PiPi's World 投稿小説

僕と桃のハーレム計画
官能リレー小説 - ハーレム

の最初へ
 145
 147
の最後へ

僕と桃のハーレム計画 147

近頃はよく一人で桃色妄想に耽り、よだれを垂らしたり目を輝かせたりの顔が多いが、
こうして静かに休む桃を見ていると、彼女がいかに本物の美少女かがわかる。
いいよる男子が多いのは無理もない話だ。

(ちょっと待て…どうしてこんな、はしたない格好なんだ?)
彼女はパジャマの上着しか羽織っていない。
しかもその上着もボタンは外れ、少し動けば胸の頂点が見えてしまいそうである。
よく見れば手は自らの、ちょこんと可愛らしいリボン付きパンツにかかっていた。
いままさに脱ごうとしているような、実にけしからん誘惑ポーズ。
まったく、このまま抱きマクラにして部屋に置いておきたいくらいのエロ中学生だ。

(まさか僕は、寝てる間に変な事されてたんじゃないだろうな…?)
桃の事だ。有り得る。
メンバーの中でもとくに彼女は頻繁に、寝ている僕のベッドに忍びたがるからな。
今日はきっと途中で眠り込んでしまったのだろう。
頭も切れて頼りがいのある桃ではあるが、やはりまだまだ子どもな部分もあるのだ。


一度目が覚めてしまうと、なかなか寝付かれない。
僕は乱れた毛布を桃にかけてやり、トイレに立った。
ここにいる皆は寝てしまっているようで、僕は起こさぬよう忍び足で廊下へ出る。

用を済ましてリビングへ引き返す僕。
その途中、どこからか、誰かの小さな話し声が聞こえてきた。
(まだ起きてる奴がいたのか?ちょうどいい、一緒に夜食でも食うかなー)

声はどうやら屋外から聞こえてくるようだ。
窓から河原を眺めてみれば、ランタンの明かりに浮かんだ2つの影が確認出来る。
(どうせ寝付けなくて、奈々か真綾でも遊んでんだろう。いや、それにしちゃ静かか)
夜になれば流石に少し冷える。
風邪でもひいたら大変だし、ちょっと様子を見に行ってみよう。

「誰なんだろ?ここからじゃまだ顔が見えない」
僕は勝手口から外へ出て、ランタンの灯りを目指してゆく。
外はささやかで澄んだ虫の音がこだまし、いかに人間社会が騒々しいかを思い知る。

「……そうだったんだ、雄斗くんとそんな過去が」
「うん。けど私、まだ彼にうまく言えていなくって…」
かすかに聞こえてくる少女達の声。
(ん、僕の話…?)
僕は訳もなく、とっさに近くの草陰に身を隠す。
彼女らはまだ僕の存在に気付いていないようだ。

「西寺さんは、どうして彼の事を…?」
「私は明日香さんみたいにドラマチックなものじゃないけど…なんでだろう、
 やっぱり雄斗くんの、心のある誠実さに惹かれたのかな。
 クラスの細かな仕事も、体育祭なんかのイベントも、彼は何でも本気で取り組むの。
 本人は無意識でも、いつも皆に気を配って。きちんと人を想う事が出来る。
 …そんな雄斗くんだもん。多くの女の子が放っておかないのは、納得しちゃうな」

2人はせせらぐ川面を見つめて腰を下ろし、親身な様子で言葉を紡いでゆく。
(春菜ちゃんが僕を、そんな風に思っていてくれたなんて…!)
考えてみればメンバー達が、一体どうして僕なんかに好意を抱いてくれたのか、
いささか気にはなっていたのだ。

「でもやっぱり私、彼を独占したくなっちゃう。みんなの気持ちもわかるけど、
 それでも!…私だけを見てって!そう思っ………ずるい女だよね、私」
全て鮮明に聞き取れはしないが、明日香は春菜ちゃんに、何か相談をもちかけているようだ。

「そんな事ないわ明日香さん。私だって、ついこの間までそう思っていて…」
春菜ちゃんは近くに転がる小石をひとつ取り、軽く川へ投げる。
小気味のいい水音が聞こえ、優しい波紋が、誰かの心を表すかのように広がった。
彼女は続ける。

「けど気付いたの。雄斗くんと同じように、ララさんや明日香さんやクラスの皆、
 彼を通して仲良くなった女の子皆だって、私、失いたくない。私達全員が一つの
 チームなんだって……今はそう、思う」
「西寺さん…」
「彼は、その…えっちな人ではあるけれど、誰彼構わず手を出す訳ではないと思うの。
 その証拠にほら、ここにいるみーんな、とっても魅力的な人達でしょ?
 きっかけはどうであれ、全員が本当に雄斗くんを好きなんだなぁって感じられる。
 嫉妬じゃなくて、より深い友情を築ける……それがこの、ご主人様のハーレムなの」

(声がちょっと小さいな…なんて言ってるんだろ?)
少なくとも、僕やハーレムメンバーを悪く言う話ではないようである。

SNSでこの小説を紹介

ハーレムの他のリレー小説

こちらから小説を探す