PiPi's World 投稿小説

僕と桃のハーレム計画
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 65
 67
の最後へ

僕と桃のハーレム計画 67

(確かにあの3人ではあるが…顔のつくりも随分変わったもんだなあ)
当時はなんというか、いつだってイライラしているような、居心地の悪そうな表情をしていた。
聞くと彼女達の両親は子を授かって以来ケンカが絶えず、家庭内の状況は最悪だったそうだ。
だから幼稚園ではそのウップンを晴らすが如く、
無意識に標的を見つけてはイジメを繰り返してしまっていた。
後に両親は離婚。
ひどい事にどちらも子供達を引き取らず、3人は児童施設に移り住む。
そこで初めて人の優しさに触れ、徐々に心は安らいでゆく。

「おねえちゃん、あたしたち…サキちゃんたちを傷つけちゃったんじゃ…」
「今からでも謝りに行きましょう?許してくれなくても」
「そ、そうだな…」
中学生になった頃、3人は紗季先輩の元を訪ねる事にした。
きっと、親のような大人にはなりたくない、過去をきちんと清算したい…
という強い意志からであろう。

「あら皆さん!お久しぶりですね。さあどうぞお入りになって」
そこに弱虫だったサキちゃんはもういない。
すっかり成長し自立した女性となりつつあった紗季先輩は、
懐かしい友との再会を喜んで、快く家に招き入れた。
それから凛と綾にも会いすぐ打ち解け、6人は親しい友人として付き合うようになった。
いじめられた経験があったからこそ、こうして今の自分になれたのだ、と言う。
紗季先輩らはもう過去を全く汚点と捉えていないようで、私達にとても良くしてくれる。

とはいえ…
やはりこのままでは私達の気が済まない、何か恩返しがしたいと頼む晴美。
そこで高校に上がると、天ヶ院家に仕えるメイドとして在籍を始めたのだ。
3人はよく働き、紗季先輩にはもちろん、多くの人に認められるメイドとして重宝した。
幼い頃から家族の愛を求めていた彼女達にとってそこは、
ある種の理想的な居場所となっていったのである。
今では住み込みで働き、こうして紗季先輩に心から仕えているのだそうだ。

「……おわかりいただけましたか?」
晴美はにこやかに微笑み、食後のコーヒーを淹れていた。
「ああ。3人とも見違えるようにお姉さんになっちゃったなー」
「うわわっとお!ふーっ危ない危ない」
雲乃は今でもドジっ子っぽさが漂うが…
そういや昔からぽやぽやしていたな。
晴美が世界を悲観し他人を睨みつけ、それを見た霰が姉のために突っかかってゆく。
雲乃は口数少なく、鼻水でも垂らしながらそれを眺めていた。といったふうだったか。
(性格は顔に出るというが…あんなにくすんでいた表情がこんなに…)

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す