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僕と桃のハーレム計画
官能リレー小説 - ハーレム

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僕と桃のハーレム計画 102

最後はこのクラスの学級委員長、西園薫(さいおんかおる)だ。
典型的な生真面目、成績優秀、冗談の通じないようなタイプである。
とはいえガリ勉のぐるぐるメガネとかでなく、色気さえ漂うクールビューティーだ。

「あの、隆起くん…で合ってましたっけかあ?」
育代が僕へ話しかけてくる。
「これからクラスメイトとして、よろしくお願いしますですーっ」
りりは横に結ったポニーテールを揺らし、快活に挨拶をくれた。
りりの裏にはのんがおり、しずかに僕へおじぎする。
どうやら男性との交流は得意でないらしく、頬を赤く染めている。
「ほら!おしゃべりしてないで、育代さんは廊下、りりさんはベランダをお願いね」
薫はさすが委員長らしく各々に指示を出し、テキパキと掃除に励んでいた。
「えーと…委員長、僕はどこを掃除しましょ?」
「まったく仕方ないわねぇ、では明日香さんとあなたはお手洗いをお願い」
「「えぇぇー」」
「ほら、つべこべ言わない」
僕と明日香は廊下へ出てトイレへと向かっていった。

「なんだか隆起くんとお話しするの久々だね」
明日香は明るい笑みで僕の顔をのぞく。
「あ、ああ。そうだね」
当時たいした会話をしたわけでもなかったが、男女から人気も高い彼女が
僕なんかの事を覚えていてくれただけで充分、嬉しくて思わず頬が緩んだ。
「なんか隆起くん最近変わったよね。なんていうか、明るく素直に…
 前よりすごく充実してるって顔になった」
た、確かに充実しているからな。女の子はやはり鋭い。
「そ、その、もしかして…彼女でも出来た…の、かな?」
「え!いや!そ、そんなそんな」
彼女どころかハーレムの主です!ってな状況なんだが、言えるわけもない。
「ふーん……隆起くんってその、昔のこと…」
「へ?むかし?」
「ん、ううん!何でもない。さ、早く掃除すませちゃお」

男女それぞれのトイレへ分かれる僕ら。
(ったく、クラスに男子一人だけって、毎週トイレ掃除は僕しかないじゃんか…)
ぶつぶつ言いつつも、根は真面目な僕は懸命に掃除をこなすのであった。


ふう、トイレ掃除も完了。
教室のサッシや棚、黒板等もぴかぴか。あとは皆で床を掃いて終わりかな。

がらがらがら!ばんっ!
7人で教室を掃いていると突然、前後の扉が音を立てて強く締まった。
びくっと肩を上げる僕ら。
「だ、誰のいたずら?一体何の真似…あれ?変ね…」
薫は扉に手をかけて開けようとする。しかし、どうももたもたしている。
「どうしたの委員長?って、あれ?え、開かない……?!」
鍵が付いているわけでもないのに、どんなに力を込めても扉は開かない。
「え…ちょっと!窓も開かないよ!」
ベランダ側の窓には鍵があるが、ちゃんと開いた状態になっている。
それでも、どう頑張ってもびくともしない。
つまり……僕らは完全に、この教室から出られなくなってしまったのだ!

「ふぇーん!りり達みんなカンキンされたですー!」
「ちょっと隆起さん!どうしてくれるの。私は早く帰って、塾があるのよ?」
「ぼ、僕に言われたって…一体誰が何の為にこんなことを…」
あたふたする7人。
とりあえず僕は大声で誰かを呼んでみたり、校庭で部活に励む生徒らに
大きく手を振ったりと、やれるだけのことはしてみた。
しかし誰も気付いてくれない。
夕焼けは刻一刻と色合いを濃く染めてゆく。
始めは何かの冗談だろうなんて気持ちもあったが、もはやこれは本当に。
(…笑えねえーっ!)

「そ、そういえば私、聞いた事があるんです。この学校の……怪談」
静がいつになく、神妙な表情で話を始めた。
「むかーしむかし、この学園で想い人にフられた可哀想な女生徒がいました。
 彼女は哀しみにくれふらふらと街をさまよい歩き、不運にも交通事故で命を落とす。
 悔いの残った彼女は成仏出来ず、今でも放課後の学校を徘徊する…
 男女で楽しそうにしている生徒らを見つけては密室に閉じ込め、恐怖に落とす……」
「お、おいおいよしてくれよ、冗談だろ?」
そんな自分の雪辱から現代の僕らを妬んでいやがらせなんて。
そもそも怪談なんて、どこの学園にもネタとしてあるだけであって…
しかし静の顔は相変わらず堅い。

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