い公佳なんか抱いたらミサさんに気付かれるのは間違い無い。
ならどっちも抱いちゃえ…と言うのは更に向こう的な考えだな…
食べながらそんな事を考えている。

「ごちそうさま。学校に行って、補習授業の予定を聞いてくる」
「え?あ、ちょ、ちょっと…」
(一人で大丈夫なの?)
公佳が心配しているけど、問題ない。
産まれて今までで、ここまで健康的な状態は初めてだ。


「お早うございます、吉永先生」
「あ、んん?あ、ああ遠藤君?」
(餓死寸前で入院したと、聞いていたのだけど。どう見ても健康体だね)
夏休みだというのに、僕の担任は早くから出勤していた。
僕の変貌にかなり驚いているけど、事情説明が面倒だ。
適当に誤魔化そう。

「予定より経過が順調で、退院できました。補習授業は、どうなります?」
「ああ、入院が長引くだろうから、課題を解いてもらう予定だったのだけど」
よっこいせと掛け声を上げて、プリントで膨れた紙袋を取り出した。
問題集のコピーが、みっしり詰まっている。
まさか、これ全部を提出しろと?

「入院中は暇だろうから、各教科担当が増量サービスしたみたいね」
「これは…多すぎませんか?」
「暑い教室で、補習授業が良いの?」
(自殺未遂なんて迷惑な。大人しくプリントを解いてろっての)
先生、本音が黒いよ…。

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